オランダに移住して3年が経ちました
2017年の8月末にオランダへ移住してから3年が経ちました。
オランダに来たばかりの頃はどちらかというと、ネガティブな印象の方が強かったオランダですが、最近はオランダの良いところも見えてきました。
そこで、今回は改めてオランダの良いところや悪いところをざっくり紹介します。最後に今後についても軽く話します。
オランダへ移住した理由や移住直後〜1年後ぐらいの感想は、自分のブログに書いています。
ただ、noteでは書いてなかったので、まずは移住した理由などを簡単に説明し、その後移住して3年が経った感想を書いていきます。詳しい説明は下記リンク集をご参照ください。
参考: オランダへ移住した理由や移住直後〜1年後ぐらいの感想まとめ
仕事(ビザの種類)
まず初めに、海外移住するうえで最重要なビザについてお話します。
オランダと言えば、フリーランスビザが取りやすいことで有名ですが、自分の場合は現地採用で「Highly skilled migrant」という被雇用者向けのビザを会社に取得してもらいました。
会社はIT系で、職種はiOSエンジニアです。一応オランダの会社ですが、日本人がつくった会社で、日本語で働いています。
移住の理由
都内で転職先を探していたところ、なぜか今の会社の求人が引っかかり、半分冗談で受けたら受かったので移住した、という感じです。
なので、オランダを選んだ理由は偶然で、特にオランダに行きたかったわけではありません。海外移住するつもりもありませんでした。なんか面白そうだから行ってみようという軽い気持ちで移住したパターンです。
日本とオランダの大まかな違い
日本に比べると、オランダには以下の特徴があると感じます。
・新しいものがない
・昔からあるものは着実に進化している
オランダに移住したばかりの頃は、新しいものがなく、オランダにネガティブな印象を持っていました。
例えば、コンビニのような便利なものはなく、店の品揃えも悪いです(新製品があまり出ないため品揃えが増えない)。飲み物の選択肢がなさすぎて、コーラをよく飲むようになりました。
しかし、3年オランダで暮らしていると、良い面も見えるようになってきました。それは、昔からあるものは着実に進化している、ということです。
例えば、今月引っ越したのですが、引っ越し手続きはオンラインで、5分ぐらいで終わりました。新しい住所などの必要事項をいくつか入力して賃貸契約書をアップロードすれば完了です。ちなみに、賃貸契約書や雇用契約書はPDFでやり取りして、サインもPDFの電子署名で済ませることが多いです。
確定申告もオンラインで完結します。
また、日常生活で現金を使うことはありません。オランダでは決済の主流は銀行のデビットカードで、現金しか使えない店はほとんどありません(逆にクレジットカードはあまり使えません)。僕は Apple Pay を使っており、カードを使うこともなく、スマホだけで決済しています。
個人間送金も銀行のアプリから簡単に送金できるので、現金のやり取りはありません。
また、ECサイトで買い物をするときは、決済画面で表示されるQRコードをスマホの銀行アプリで読み取って認証(Face ID など)するだけです。カード情報を入力することはありません。
さらに、決済は自動で分類されて、家計簿が自動的に生成されます。すべての決済が銀行のデビットカードで行われるため、毎月の食費や趣味費などが完全に分かります。毎月の収入、支出、残高をグラフで見ることもできて、すごく便利です。
オランダでは、これらのサービスはすべて銀行が提供しています。日本だと銀行はIT系のサービスは提供していない or 使い勝手が悪いからか、なんとかペイや電子マネーが乱立してすごいことになっているようですが、オランダではデビットカード一択なので、良くも悪くも新しいサービスが入り込む余地はあまりないようです。
オランダの生産性が高い理由(日本とオランダをアプリで例えたら)
オランダに移住したばかりの頃、オランダの生産性が日本より高いことが不思議でした。なぜなら、オランダは20年ぐらい前の日本の田舎のような印象で、たいして付加価値を生み出してなさそうに見えたからです。しかし、オランダで生活しているうちに、こういうことなんじゃないかな、というのが見えてきました。
それは、先ほど書いた「昔からあるものは着実に進化している」ということです。
例えば、日本の役所の手続きはもう何十年も前から変わっていません。住所変更の手続は、1日仕事になります。一方、オランダはオンラインで5分です。日本では住民票をもらいに役所へ行くことが何度もありました。オランダではそもそも住所がいい感じにシステム化されているので住民票は不要です。
また、デビットカードオンリーなキャッシュレス社会のオランダで生活していると、決済は空気のような存在で良くて、そこを複雑にするのは筋が悪いんじゃないかと感じます。
日本はいろんな決済手段があってなんかすごそうなイメージですが、実際に決済しようとすると、店によって使える決済手段が異なり、わざわざ使い分けないといけなくて不便です。ユーザーも店側も手間がかかって効率が悪いです。
繰り返しになりますが、オランダでは本記事で紹介した決済関連のサービスはすべて(昔からある)銀行が提供しています。日本では銀行がそういうサービスを提供しないから、様々な会社が参入してカオスな状況になっているのではないでしょうか。
国をアプリで例えると、
日本は、基本機能のバグや低い性能を放置したまま、どんどん新しい機能を追加しているアプリ
で、
オランダは、新しい機能はあまり追加されないけど、基本機能のバグはちゃんと修正されて、性能も地道に改善されているアプリ
です。
どちらの方がユーザーに価値を提供できる(生産性が高い)かというと、オランダの方だと思います。
逆に、日本は長年の課題が放置されがちなので、ベンチャーを立ち上げて新規サービスを始めるのには良い環境なのかもしれません。
3年間で語学力はどれぐらい上がったか
移住の理由に書いたように、もともと海外移住を考えていなかったので、英語の勉強は全くしていませんでした。そんな状態でもオランダに住んでいたら自然と英語力は身につくだろう、そう思っていた時代もありました。
しかし、現実は残酷で、英語力は全く上達していません。仕事は日本語で、歴代シェアメイトも全員日本人なので、英語を使うのはレストランや買い物ぐらいです。
ただ、さすがに3年間オランダで生活をしていると、英語耐性がつきました。日本にいた頃は、いきなり英語で話しかけられたら、パニックになってました。
しかし、最近は英語で話しかけられても、動揺することなく冷静に
「こいつ、なに言ってるか分かんねーな」
と思えるようになりました。あとは英語が聞き取れるようになれば最高だと思います。
外食オンリーな食生活はオランダでも通用するのか
東京に住んでいた頃はずっと外食生活をしていました。事前にオランダは外食の値段が高く、みんな自炊していると聞いていて、僕も自炊する気満々でオランダに乗り込んだのですが、、
結果的には全然ダメでした。
自炊した料理をインスタにアップしたりして、自炊キャラを定着させようと頑張ったものの、全然うまくいきませんでした。
最近は、朝は朝食ドリンク3種で、昼と夜は外食orデリバリーで、自炊は完全にしていません。
ちなみに、アムステルダムでの外食の予算目安は、
〜10ユーロ:ファーストフード
10〜15ユーロ:格安レストラン
15〜ユーロ:普通のレストラン(ラーメン屋もこっち)
で、これに加えて飲み物代が必要です。
うちの近所に10ユーロ前後で肉野菜炒め的なものが食べられる奇跡の中華料理屋があり、毎日そこに通っていますが、さすがに飽きてきて最近は多少高めのレストランも利用しています。その結果、1ヶ月の食費は1000〜1200ユーロぐらいです。
なんとか生きていますが、かなり節約してもこれぐらいになってしまうのはつらいです。値段相応に美味しければ良いのですけど(味に関しては後述します)。
今後について(永住はないかな。。)
軽い気持ちでやってきたオランダですが、3年間住んでみた今の感想としては、永住はないかなという感じです。
その理由は、
・ご飯が美味しくない
・冬の天気が極悪
・新しいものが少なくて物足りない(クリエイターとしても不安)
・オランダ語が必須
・結婚したい
です。
・ご飯が美味しくない
外食がオランダに普及してきたのはここ数年の話のようで、10年前は外食は特別なときにするもの、という位置づけだったらしいです。よくイギリスのご飯は美味しくないと言われますが、オランダも負けていません。
基本的に、レストランで出てくる料理は味がしないため、テーブルに常備されている塩コショウで自分で味付けするスタイルです。
・冬の天気が極悪
冬の天気は「暗黒の時代」と呼ばれるほどひどいです。12月は日の出ている時間が9時〜16時ぐらいで、始業時刻も終業時刻も外は真っ暗です。
さらに天気は毎日雨か曇りで、空は分厚い雲で覆われているため、昼間も薄暗いです。晴れの日は月に1日あるかどうかです。太陽を見ることができたら本当にラッキーです。
気温は氷点下になることは少ないですが、風が強いので体感温度はめちゃくちゃ寒いです。
僕は1年目の冬があまりにもひどかったので、2年目の冬はマルタ、3年目の冬はバルセロナでワーケーションしました。今年の冬もコロナが治まれば国外に脱出したいです。
・新しいものが少なくて物足りない(クリエイターとしても不安)
オランダはマーケットが小さいからか、外資のサービスがあまり参入してきません。IT系サービスに関しても、Apple Pay が使えるようになったのは去年で、Amazon は今年に入ってからです。クリエイターの立場として、新しいものがない中で生活していると、時代の流れについていけなくなるのではないかという危機感があります。
・オランダ語が必須
みんな英語が話せますが、スーパーなどの表記は大体オランダ語で、役所からの重要な書類もオランダ語です。特にコロナ関連では英語の情報が古かったり、店舗の張り紙がオランダ語だけだったりして、オランダ語の必要性を痛感しました。
・結婚したい
いろんな人が言っているので多くは語りませんが、結婚するなら日本に帰るしかないと思ってます。年齢(37)的に、日本で帰ったところで厳しい現実が待っていそうですけど。。
とはいえ、オランダ以外の国にも住んでみたいので、例えば海外移住希望者限定で探して、移住先探しの旅デートとか良いかもと考えています。
2人で1〜3ヶ月ごとに移住先候補の国に仮暮らしする旅で、もし2人が合わなければ旅は終了です。異国で同棲したら相手のことがすぐわかりそうだし、会社員しながらダラダラ婚活するより、そっちの方が早く結婚できる気もします。全然ダメな気もします。
以上が、オランダに永住はないかなと感じた理由です。
ただ、そのうち日本に帰るにしても、まだしばらくはオランダにいる予定です。まだ行きたい国もたくさんあるので、コロナが治まることを願いつつ暮らしています。
オランダの良いところ
なんかオランダの悪いところばかり書いてしまったので、最後にオランダの良いところを補足しておこうと思います。
オランダは良く言うと、洗練されたスローライフができる国です。都市部では日本の田舎のような村社会のようなものはありませんし、人口密度もほどほどで、高齢化も日本ほど進んでいないため、スローライフがしたいけど日本の村社会はちょっと。。という人には最高だと思います。
村社会の代わりに人種の壁、移民の壁、言葉の壁が立ちふさがっていますが、それがどれぐらい大きく感じるかは人によるので、気になる人はとりあえず移住してみると良いと思います。
次回予告
久しぶりにブログを書こうとしたら、予想以上に文章量が増えてしまいました。
今回書ききれなかった細かな内容(オランダはヨーロッパ最大のラーメン大国であること等)は、次回にまとめて書く予定です。
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