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敗血症・敗血症性ショックとは?【定義をガイドラインに沿って簡単に説明】
今回は、臨床や医学の勉強をしていて感じる疑問の一つ、
敗血症・敗血症性ショックとはいったい何なのか?
についてまとめました。敗血症及び敗血症性ショックについて、ガイドラインに沿って定義について解説したいと思います。
1.敗血症とは?
●敗血症の定義・診断基準
「感染に対する制御不能な宿主生体反応に起因した、生命を脅かすような臓器障害」(2016年敗血症治療ガイドラインより)
【診断基準】ベースよりSOFAスコアが2点以上増加
敗血症とはいったい何なのでしょう?
敗血症の定義は年々、ガイドラインが改訂されるたびに変更されており、2016年度の定義では上記のように規定されています。
すなわち簡単にまとめると、
感染症によって肺や心臓といった、全身臓器に障害をきたしている状態
であるといえます。
また、診断基準に関しては各患者ごとの臓器障害についてスコアリングしたスコアである、
SOFAスコアの2点以上上昇とされています。
6つの全身臓器の項目ごとにスコアリングを付けていくのですが、これを忙しい臨床現場でつけるのはあまり現実的とは言えません…
そこで、ICU以外の場でSOFAスコアの代わりによく使用されているのがq-SOFAスコアです!
コチラはバイタルだけで計算できるため大変有用なのですが、一方であくまでスクリーニングであることを念頭に使用しましょう。
2.敗血症性ショックとは?
●敗血症性ショックの診断基準
敗血症の診断基準を満たしたうえで
「十分な輸液負荷にもかかわらず、平均血圧を65mmHg以上に保つために循環作動薬を必要とし、かつ血中乳酸値が2mmol/Lを超えるもの」
敗血症の中でも重症の、敗血症性ショックにも上記のような診断基準があります。
文章だけ読んでも理解しにくい部分も多々あると思いますので、図で実際の臨床現場の流れを解説しますと以下のようになります👇
コチラを見ていただければスコアリングと実際の診療の流れが一目瞭然となりますね!
最後に、敗血症および敗血症性ショックを救急外来や外来診察、入院管理で診察及び治療する上で大切なことをまとめました👇
【敗血症診療のポイント】
●まずは敗血症を疑うこと
●バイタルサイン等のパラメータの変化の察知し、その変化の鑑別として感染症を想起すること
2.引用文献
2016年敗血症治療ガイドライン
レジデントノート Vol.20 No.8 (増刊) 2018
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