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ザックスの世界線から見たFF7リバース・ストーリーまとめ&考察@シナリオライターが語るFF7

※この記事はネタバレ含みます。
※この記事には僕個人の意見や感想が含まれています。

自己紹介
35歳男性、二児の父
職業、シナリオライター
ゲームのシナリオ〜漫画の原作まで色々やってます
小説家じゃないので文章下手です
シナリオライター視点でFF7を語ってます
野島一成さんリスペクトです


こんにちは
僕の初投稿記事が
100回閲覧されたと通知がきてとても嬉しいです。
読んで下さった皆さんありがとうございます。励みになります。


ザックスの世界線から見たFF7リバース・ストーリーまとめと考察

さて、今回はFF7リバースの
ザックスの世界線のストーリーをまとめてみた。
プレイしてる最中、ザックス編はぶつ切りで挿入されていたから、自分自身、繋げてストーリーを確認したいという目的もある。
同時にシナリオライターなりの考察を付け加えている。
僕個人の見解や感想が含まれているので
「そういう考えもあるんだな」と広い心で読んで頂けると嬉しい。


ザックス生存の世界線の誕生

FF7リメイクシリーズでは
実に多くのキャラクターの生存ルートが作られている。

僕は野島さん(FF7のシナリオ担当者様)ではないので、ただの直感ではあるが、エアリス生存の世界線を作るなら
他のキャラクターの生存の世界線もつくならないと、ご都合主義なストーリーになってしまうのでは…という懸念から
死ぬ運命だったキャラクターを複数人、生かす…というアイデアに着地したのではないかと感じている。

※エアリス生存説については下記の記事にて


真相がどうであれ、ザックス生存の世界線をプレイでき、とても嬉しかった。

ザックスのストーリーは
魔恍中毒で意識のないクラウドを連れて逃亡する途中、
神羅兵に囲まれて、絶体絶命なシーンから始まる。


本来ならここでザックスは力尽きるのだが、今作ではフィーラーの風が舞い
神羅兵の撃った弾丸が当たらずに済み
ザックスは生き延びる。



そしてミッドガルのスラム街に向かうことになる。

ここで
運命の壁をこえ、
新しい世界線に進むクラウドとエアリスにすれ違う。



…が、すれ違った事に
ザックス自身は気づいていないようだ。

リメイクプレイ中はこのシーンの意味が分からなかったが、
クラウド達は新しい世界線に足を踏み入れ、
ザックスはクラウド達が元いた世界線に足を踏み入れた事を表現していたのかもしれない。

一瞬だけ交わったものの、
別の世界線に別れてしまったのなら切ないすれ違いだ。


ミッドガルに辿り着いたザックスは街中で生中継のニュースを見る。これがなかなか衝撃的な内容だ。


・ミッドガルハイウェイの竜巻被害が莫大であった事

・ハイウェイで倒れていたバレット、ティファ、レッド13、そしてエアリスが神羅のヘリで搬送されるシーン

・バスターソードを持った元ソルジャー(グラウド)は行方不明で指名手配中だということ



時系列的には
ミッドガルハイウェイの竜巻の直後のようだ。

こっちの世界線ではバレット達は瀕死の状態でしかも拘束されており、アバランチは実質壊滅状態になっていた。

運命の矛盾「クラウドは魔恍中毒者のまま」

この世界線で生まれた大きな矛盾は
クラウドだろう。


アバランチで活動していた何でも屋のクラウドはこの世界では「行方不明」になっている。
その代わりずっと魔恍中毒のまま、ザックスに担がれて移動してきたクラウドが存在する。



ニュースに飛び込んできたエアリスの映像
丁度映像のヘリが上空に


報道を見たザックスは
エアリスを助けに向かう。

無事にエアリスを救出したものの
エアリスも意識がない状態だ。


こうして1人で2人の介護をすることになったザックス。

この先どうなるのだろうと思ったら
噂をかぎつけある人物がザックスの元に現れる。

それがエアリスの育ての親であるエルミナだ。



エルミナは現在、バレットからマリンを預かっており、世話をしながら生活している。
ここはオリジナルと同じ設定だ。

エルミナはエアリス達を看病するため
ザックスを家に招き入れる。


こうしてザックス、エルミナ、マリン、
そしてクラウドとエアリスでの暮らしが始まる。


運命の矛盾「マリンにとってのクラウドは何でも屋のクラウド」



ザックスにとってのクラウドは
魔恍中毒で5年前からずっと一緒にいるクラウドだ。

でもマリンにとってのクラウドは
何でも屋をしていたクラウドなのだ。

この世界線ではクラウドが強烈なバグみたいな存在になってしまっている。
もしかしたら、クラウドだけ世界線を行き来できる理由と関係しているのかもしれない。

そして、まもなく世界が終わるという世紀末の設定になっている。


運命の矛盾「ビッグスにとってのクラウドも何でも屋のクラウド」


ザックスの他に
意外な人物がこの世界線では生存している。
それがビッグスだ。

アバランチメンバーの中で唯一生き残った人物だ。
(こう書いてて驚いたが、バレットとティファはこの世界線ではあのまま死亡した事になっているようだ。レッド13も力尽きる描写があった。)

エルミナは定期的にビッグスから食料の差し入れを受け取っていた。
恐らくマリンがいるから…
という事だろう。

しかしマリンはこのように悲観していた。

バレットもティファも帰ってこない、
だからビッグスもやがて
ここには用がなくなり立ち寄らなくなるだろうと。

ビッグスはお尋ね者なので
あまり堂々とエルミナの家に
近づく事ができないという事情もありそうだ。

そこでザックスは
ビッグスを探し出し、
マリン達に会いに行くよう
伝えるとマリンに約束する。




ザックスの人の良さが現れた一面だと思う。

そして探し続けた結果、
ビッグスと会う事ができたザックス。

ここでの2人の会話も非常に衝撃的だった。


ビッグスは七番街プレートで
神羅の攻撃を受けて瀕死の状態だったが
気づいたらスラムの孤児院で目を覚ましたようなのだ。
誰が助け出し、誰が孤児院まで運んだのか、誰も知らないという。
一つ覚えているのは
瀕死の状態の中で、強い風が吹くのを感じた事だった。

ザックスは自分の状況がビッグスに似ている事に驚く。

ザックスも神羅兵に囲まれて絶体絶命だった状況から気づいたら生き延びてクラウドと2人で立ち尽くしていたというのだ。
その時も強い風が吹くのを感じたようだ。

ここでもクラウドの認識がお互いに異なるようだった。
ビッグスにとってのクラウドは
カッコつけの何でも屋クラウド。

ザックスからすると
クラウドが何でも屋をしている事は
時系列的にもとても謎だったと思う。

ビッグスにクラウドといつ知り合ったのかを聞く。
するとビッグスは
時間の記憶が曖昧になっていて
分からないと答える。

そして
もうすぐこの星は死ぬ、
なぜか町の人たちはみんなその事実を受け入れてしまっている事を説明。

ビッグスは
街中の掲示板に貼ってあった
「新生アバランチメンバー募集」の張り紙を頼りに集会所へ出向く。
生き残ったアバランチの誰かが
再決起するためにメンバー募集しているのかもしれないと、望みを持って出向いたのだ。しかし
そこには誰もいなかった。
(正確にはキリエはいたのだが、彼女は募集に応募する側として来ていたようだった)

ビッグスはアバランチ復活を
期待して出向いたため、
現実を目の当たりにして
何のために自分は生き残ったのか、
この終わりゆく世界で何をすればいいのか思い悩む


落ち込むビッグスに対してザックスは…

そんなビッグスを見て
ザックスは夢を見つけて抱きしめろとアドバイスをする。

ビッグスが新しくやりたい事を見つければ
今の虚無感もなくなると思い
アドバイスしたのかもしれない。


さて、余談だが以下のエピソードにビッグスの人柄が
わかる会話がある


1番より2番3番が向いている、
やるかやらないかを決めるより
どうやってやるかを考えるタイプなのだと
話している。


皆さまはどんなタイプだろうか。
僕はシナリオ屋なんかしてるくらいなので
自分で決めて行動する方が好きなタイプだ。
悪く言えば我が強くてわがままなんだと思う。
だからこそ、ビッグスみたいな人物は
凹凸が合うような感覚で
とても頼もしく感じる。


エアリスはクラウドが好き

エルミナ達との共同生活は平和に過ぎていった

ザックスはいつのまにか
エルミナの家に行く事を
「うちに帰る」と表現するようになる。
それだけ今の生活が暖かく
休息の場所になっているのだろう。
ザックスの人生は苦労の連続だったので
こういった安らかな生活を送るザックスが見れたのは嬉しい。

しかし平和な生活の中にも、
ほろ苦い出来事は突如起きたりする。

ある日、クラウドの看病をしていると、マリンが気になる言葉を発言する

「お姉ちゃんは怖い人に殺されてしまう」

クラウドがエアリスを守ろうとするが
あともう少しなのに助けられない
だからエアリスが目覚める前にクラウドの病気を治して、エアリスを守れるようにして欲しいとザックスに頼み込んできたのだ


エアリスを殺そうとしている怖い人は
銀髪で長髪の男だという

銀髪で長髪…4才のマリンが五年前に絶命したセフィロスのことを知っているとは考えにくい、ザックスはマリンの
予言のような発言に少し信憑性を感じたのかもしれない。



そしてマリンは
エアリスがクラウドのことを大好きなのだと説明する。

ザックスからしたら
これはほろ苦くなる発言だっただろう。

ビッグスやマリン達と過ごすうちに
ザックスは少しずつ、何でも屋クラウドの人物像を知っていったのかもしれない。
(直接の描写はないが、同居人のクラウドの話題がゼロ…という事はないだろう)

クラウドとエアリスが初対面ではない事も知らされていたのかもしれない。

ザックスは
「そっか、それはヒューヒューだな」と
マリンに合わせて笑顔で返答する。


FF8のスコール、リノア、サイファーや
FF10のティーダ、ユウナ、シーモア
のように
野島さん(シナリオ担当)は男2女1の三角関係を書くのがお上手だ。
どのナンバリングの三角関係もストーリーと絡めてありとても面白い。
特にリバースのクラウド、エアリス、ザックスの三角関係は突出して良かった。
(FF7の場合は厳密には四角関係なのだが)

ザックスにとってクラウドは
恋敵ではあるが、それ以上に
友人であり戦友なのだ。
そして今作ではエアリスをセフィロスから守りたいという共通の想いを持っている。

それがこの後のストーリーで描かれているのがとても良かった。


ビッグスの決断、ザックスの選択

ザックスはマリンの予言を聞き
クラウドの魔恍中毒を治す方法を探すため
宝条博士を訪ねることにした。
マリンの言葉を信じ、エアリスの気持ちを尊重し、
クラウドを助けることにしたのだ。

ザックスはエルミナと共に
黄色い花が庭に咲いているのを発見していた。



エアリスが大好きな「再会」を意味する花。
もしかしたらエアリスは近々目が覚めるのかもしれない、そんな予感がするエピソードだ。

そうなれば事態は一刻を争うかもしれない。

ザックスは念のためエルミナに、もしエアリスが目覚めても1人でどこかに行かせないで欲しいと頼んだ。

マリンの予言通りにさせないために。

ちょうどその頃、
ビッグスはザックスからの言葉
「夢を見つけて抱きしめろ」から
自分がやりたい事は何かを
ずっと考えていたようで
ついに答えを見つける。

それが6番魔恍炉の爆破だった。

最後までアバランチメンバーとして
信念を真っ当したいという、彼なりに導き出した答えだった。

ビッグスにとっては信念を持った行動なのかもしれないが
第三者から見ればやろうとしている事は爆弾テロだ

ビッグスを止めに行くべきか
一刻も早く宝条博士からクラウドの治療方法を聞くべきか

ザックスは重い選択を迫られる


右に進めば宝条博士のいる神羅本社に続く 
ザックスが選んだ道は…


選択から生まれた複数の世界線・クラウドとの共闘

こうして
ザックスがビッグスを選んだ世界線、
クラウド(宝条博士)を選んだ世界線、
どちらも選ばないことを選んだ世界線と
3つの世界線が生まれることになる。

このうち、最初の2つの世界線のザックスは
どちらも神羅兵に取り囲まれて絶体絶命の展開になってしまう。

どちらも選択しない事を選んだ世界線のザックスは教会前でビッグスもクラウドも選べなかった事に対して自己嫌悪に陥っていた


そんなザックスの横を
髪の長い銀髪の男…セフィロスが通り過ぎる。

セフィロスが生きていた。
マリンの予言の信憑性が増す。




セフィロスはザックスを見て「お前ではダメだ」
と言い放つ
ザックスの足場は崩れていき
異次元空間に飛ばされてしまう。

お前ではだめだの意味は
ザックスは他の黒マントの男たちやクラウドのように従順な人形にはなってくれなさそうだから「ダメ」ってことなのかもしれない。

異次元空間に飛ばされたザックスは舞っている黄色い花や
白いフィーラーを頼りに
道なき道を進んでいく。すると人影が見えてきた。

それは剣を構えたクラウドだった

ザックスが「何でも屋クラウド」について
どのくらい周囲から人物像を聞かされていたかは分からないが、剣を構えたクラウドをすんなりと受け入れ話しかける。

「会えてよかった
すこし憎たらしいけどな」



ここでセフィロスが登場し
セフィロス対クラウド+ザックスの戦いが始まる

この共闘が胸熱だったプレイヤーは多いのではないだろうか。
もちろん僕もその1人である。



面白いのは、2人の置かれている立場だ。
クラウドはこれまでのセフィロスの行動を知った上で戦っている。黒マテリアでメテオを呼び出し、星を破壊しようとしているセフィロスを止めるべくして戦っているのだ。

対するザックスは
ニブルヘイムでの事件と、
セフィロスがエアリスを殺そうとしているかもしれない、クラウドならそれを阻止できるかもしれないという情報だけで
共闘している。

ザックスがそれだけクラウドを信頼しているという事なのかもしれない。

世界は交わりまた別れる、そして…

戦いの最中、セフィロスは
「世界は交わりまた別れる」と言葉を告げる。

するとクラウドとザックスがいる地面に亀裂が入り
ザックスとクラウドは引き離されてしまう。

ザックスは
「エアリスを頼む」と
クラウドにエアリスを託す

ザックスの視点だと、
エアリスの家で車椅子で生活していた
あの魔恍中毒のクラウドが、何らかのきっかけで復活したように見えているだろう。

セフィロスと互角に戦っている
このクラウドなら、マリンの言う通りエアリスを守ってくれると思い、エアリスを託したのかもしれない。

もちろん友人だから信頼しているという理由もあると思うのだが。

クラウドから引き離された後に辿り着いたのは
世界線不明の教会。
そこで一瞬エアリスの存在を感じる。
すると体が光に包まれ、体力が回復する。


少なくとも3つの空間に同時に出現した
リバースセフィロスとの戦いが始まる。

戦いに打ち勝つとザックスはまた
異次元の空間に飛ばされる。

目を覚ますとそこは元の教会だった

「世界は交わりまた別れる、そしてまた交わる」
ザックスとまた再会できる可能性を感じる言葉を残してFF7リバースは終了する。



3作目のザックス考察

元の教会に戻ったシーンで終わるので
まだザックスサイドのストーリーは続くかもしれない。

仮にクラウドとエアリスがデートしていた
世界線と、ザックスのいる世界線が同じだった場合、

黄色の花のブローチをしたエアリスが3作目で登場しザックスと再会する可能性がある。
※しかし、このエアリスは教会でセフィロスと衝突しているので、死んでいる可能性もある。ただシナリオ的に、それだと黄色い花のブローチの存在が蛇足になってしまうので
生きている可能性の方が高いかなと思う。

クラウドに関しては
エアリスが白マテリアをクラウドに持たせて
異次元空間に送り出すシーンがあったので
もしかしたら
こちらの世界線のクラウドはいなくなっている状態かもしれない。

なぜクラウドだけ思念体となって
他の世界線に移動が可能なのか
その辺の謎も3作目で判明するかも?


クラウドの精神世界編にザックスが登場する可能性も

一つ気になっている点として、

オリジナルだと
クラウドの精神世界編で見るはずだった
幼少期のティファのエピソードが
リバースではゴンガガのイベントですでに登場している点だ。

なので3作目の精神世界編は
オリジナルとは異なっていそうに思う。

ティファの新たなエピソードが追加される可能性もあるし、
例えばこの世界線のザックスが
クラウドの精神世界編で関わる可能性もありえる。(そういう意味ではエアリスもありえる)

精神世界って他の世界線を絡めるにはベストな環境だからね。

この設定を使わない手はないように思うが、
この辺を野島さんならどう組み立て、表現するのかとても興味がある。

ザックスのストーリーの着地点はどこになるのか

リバースのザックスは
自分で決めて新しい世界を広げたい
自分の人生を取り戻したいと言っていた


なので3作目で人生を取り戻し
充実した表情のザックスが見れたら良いなと考えている。

以上がザックスのストーリーまとめと
僕の勝手な考察である。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いだ。



© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO

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