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おみやげ屋のひとりごと
歴史ある文化に触れたくて、日本国内にある大きな観光地のバイト募集に応募しました。
朝はお参りに行って、お坊さんとも顔なじみになって、毎日古い建物をみながらの接客しつつ、お寺の鐘の音を聴きながら悠久の時の流れを感じる、そんなバイト・・・
・・・と、思っていたのに、観光客の90%以上が外国人。バイトのエプロンをつけた途端に外国の観光客さんたちに詰め寄られ、時には服を引っ張られ、もみくちゃにされ、日本の文化どころじゃない。
まじかー
想像してたのと全然違う
しかも日本語より英語の接客が中心で、英語が喋れなくても品物を買うお客様たちには関係ない。
さらに、英語どころか韓国語、中国語、タイ、ベトナム、インドのタミール語、スペイン、ポルトガル、イタリア、ヨーロッパの各地や、先日はウズベク語(ウズベキスタン)で真剣に何かを伝えてくる。
片言の英語もわからないお客様となると もはやカオスでしかない。まさに人種のるつぼ。
誰かの言葉『民族のサラダボウル』の中にキュウリの破片として投げ込まれたように右往左往。
『この金額は元ですか?』
『元じゃないです、円です。800円』
いやいや、なんで日本国内なのに中国通貨で表示するんだいっ!
『エクスキューズミー!この金額は1個ですか?それともこの1ダースの値段ですか?』
『キーホルダー1個が400円です。箱ごとで400円ではありません』
どんだけ買うつもりだいっ!
こんなバイト、私にできるのか?!
ほんとに大丈夫なのか?!
始めて数日目
『あなたの接客はよかったわ、もしスイスに来ることがあったら案内したいわ。私は日本が大好き!』
そう言われ抱きつかれました。
日本人相手の接客にはない感動がありました。
そんなわけで、この場に土産物屋の独り言を載せることにしました。
バイトなので、お店の場所は伏せ
写真も記事に合うものをお借りしています。
お客さんと笑ったり、イラッとしたり、がっかりしたり、嬉しくなったりしながら
日本のこの小さな土産物屋から、ヨーロッパやアメリカ、カナダやオーストラリア、南米、インド、アフリカ、名前も知らない国々、まさに世界中にコケシやだるまが飛び立つのを、子供がお嫁に行くような気分でバイトとして見送っていきます。