【前編】クラウドとエアリスのラブストーリーはゲーム史に残る最高傑作の一つだと思う @シナリオライターが語るFF7
※この記事はネタバレ含みます。
※この記事には僕個人の意見や感想が含まれています。
自己紹介
35歳男性、二児の父
職業、シナリオライター
ゲームのシナリオ〜漫画の原作まで色々やってます
小説家じゃないので文章下手です
シナリオライター視点でFF7を語ってます
野島一成さんをリスペクトしています
FF7の良いところの一つは
クラウドの相手をプレイヤーが自由に選択できるところ
僕がリスペクトしている
FFシリーズのストーリーを多数手掛けているシナリオライターの野島一成さん。
野島さんが作る人間ドラマのストーリーはどれも素晴らしいと思っている。
FF7リメイク、FF7リバースにも実に多くの素晴らしい人間ドラマが存在する。
だんだん肌寒くなってきたので(?)
今回はラブストーリーに焦点を当てて語りたいと思う。
FF7は
キャラクター好感度システムを取り入れていて
プレイヤーの選択や行動によって
各キャラクターの好感度が変化していき、
好きなキャラクターと親密な関係になれるのがウリだ。
僕はFF7リバースで
バレット、ティファ、エアリス、レッド13、ユフィ、ケットシー達、全てのキャラクターとデートイベントを体験している。
正直どれもめちゃくちゃ良かった。
メインストーリーに関わる内容もあり、野島さんの各キャラクターへの思い入れも垣間見る事ができ感動した。ティファやユフィはもちろん良かったし、ケットシーだけ完全にギャグ路線だったのも面白かったので是非見て欲しい。
クラウドとエアリスのラブストーリーはゲーム史に残る最高傑作の一つだと思う
そんな僕が個人的に特に際立って素晴らしいと思ったのはクラウドとエアリスのラブストーリーだ。
メインストーリーとも大きく関わっているので、伏線も多く、壮大でとにかく面白い。
王道ラブコメのような楽しすぎるやり取りから、韓流ドラマに負けないくらい切ない展開、そして大きな謎解きと伏線…あらゆるエンタメが詰め込まれており
すげえ!これはゲーム史に残る最高傑作のラブストーリーではないのか!?
…と野島一成さんの本気を見た気がする。
という訳で今回はシナリオライター目線で
そんな2人の物語をリメイクからリバース終了まで前後編に分けてまとめてみた。
この記事にはネタバレが含まれているので、プレイ済みの方、未プレイだが
エアリスルートのストーリーを噛み砕いて知りたい方、3作目に向けて、おさらいしておきたい方向けの記事になる。ご了承を。
クラウドとは、エアリスとは
知らない人のために2人のキャラ設定をまず紹介する(知らない人がこの記事を読むのか!?)
クラウド…神羅カンパニーの元ソルジャーで現在は何でも屋をしている。
反神羅組織アバランチと契約中。
同時にエアリスのボディーガードを請け負う。
エアリス…ミッドガルの花売り とある理由から神羅カンパニーに狙われている謎多き女性
僕の本業はシナリオライターなのだが、
もうね、このキャラクター初期設定が
痺れるほどいい!
ドラマチックな展開を無限に作っていけそうな配置になっている。もちろんFF7本編はこの初期設定を最大限に活かした素晴らしいストーリーになっている。
大前提として知っておくと良い設定
オリジナルのFF7で
クラウドはセフィロスからエアリスを守れず死なせてしまった。
そしてエアリスの死後も、クラウドは守れなかった罪悪感を何年も引きずることになる。
本来であればネタバレ中のネタバレなのだが
リメイクシリーズは「オリジナルのFF7の運命を変える」ことがテーマの一つになっているので、逆にこの設定を知っていた方が
面白くプレイできると思う。
2人の出会いはまさに「運命の出会い」
FF7リメイクのクラウドとエアリスの出会いのシーンはとても印象的だ。
物語の始まりを予感させる素晴らしいものになっている。
初めて会った時のエアリスは周囲に発生した突風に煽られ立ち往生していた。
クラウドとエアリスが目を合わすと
次の瞬間、クラウド以外の全ての時が止まってしまう。
そしてエアリスの真横にセフィロスの幻覚が現れ、クラウドにこう忠告してくるのだ。
「お前には誰も守れない…お前自身もな」
まるでクラウドとエアリスのその後の運命を知っているかのような意味深な言葉を投げかけてくるのだ。
セフィロスの幻覚が消えると
止まった時間が再び流れだし
2人は無事に「初対面」をかわす。
ここで初対面のクラウドに対して
エアリスは「再会」が花言葉の黄色い花を
プレゼントする。
しかし、会話をしていると再び突風が吹き荒れる。
クラウドは目を疑った。
突風に見えたものの正体は
大量に発生した死神のような生き物だったからだ。
エアリスに触れた事がきっかけで
本来なら目視できないものが
見えるようになってしまったのだ。
エアリスはこの状況ではまともに会話ができないと判断し、クラウドに「またね!」と告げて撤退する。
そう、「またね!」なのだ。再会の花言葉の黄色い花を渡したりと、彼女はまるで後日再会できる事を知っているかのように去っていった。
この出会いのシーンには
いくつも謎がある。
まずはセフィロスだ。セフィロスは5年前に死んでいる。
そのセフィロスが現れ、クラウドとエアリスの未来を知っているかのような言葉を投げかけてきた。
あのセフィロスは幻覚なのか?本物なのか?
そして死神のような生き物。あれは一体何なのか?
クラウドと後日再会できる事を知ってるかのようなエアリス。
エアリスは一体何を知っているのだろうか。
沢山の気になる謎を残す形となったクラウドとエアリスの出会い。
これらの謎はオリジナルをプレイ済みの人も 分からない大きな謎になっている。
そして物語が進むにつれて徐々に解き明かされていく。
この出会いがきっかけとなりクラウドは運命に抗う戦いに身を投じることになる。
星とエアリス、そして自分自身に降りかかる運命を変えるための戦いに。
…もう冒頭からいきなり面白い
新たな謎
クラウドが見る「未来のエアリスの映像」
エアリスが「またね」と言った通り、2人の再会はそんなに遠くはなかった。
2度目のアバランチによる魔恍炉爆破作戦で神羅の反撃を受けたクラウドは魔恍炉から落下…
落下先のスラムの教会で目が覚める。
そこには先日出会った花売り、エアリスがいた。
クラウドと教会で再会した
エアリスはマテリアの話をきっかけに、
自分が持っている白いマテリアについて話す。
何の役にも立たないマテリアだが、母親が残してくれた大切なものであると説明した。
この説明を受けた時、クラウドは不思議なビジョンを見る。
見た事のない祭壇で祈っているエアリスと
光り輝く白マテリアの映像だ。
しかしこれは
まだ訪れていない未来の映像…
クラウドとエアリスを引き裂く悲劇のシーンの映像なのである
クラウドも困惑していたが
それ以上に困惑したのは
僕らプレイヤー側だろう。
なんでこのシーンがここで流れるのか、
クラウドは未来のビジョンが見える能力でもあるのか、はたまたエアリスの力なのか、
はたまた2週目説なのか
謎が謎を呼ぶシーンになっている。
この直後、
神羅の特殊部隊タークスのレノが
エアリスを捕らえにやってくる
エアリスはクラウドが「何でも屋」だと話す前から「何でも屋」だと知っていてボディガードを依頼する。
ここまでの様子を見る限り
エアリスはやはり原作とは違う。
確実に何か秘密を持っていそうだ。
エアリスは未来を知っているのか?
そしてクラウドはなぜ
未来のエアリスの映像を見たのか?
人を惹きつけて離さない
エアリスというキャラクターの魅力
リメイクで大幅に魅力がアップしたキャラクターの1人といえば間違いなくエアリスだろう。
エアリスがクラウドをボディーガードに雇い、共に行動し、そして再びタークスに遭遇して捕まるまでの間にエアリスの魅力がこれでもかというくらい盛り込まれている。
その一部をお見せしたい
まさに天真爛漫
茶目っ気たっぷりなエアリスが可愛い
ただの建物の屋根移動すら
エアリスと一緒なら
楽しい時間に変身する
お礼はちゃんと言える子
素直に相手を褒められる子
泣く子も黙る元ソルジャー・クラウドをタジタジにさせるエアリス
ふいに見せる弱気なところも良い
子供やスラムの人たちから慕われていて、彼女の人柄がうかがえる。
素直でまっすぐな好意
クラウドとエアリスの名ポーズ?ハイタッチ!
三度目の正直(正確には4度目)で
ハイタッチ
まだ少しぎこちない?
最終的には息ぴったりに!
クラウドとエアリス。
お互いの心の中にいる特別な異性の存在
クラウドにとってティファは
幼馴染であり、5年前のセフィロスの事件で生き延びた者同士という言葉では表せない特別な存在だ。
エアリスにとって
ザックスは初めて好きになった人だ。
死別だったので嫌いになって別れた訳ではなく今でも特別な存在だ。
※CCFF7で死別に気づく描写があったので、彼女は知っていると仮定する
僕がクラウドとエアリスのラブストーリーが好きな理由の一つが「出会った時点でお互いに特別な異性がいる」という共通点を持っているところである。
エアリスルートで進めていくと
お互いに時に嫉妬しながらも
いつしかお互いの特別な異性は
「甘酸っぱい素敵な思い出」に変わっていく。そして心の中にいる、今最も大切な存在が誰なのか気づくのだ。
この心理描写が野島一成さんはとてもお上手なのだ。
キャラクターの心の動きを
丁寧に描くにはとても技術がいる。
クラウドとエアリスのラブストーリーが
とても深く、リアリティがあるのは
難しい心の動きを手抜きせずに描き切っているからだろう。
皆さんも是非、エアリスルートでプレイするなら
クラウドとエアリスの心の動きにも着目してほしい。きっと何倍も物語が楽しくなるはずだ。
(詳しい心理描写の解説はこの記事の後編でするので、よろしければそちらもご覧になって欲しい)
最強カップル クラウド&エアリス
これは闘技場の大会に2人がタッグを組んで参加した時の呼び名である。
大会で優勝するとエアリスの最高級ドレスが手に入るというお祭りイベントなのだが、実は物語の重要な伏線にもなっている。
闘技場に参戦した2人は、最初のうちは観客からデート気分で参加するなと大ブーイングをくらう
ところが勝ち続けるうちに
ファンが増えていきチーム名
クラウド&エアリスとして大活躍していくのだ
闘技場で観客にモンスターの攻撃が当たりそうになり魔法で観客を守るエアリス。
その隙にモンスターにトドメを刺すクラウド。
魔法キャラと物理キャラの連携プレイもカッコいいなと思わせる良いシーンだ。
そして2人は優勝し
すっかり闘技場の人気者に!
この「2人で連携して難所を抜ける」という構図は、まさにFF7Rシリーズの2人の関係性を象徴している。
FF7リメイクでは5番街で
2人で何でも屋の依頼を請け負い
様々な事件を解決してきた。
2人の活躍っぷりは
隣町のマムのところまで評判になっていたほどだ。
そして2作目のFF7リバースでは、星の危機的状況を2人で力を合わせて乗り越える重要なシーンがあるのだ。
そんな「2人で連携して難所を抜ける」名コンビ
「クラウド&エアリス」が誕生した
記念すべきイベントなのである。
エアリスが街中を騒然とさせる絶世の美女に大変身
先述の闘技場で
最高ランクのドレスを入手できると
街中が騒然とする美女となってエアリスが登場する。
※正確には何でも屋の活躍状況も加点の対象になるのだが
いつのまにかお互いをよく知る間柄に…そこがまた良い
クラウドとエアリスの「運命」はやはり悲恋になってしまうのか…?
再び未来のエアリスの映像が脳裏に浮かび
無意識に涙を流すクラウド
2人が打ち解け、距離が近づいていくほど、2人の運命は切ないものになっていく。
FF7リメイクでクラウドがエアリスに待ち伏せされるシーンがある。
この時、エアリスが先導して歩いていくのだが
その姿が
まだ見ぬ未来の映像と重なってしまうのだ。
その未来の映像とは。
オリジナルのFF7をプレイしている人ならご存知であろう眠りの森のワンシーンである。
ザックリ説明すると
セフィロスが星を破壊しようとしていて、それを止める為にエアリスは1人で行動しようとする。
そんなエアリスをクラウドは必死で引き止めようとするが、足が前に進まない…
その間にもエアリスはどんどん1人で進んで行ってしまい、やがて見失ってしまう…
そしてこの時に交わした会話が
2人の最後の会話になってしまうのだ。
そんな苦しく切ないシーンなのである。
突如その映像と
1人でスタスタ歩いていくエアリスの姿がシンクロしてしまい、勝手に涙が溢れ出すクラウド。
しかし、クラウドにとってそれはまだ見ぬ未来の映像だ。
クラウドが度々、未来の映像を見てしまう理由は何なのだろうか。
未来の事を知っていそうなエアリスと何か関係があるのだろうか?
徐々に明かされていくエアリスの秘密。
やはりエアリスは未来を知っていた。
謎が謎を呼ぶ展開で始まった
2人の出会いだが、
物語が進行していくにつれ
徐々に謎が明かされていく。
リメイクで明らかに
不可解な描写が増えたエアリス。
初対面の時にいずれまた再会できることを匂わせてきたり、クラウドが名乗る前にクラウドが何でも屋をしてると知っていたり、ティファが説明する前からマリンの名前を知っていたりと不可解な描写が多いのだ。
極め付けは
7番街の未来だろう。
神羅は反神羅組織アバランチによる爆破テロへの報復として、アバランチのアジトがある7番街スラムを街ごと破壊しようとしていた。
7番街スラムは空中都市であるミッドガル7番街の真下に存在する。
そのためミッドガル7番街の支柱を壊して都市を落下させ、下敷きににしてアジトを壊滅させようとしていたのだ。
その作戦を阻止するため、支柱で神羅と戦うアバランチ。
アバランチが勝利すれば7番街は守られる。
可能性は五分五分の段階だった。
しかし戦いの最中、エアリスは7番街から1人でも多くの人達を隣街に避難させようと必死に呼びかけていた。
その様子を見て
自警団のミレーは
「7番街は崩壊してしまうのか?」と問いかける。そしてエアリスは静かにうなずく。
エアリスは7番街を支えるプレートが破壊されて、7番街が壊滅する未来を知っていたのだ。
ではなぜエアリスは
未来を知っているのか。
この件に関しては
2作目のFF7リバースにて推測が可能である。
(リバースの内容は後編にて)
クラウドがエアリスの未来の映像を見るのは、エアリスがそばにいる時だ。
もしエアリスが影響しているのだとしたら、あの映像は避ける事のできない、これから訪れる未来なのだろうか
どうあがいても2人の悲恋の運命は変えられないのだろうか?
どうか私を好きにならないで…
エアリスの切なすぎるお願い
エアリスは7番街でマリンや住民達を避難させている最中にタークスのツォンに遭遇し捕まってしまう。
クラウドはエアリスを助けるため、神羅ビル本社へ乗り込む事を決意する。
決意した日の夜、
クラウドは夢の中でエアリスに会う。
エアリスはクラウドを巻き込まないために「神羅本社での生活は快適だから助けに来なくて大丈夫だよ」と嘘をつく。
そして
これまでにクラウドがしてくれた事
一つ一つにお礼を伝えると最後に…
私を好きにならないでとお願いをする
自分の事を好きになったら
クラウドはこの先ずっと苦しむ事になる
だからどうか好きにならないで下さい。
未来を知るエアリスだからこそ出てきた切ないお願いだった。
好きな人だからこそ、好かれる訳にはいかないなんて。
こんな悲しい事ってあるだろうか。
エアリスの精いっぱいの強がりなお願いに対してクラウドの返事は「迎えにいく」だった。
クラウドおまえ…カッコ良すぎるだろ…!
FF7の最主要キャラクター、クラウド、エアリス、セフィロス
3人の運命を狂わせる「セトラ」の存在
オリジナルのFF7でクラウドはセフィロスの狂刀からエアリスを守れず死なせてしまった
ではそもそも
なぜエアリスはセフィロスに命を奪われたのか
その理由は、エアリスが長年神羅カンパニーから狙われている理由とも共通する。
エアリスはセトラの唯一の生き残りなのだ。
最初、クラウドに
神羅に狙われている理由を聞かれると
彼女ははぐらかしてくるのだが…
その後エアリスは、タークスのツォンに捕まってしまうのだが、そこで初めて「古代種」という言葉を聞く。
エアリスが狙われていた本当の理由は
彼女が世界で唯一の「古代種」=「セトラ」の生き残りだったからなのだ。
セトラの説明はゲーム中だとこんな感じだ。
「セトラの民、星より生まれ 星と語り、星を開く。セトラの民、約束の地へ帰る。 至上の幸福、星が与えし定めの地」
まず、FF7の世界では
人は死ぬと肉体も精神も星に帰るとされている。
精神は星に帰る際に「ライフストリーム」という精神が集まった大きなうねりに加わることになる。
そして次の新しい命として生まれ変わるまでの間、星の中をライフストリームとして駆け巡っている。
セトラは、このライフストリームに溶けこんだ精神の声や記憶、想い、知識を聞き取る事ができる民なのだ。
そしてこのライフストリームは、神羅が「魔恍エネルギー」と称して販売しているエネルギーの正体でもある。
星(ライフストリーム)と語れるセトラだけが辿り着ける至上の幸福があるとされる「約束の地」。
それは
「ライフストリーム=魔晄エネルギーが豊富な豊かな土地」だと神羅は解釈しており、エアリスが約束の地を見つけたらその土地を横取りするためにエアリスを付け狙っていたのだ。
さて、エアリスのこの能力
ライフストリームに溶けこんだ(溶け込む前の)
精神の声や記憶、想い、知識を聞き取る事ができる
…この能力を使えば例えば
別の世界線(未来)のライフストリームの声を聞き取ったり、五年前に死んだはずのセフィロスの想いや現在の動きも感知できたりするのだろうか。
もしそうなら、エアリスが未来を知っていたこと、今後の対セフィロスとの展開とも辻褄が合う。
オリジナルのFF7でセフィロスは、この星を支配する神になろうとしていた。
それを阻止する力を持っていたのがセトラのエアリスだった。セトラしか使えない白マテリアの力を使いセフィロスから星を守ろうとしたのだ。
クラウド、セフィロス、エアリス
この3人の因果関係は、今作では更に深く描かれており、誰も予想できない新たな展開に進んでいくことになる。
エアリスを助けるためクラウド達は神羅カンパニー本社へ
そこで次々に新しい事実が判明する
クラウド達はエアリスが捕えられている科学部門の研究施設に侵入成功する。
そして科学部門の責任者である宝条博士と対面するのだが、ここで例の死神のような風貌の生き物と遭遇する。
神羅兵に勝ち、無事にエアリスを救出。
同じフロアにいたレッド13も仲間に加わり、クラウド、エアリス、バレット、ティファ、レッド13、4人と1匹が集結する。
レッド13は対面時にクラウド達を敵と認識する様子があった。しかし未来を知るエアリスはレッド13が大切な仲間の1人になる事を知っていたのかもしれない。
戦おうとするクラウド達を制止して
「この子は大丈夫」と伝える。
そしてレッド13の額に手を当てると…
レッド13はエアリスの知識を共有し、エアリス達を仲間だと認識する。エアリスには自分の知識を共有する能力があるのかと驚いた場面だ。
しかし、その知識の中にはエアリス自身の未来の出来事も含まれているのだろう。
エアリスがクラウド、バレット、ティファに知識を共有しなかったのは、自身の未来まで知らせたくなかったのかもしれない。
そんな経緯を経てレッド13は仲間に加わる。
そして、ここから次々に新しい事実が判明する。
あの死神の正体が判明
運命の番人「フィーラー」
クラウドとエアリスが出会った時に遭遇した
あの死神のような生き物…
その正体がついに判明する。
正体は「運命の番人、フィーラー」だ。
エアリスの代わりに、知識を得たレッド13がフィーラーについて説明してくれた。
「フィーラーとは運命の番人。
運命を変えようとする者の前に現れて行動を修正する」
のだそうだ。
つまりエアリスはクラウドと初めて会った時、何か星に関わる大きな運命を変える行動を取ろうとしていたのかもしれない。しかしフィーラーからの妨害が入り、実行できずに退散したのだろう。
先程の宝条博士の行動も然りだ。
では、エアリスはクラウドに対してどんな行動を試みていたのか。
エアリスからの告白
「本当の敵は他にいる」
ここで少しだけ、未来を知るエアリスが未来から得た情報や、エアリス本人の目的が語られる
エアリスが語る「本当の敵」とは誰なのか?
エアリスは星を守るために
何をしようとしていたのか?
実は肝心な記憶が、エアリスから抜け落ちてしまっていることが、この時点で判明する。
フィーラーには特殊な力がある、接触した人物が持つ記憶や知識を奪ってしまうのだ。
クラウドとエアリスの出会いのシーン以外でも
ちょくちょくフィーラーには遭遇している。
フィーラーとの攻防を何度か繰り返していくうちに、エアリスは未来に関する記憶や、やろうとしていた事など
運命を変えるために必要な情報を忘れていってしまったようだ。
神羅本社でエアリスを救出する頃には、エアリスはほとんどの未来の記憶が抜け落ちてしまっていた。
わずかに残る記憶から
黄色い花が道しるべだった
ことを話すエアリス。
黄色い花とは「再会」が花言葉のあの黄色い花のことだろうか。しかしその詳細はもう思い出せないようだ。
フィーラーに奪われた記憶はもう戻らないのだろうか?
死んだと思われていたセフィロスとの遭遇。
エアリス救出後、クラウド達は神羅カンパニー本社とミッドガルハイウェイでセフィロスに遭遇する。
セフィロスは生きていたのだ。
その後トラブルに見舞われながらも、なんとか神羅ビルを脱出したクラウド達。
そして再び、逃走中のミッドガルハイウェイでセフィロスと再会する
※ちなみにセフィロスと書いているが
正確にはセフィロス?である。
理由を書くと長くなるので
この場ではセフィロスと記載する。
エアリスはセフィロスの思惑を知っていた
復活したセフィロスは
この星の命が永遠でない事を
知り、自分と星の命を永遠にするため
星の「運命」を変えようとしていた。
このことを知っていたのはエアリスだ。
一見すると、星の命を延命させようとしてるのだから良い行動に見えるのだが、実際には大切なのは星と自分だけで野望のために人々が苦しんでも構わないようだ。
この星はもちろん、この星で生きる
人々や生き物のささやかな幸せを
守りたいとの思いから
エアリスはセフィロスに忠告する
全然初めまして同士には見えないこの2人のやり取り。
エアリスはセトラの力を使い、復活する前のまだライフストリームにいた頃のセフィロスと対面した事があるのだろうか?まだこの謎については判明していない。
こうしてセフィロスと
それに対立するクラウドとエアリス、仲間たちの構図が出来上がる。
まさに一触即発の状態だ。
両者が戦えば星の運命にも影響を及ぼしかねない。
行動を修正しようと、今まで見たこともない数の大量のフィーラーが押し寄せてくる。
セフィロスが大量のフィーラーを一刀両断すると、大量のフィーラーが作った壁の間から扉が生まれた。
何のためらいもなく
セフィロスはその扉を突き進む。
クラウドもセフィロスを追いかけるため、扉を突き進もうとするがエアリスに引き止められてしまう。
「ここ、分かれ道だから!」
エアリスはセフィロスの野望のこと、
運命のこと、そして自分の想いを仲間達に打ち明ける。
「星の本当の敵はセフィロス。だから止めたい。
それをクラウドに、みんなに手伝って欲しかった。
このみんなが一緒ならできる。
でも…
この壁は運命の壁。入ったら越えたら皆(の運命)も変わってしまう。だからごめんね。引き留めちゃった」
この扉は運命の壁を越えるための扉だった。
運命の壁を越えると
あらかじめ決められていた運命が
全て白紙に戻った
新しい世界に踏み入れることになる。
エアリスは
クラウドや仲間たちが
運命の壁を越える事に心配があった
壁の先にあるのは
セフィロスが星の運命を変えようとしている
新たな世界線だ。
運命は白紙に戻るが、
セフィロスの悪事により、今決まっている運命よりさらに最悪な運命が作られてしまう可能性がある。
そんな新たな世界に
クラウドや仲間たちを巻き込んでいいのか、
エアリスは躊躇し思わず
引き止めてしまったのだ。
しかし…見方によっては、新たな世界はクラウドとエアリスの悲恋の「運命」を変える可能性も秘めているのだ
度々見るエアリスの未来の映像。
それを回避できるとクラウドが考えたかどうかは分からないが、クラウドの出した答えは、運命が白紙になった世界に突き進む事だった。
運命の壁を越えて…
星の運命、そしてクラウドとエアリスの運命が白紙にもどる
クラウドは躊躇することなく
運命の壁を越えた。
それを見て仲間たちも後に続く。
運命の壁の先でクラウド達は
走馬灯のように流れて消えていく未来の映像を目にする。
500年後の大地を駆け抜けるレッド13、
隕石が衝突し壊れかける星、
そして…
クラウドがエアリスを水葬する映像だ。
「この映像は何だ」と困惑するバレットに対し、冷静に答えるレッド13
「これは我々が捨てようとしている未来だ」
こうして運命は白紙にもどった。
度々見てきた未来のエアリスの映像、
そして水葬の映像。
これらの未来を捨てたことで
クラウドはどのような気持ちになったのだろう。
白紙になった直後の空間で
見つめ合う2人
新たな世界線で襲いかかってくるフィーラー達を倒すと次に現れたのはセフィロスだった。
このセフィロスは「運命に逆らうな」と
クラウドに忠告してくる。
しかしこのセフィロスを倒すと、空間が歪み
クラウドは別の次元にワープしてしまう。
そしてワープした先にもセフィロスがいた。
ここはこの星の寿命が尽きる直前の世界だった
ここにいるセフィロスは
「共に運命に抗おう」とクラウドに協力を呼びかけてきた。
運命に従いたいセフィロスと
運命に抗いたいセフィロス、
セフィロスが2種類いる理由はまだ明かされていない
しかし、どちらのセフィロスも
クラウドにとっては敵であることに変わりはない。
クラウドはセフィロスと戦うのだが、セフィロスの方が優勢でクラウドは剣を弾かれてしまう。
そして
「終末の7秒前、だがまだ間に合う。
未来はお前次第だクラウド」
と告げてセフィロスは消えてしまう
気づくとそこは元いた場所だった
セフィロスは消えており
戦い後の荒野だけが広がっていた。
「セフィロスを追いかけよう
…大丈夫」
今は
未来が白紙になった状態だ。
しかし白紙になったとしても
セフィロスという脅威が生きている事に変わりない。
仕留められなかった事に
悔しさを滲ませるクラウド。
「あいつ(セフィロス)がいる限り俺は…」
思い詰めた表情のクラウドを見てエアリスは
こう提案する
「セフィロスを追いかけよう」
そして優しい笑顔になり、こう付け加える
「大丈夫」
…と。
エアリスの大丈夫
が、表している意味は…。
こうして白紙になった世界でセフィロスを倒すための新たな旅が始まる。
クラウドは今度こそセフィロスを倒し、星を救い
そして…
エアリスを守れるのか?
2人の悲劇の運命は変えられるのだろうか?
最後にクラウドの心情を表した歌「hollow」が流れる。
その歌詞の一部をご紹介する。
受け取り方は皆さんそれぞれではあるのだが、
クラウドの心情がよく現れた
素晴らしい歌詞だと僕は思った。
作詞はやはり野島一成さんであった!
さてここからクラウドとエアリスの恋物語は
更に面白くなっていくのだが
長くなったので、続きは後編に。
クラウドとエアリスのストーリーの面白さが少しでも伝われば幸いだ。
ここまで読んで下さったことに
心から感謝です。
© SQUARE ENIX
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO
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