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やっぱり始まったDDT【無料】

週刊男色ディーノです。
基本的にはプロレス界で起きたこと全般について語りたい気持ちはあるのです。
が、今週はどうしても昨日(8/25)のDDT後楽園ホール大会について書くことになってしまいますね。
どうしても私目線なので。

てなわけで早速。
大会の各試合については今回は触れません。
なぜなら、自分の試合がセミファイナルで他の試合を見る余裕がなかったから。

今大会で拾い上げるべきトピックスとしては大まかには3点あります。

〇武知海青のカード発表
〇飯伏さんについての悲喜こもごも
〇青木真也さんKO-D無差別級戴冠
〇遠藤さんの「その時」

4つでしたね。

今回の有料部分は…そうですね。
飯伏さん復帰戦についてにします。
上野さんMAOちゃんの意見も含めて、私が思うところを。
そう。そうなんですよ。
結局のところ、8年という歳月には色々なものが横たわっており。
そういう話を別記事で語ります。

普段だと基本は無料で、より深い話を有料でというスタイルなんですけど、
今回は責任もって語りたいので別記事で有料にします。
試合の振り返り自体は無料で。


まず、海青ちゃんのプロレス2戦目のカードが発表されました。
またしても私は入ってませんでした。

まあ、組まれてないもんは仕方がない。
これはね、たぶん利害が一致しているんです。
海青ちゃんサイド、すなわちLDH側は海青ちゃんの可能性を広げたい。
そしてDDTサイドは注目度を高めたい。
それ+両サイドのレガシーとしては、プロレス好きは海青ちゃん+ランペイジに興味を持ち、逆にランペイジファンがプロレスおよびDDTを知る。
そういう提携なんですね。
本来はそういった大人の事情が先行しがちなこういった提携なんですが、海青ちゃんの何がすごいって、それらの事情を全部飛び越えてちゃんとプロレスラーだったってこと。
プロレスラーとして仕上げてきた。
そりゃ、プロレスラーなんてのは実戦で練度が上がっていくものなんでまだまだの部分は探せばあるんだけれど、デビュー戦としてはちゃんとそのハードルを超えてきた。
つまりは本気具合が伝わってきたんですよ。
だから、DDTファンもちゃんと魅了し、2戦目を望まれるような存在になった。
DDT2戦目っていうのは、自分でつかんだポジションだよね。

なので、海青ちゃんの試合は俄然注目度が高いです。
そこに組まれた選手のうち、誰が何を用意して臨むか。
楽しみです。
私は入ってないけども。

次。


各選手、なんなら試合に関係してない選手含めての内面は有料部分で語るとして。
飯伏さんの復帰戦、すなわち自分の試合についての振り返り。
まず「おかえり」と言っていいでしょうね。
もはやケツ論かもしれませんが、DDTの飯伏さんのいいところを述べましょうか。
狂気性です。
サイコパスなところ。
身も蓋もない表現をしてしまえば、ヤベー奴なんですよ。
ただプロレスの才能が有り過ぎたせいで、技だったりフィジカルだったり独自の努力だったりに注目が集まって、結果メジャー団体でも通用どころか結果を出してしまったわけです。
メジャーに行ったものの、その狂気性がメジャーにはなじまなかった。
それだけの話です。
DDTを離れていた時の飯伏さんの悩みは計り知れません。
飯伏さんに対してよく思わない人もいるかもしれない。
まあ、色々あったんでしょう。
ゴメンだけど、それは知らん。
私にとってどういう存在であるか。
それだけしか私の飯伏さんの判断材料はないので。

で、昨日(8/25)DDTに戻ってきた。
ちゃんと、狂気性をまとって。
怪我の影響とか、ブランクとかはあったと思います。
ただ、ちゃんと飯伏さんは“ぶっさん”だった。
遠藤さんが私にとって“てっちゃん”であるように。
飯伏さんもぶっさんだった。

本人の納得感も知らん。
ヘビー級としてやっていくなら身体を大きくするだろうし、
自分が楽しいプロレスをやりたいならそれ用の身体を作るでしょう。
それはこれから自分で調整してくると思う。
昨日に関しては、“ぶっさん”だったからそれでいいと私は思っています。

細かいところ行きますか。
ちょっと時間軸はズレますが、遠藤さんはメイン後に挑戦をブチ上げるのをなんとなく決めてたんでしょうね。
その前に自分に向き合って、今の自分に必要な事を確認してた気がします。
飯伏さんとのマッチアップを通して。
試合後の飯伏さんへの問いかけも、たぶんその一環。
すなわち

「プロレス、好きですか?」

知ってるよ。
てっちゃんは自分に問いかけたんだよね。
本当は、もう答えは出てるんだ。
プロレスのリングでそれを聞くんだから。
でも、たぶんてっちゃんにとって、それが挑戦への最後のピースだったんだ。
「プロレスが好きで、プロレスをやった。でもプロレスで辛いことがあった。それでもプロレスが好きでい続けられるか?」
っていう。
それが、メイン後の挑戦表明につながる。

高鹿さん。
いち早く飯伏さんを味わえてよかったねと思う。
これから飯伏さんがどれだけDDTに参戦するかはわからない。
けど、意味のあるカードが続くことが予想される。
したがって若手と呼ばれるキャリアの選手はなかなか当たることは出来ないだろう。
だから、この経験は貴重なので無駄にしない方がいい。
その中で、最低限今の高鹿さんをぶつけることは出来たとは思う。
その上で。
もちろん、正解なんてわからない。
わからないけど私が高鹿さんなら試合中に
「コイツ頭おかしいぞ」
って言ってたと思う。
だって、直接息の根を止められかけたんだから。
で、試合の中でそういうポジションでの立ち振る舞いをした気がする。
そうすることで、試合のキーパーソンに入り込もうとしたはず。
ただ、繰り返すけどそれが正解なのかはわからない。
どう見られたいかによって変わるから。
プロレスは難しいね。

試合は彰人さんがコントロールしてました。
少なくともこちらのチームにおいては確実に。
怪我からの復帰戦でもあるのに、飯伏さんの出番がやたら多かったのは彰人さんのドサクサのコントロールが効いていました。
「この試合はみんな飯伏さん見たいんだろう」
っていう立ち回り方。
なんだか名実ともにDDTの偉いポジションにつきやがったな。
そう思わせられて、悔しいかな感心しました。

そして、実は私と飯野さん。
これがこの試合には重要で。
彰人さんが上記のような「飯伏さんの試合」の流れに持っていくことはなんとなく予想できたので、ここは私の意地で飯野さんとのストーリーをねじ込みました。
飯野さんが出てくるタイミングで行こうと思ってました。
有料部分で詳しく書きますが、上野さんMAOちゃんの考え方は理解してます。
「今のDDT」に対するこだわりと言いますか。
だから、私は飯野さんとの物語をここに持ち込んだ。
結果、よかったと思ってます。
8年前に戻っちゃいけないから。
この試合の選手だけでなく。
DDTの今の選手全員が。DDT全体が、かな。
なんなら飯伏さんも。
今を生きていて、過去と一緒にこれから未来に向かって歩き続けるんです。
…っていうことを掘り下げて有料記事で語ります。

で、メイン。
上野さんが、ついに王座を奪われました。
奪ったのは青木さん。


これが現実でありDDTの現在です。
試合は好き嫌いが分かれる展開だったでしょうね。
私はめちゃくちゃ面白く感じましたが。
そう感じない人もいるんだろうな、と。
私は生では最後の方しか見てないですが、全体を映像で見る限りはそう感じました。
ただ、青木さんが青木真也にしかできないプロレスでベルトを奪った。
このことは事実です。
そして青木真也のプロレスは、青木真也という人間を表現していた。
嫌われることを恐れてないんですよ。
自分がこう思うからこうする。
非常にシンプルです。
で、これは絶対に勘違いしちゃいけないんですけども。
青木さんはDDTを、プロレスをちゃんと好きです。
総合格闘技で名を上げた人が片手間にプロレスをやってみたとか、そういう携わり方では決してない。
総合格闘技から一歩も動かずにプロレスで自己表現をしている唯一の選手です。
逆に言うと、総合格闘技でプロレスのエッセンスを入れて戦うことのできる唯一の選手、と言い換えてもいい。
いわゆる今のプロレスに対して「戦いがない」的な事を言う人に対する、アンサーでもある存在だと思います。
「戦いがない」から今のプロレスを見ない勢は、今後青木真也を見ないと論理が破綻します。
要は、おそらく今一番「戦い」を表現しているプロレスラーが青木真也なのです。
そしてこれが一番重要なのですが、DDTはその青木真也が主戦場としているリングです。
青木さんが王者になった以上、そして王座にいる間のDDTは「強さ」の在り方について問われる王座戦が続くのでしょう。

最近ではだいぶ風当たりはキツくなくなりましたが、今も少しは私も嫌われがちなスタイルではあるのでその意味ではわかるんです。
「俺はこれでいく」っていうのが定まったら、その選手は強い。
自分のことを嫌いな人がいてもいい。むしろ、いてくれた方がいい。
青木さんはここまでは自分のスタイルを周知させる、いわゆるプロレスラーとしての下積みを積んできたわけだけれど、昨日の試合ではそれを一気に回収にかかった。
実際、好みは置いておいてしっかり線がつながったプロレスをしていた。
DDTに出始めてからの6年間、青木真也も積み上げていたんです。プロレスラーとして。
私はそう見ています。

なので、王者青木真也を嫌いな人は「見ない」ではなくむしろ挑戦者を応援すればいいと思います。
というか、自分のスタイルに引きずり込まないと青木真也から勝つのは至難です。
DDT的な強さもしっかり持っていますよ、現チャンプは。

まとめますね。
違うスタイルが共存するのがDDTで、その頂点がKO-D無差別級のベルトなんです。
そのベルトを好き嫌い分かれるタイプの青木真也が獲った。
「戦い」を先鋭化させたプロレスで。
それが全てだと思います。
上野さんとその防衛ロードについては、また別のタイミングで。

そして、遠藤さんが挑戦者として名乗りを上げました。


今のてっちゃんは、きっと強いです。
そしてその強さは、青木真也によってもたらされたと言っていいでしょう。

これは、人生の戦いです。
相手との戦いももちろんあるんだけど。
自分の人生との戦いです。

挫折がありました。
それは、とても大きな挫折でした。
その挫折にどう向き合う?
そういう話なんです。てっちゃんの今回の挑戦は。

向き合うこと。
見ないようにすること。

どちらが正解なのかはわかりません。
ただ人前に出る以上は、その挫折はどこかで顔を出してきます。

向き合うこと。

てっちゃんは選びました。
何のためかはわかりません。
自分のためなのか、他の人のためなのか、DDTのためなのか。

ぶっちゃけ、名前を出された中嶋勝彦選手にとってはとんだ迷惑な話でしょう。
実現するかどうかもわからない。
その意味では同情します。

ただ、確実に言える。
この試合は人間としての「強さ」が問われます。
もしかしたら勝ち負けすら超越した、人生の大一番。
てっちゃん視点で言うと、青木真也に勝ったからと言って挫折が取り戻せるかはまた別の話。
だけど、自分に勝つために青木真也に勝ちたいというのは何も間違っていない。
そういう戦いなんだろうなと思います。

タイトルマッチは名古屋国際会議場で、と今林さんが言った瞬間の「あ~」というお客さんのため息。
これが妙にリアルでした。
たぶん、みんな見たいんだと思う。
遠藤哲哉の、大一番を。
でも名古屋は行けない。そう思ってる人が多かったんでしょうね。
ただね。気になるなら来ていいと思います。
挫折に向かっていく人間を見ることができるのは、そんなにあることじゃない。
最高にDDTな試合になると思うよ。
結果がどうなったとしても。

ね、DDTが始まったでしょ?

これは、飯伏さんが戻ってきたからだけじゃない。
青木さんがベルトを獲ったからだけでもない。
全部。

DDT始まってます。

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