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嘘
最近、咄嗟に嘘をつくことが習慣になっていると感じる。
同性を好きになった自分を否定したくはない。でも、それ以上に、他人に気を遣われるのが嫌だ。
「最近、いい感じの人いないの?」と聞かれれば、「全然いなくて〜笑」と軽く流せる。しかし、「サークルとか大学でいい人いないの?」ともう一歩踏み込まれると、つい「男の子少なくて〜」と口をついて出てしまう。
親からも「なんであんたは彼氏ができないのかしら〜」と言われる。余計な詮索を避けるために、「この俳優の顔タイプだわ〜」とか、「先輩にこんなイケメンがいるんだよね〜」なんて、適当に会話に混ぜるようになった。
隠すだけならまだいい。でも、最近は、真実を嘘で固めなければならないことが苦しい。
本当のことを言ってしまえば、どれほど楽になるのだろう。けれど、それをすれば、、、
「人に言えないから嘘ついてる。幸せになれないって、バレるから」
映画『怪物』のこの言葉が、今の私の心情をすべて表している。