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この1戦  TーG24回戦(甲子園)

才木は良くなかった。今季で一番悪かったかもしれない。今季はずっと好投を続けてくれる才木を見て来たので、珍しい感覚だった。連敗ストッパーとして今季の貢献度は最高の彼だが、ずっと良い状態で投げられる訳はないから。イニングの先頭打者だけは打さないでと昨日書いたが、4度も出している。それでも点を与えないのは見事ですね。昨日はフォークボールが投げたい所に決まらなくて苦労した。昨季までの彼は、ストレートとフォークのピッチャー。だが今季はスライダーが非常に有効。持ち球種で使えない球が有っても抑えられる。勝てる投手の要素の全てを兼ね備えているのが今季の彼だ。

6回表の満塁はさすがにヤバかった。同点は覚悟したし、それ以上の失点も仕方がないと思った。けど、1点すら許さない。満塁機では先頭のバッターで点が取れないと得点出来ない事が多い。だから、長野の打席は非常に大事だった。それが初球を打ち上げてのPフライ。フォアボールの次の初球を狙うのはセオリーとは言え、何ともお粗末な打席だったね。あの時、タイガースは前進守備を敷いておらず、内野ゴロでも点が入った。バッターがやってはいけない事は三振と内野フライ。なのに初球を打ち上げる。読売ベンチからすれば絶望だっただろう。才木に相性の良い長野を起用して、2打席連続ヒットを打っていた。けど、要はここぞで打てるかどうかだから。粘れば押し出し四球もあったかもしれないが、初球フライではどうしようもない。

象徴的だったのが坂本。3打席連続の打ち上げ。時代の終わりを見させてもらった気分だ。10代でレギュラーを取った彼が衰えても仕方がない頃だ。年齢はまだ35歳だが、体を酷使しているのは間違いないだろう。モンテスが打てなくなっているので彼の起用になったのだろうが、タイガースからすれば助かった。

守りが堅かったタイガース。1回の守備は素晴らしかった。丸に二塁打を打たれて、次の浅野がバント。先取点が重要なので作戦は当然の選択だった。だがこの時のランダンプレーが素晴らしかった。サードに送球されてランナーが挟まれたが追い込み方が素晴らしく、早めに二走をアウトにして、二塁を狙った打者走者もアウトにした。このゲッツーが取れたのが大きかった。

タイガースの得点機はほぼ1度だけだった。3回裏だった。才木のバントの時に、バットを出しているのに三振にならない塁審の不可思議な判定があったが、その後走者を進められた。近本と中野の連続ヒットで1点を奪った。たった1度のチャンスを決めたタイガースと何度も好機を潰し続けた読売。昨日の試合は、このコントラストの差がくっくり現れた。

敵ながら、菅野の投球には拍手を送りたい。途中で捕手の小林に代打を出されたので大城に代わった。その影響も微塵の見せない好投。素晴らしかった。完投負けは悔しいだろうが、それはチームから信頼されている証だから。才木も今季、完投負けがあった。

才木が7回まで投げてくれて、8回からはゲラと岩崎が繋いだ。ゲラは高めに外れた球を岡本に上から被せられてホームラン性のファウルを打たれた。だが、あれはファウルだったので問題ない。岩崎は3人で締めて、珍しくマウンドで拳を握りしていたのが印象的だった。

今日はタイガースが高橋遥人。しかも読売とは初対戦。対して読売は中4日のグリフィン。戦前は圧倒的にタイガースが有利だと言われている。こんな時は、有利だと言われている側が苦戦する事は多い。この時期、そんなに簡単に勝てるはずがない。言われなくても判っているだろうが、1球1プレーに集中して戦って欲しい。こんな時こそ、昨季日本シリーズの7戦までもつれるギリギリの戦いに勝利した経験が生きる。

泣いても笑っても直接対決は今日で最後。この1戦だ。
悔いの残らない試合をやって欲しい。ファンの願いとしてはそれだけです。


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