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各々の経腸栄養に含まれる微量元素のまとめ【治療製剤も解説】
ICU管理で時として問題になる、
微量元素(Fe・Zn・Cu・Mn・Se)欠乏と経腸栄養についてまとめました。
各栄養製剤の特徴や、微量元素欠乏の治療に用いる薬剤は把握しておくべきです。
マニアックなテーマではありますが、リスクの高い症例では可能性を考慮しつつ診療にあたる必要があります。
経腸栄養を行っている患者さんでは、念頭に置きつつ入院管理を行いましょう。
1.ポイント
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2.経腸栄養と微量元素欠乏の関係
ICU管理において最も重要なのは、経腸栄養が行われている患者さんも微量元素欠乏のリスクであるということです
その他、微量元素欠乏のリスク因子はいくつかありますので、そちらを学びたい方は以下の記事を参考にしてみてください👇
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経腸栄養剤によっては、含まれる微量元素の偏りがあったり、量自体が少ないために生じます。特に微量元素の中でも、Fe、Zn、Cu、Mn、Seが低下するといわれています。
経腸栄養を実施している患者さんでは、これらの栄養素に着目する必要があるのです。
しかも、長期間の経腸栄養管理でなくても微量元素は欠乏しうることに注意しましょう。
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3.各経腸栄養に含まれる微量元素
各々の経腸栄養材に含まれる微量元素を表にまとめてみました。
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もちろん施設によって栄養剤の採用は異なるので、自分の働いている施設のものにはどの程度含まれているのか調べてみるといいでしょう。
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4.微量元素欠乏の治療に用いる栄養剤・薬剤
上記の表を参考に算出した結果、微量元素の不足を疑い、さらに微量元素欠乏に伴う症状が出現していそうなときは、治療を始めなければなりません。
それぞれの特徴的な症状は以下の記事を参考にしてみてください👇
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ここからは、実際の治療に用いる栄養剤や薬剤をまとめていきたいと思います。
個人的に登場頻度が高いものを選んでみましたが、ここに関してはおそらく施設によって千差万別なのでしょう。参考になれば幸いです。
①栄養補助食品
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②薬剤(静脈投与)
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③中心静脈栄養
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例えば、低リン血症の補正に用いられる内服薬(ホスリボン)は有名ですが、リンの負荷に加えてナトリウムも付加してしまうため、高ナトリウム結晶を合併しているときは使用しずらいですよね。
そんなとき、リンを多く含む栄養剤から摂取してもらうという選択肢を持っていると、上手に不足分を補うことができます。
微量元素欠乏のリスクとなる栄養剤に加えて、治療に用いる製剤についてもざっくりとでいいのでイメージを持っておきましょう。
5.引用、参考文献
1)「日本人の食事摂取基準」策定検討会編 日本人の食事摂取基準2020年版
2)Sassan P, et al. Overview of dietary trace elements Up To Date last updated: Jan 24, 2022.
3)小渋陽一ら:長期経腸栄養高齢患者における血清微量元素レベルの検討と、 関連する症状及び臨床検査値の解析:BiomedResTraceElements11(2):190-203,200
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