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「このままでいいの?」と悩む若手医師へ 今すぐ始める自分らしいキャリアの探し方
一度専門医試験を受けるくらいの年次、つまり医師5~6年目になったら、自分の人生をあらためて見つめ直す時間を確保したほうがいい。
これは、多くの先輩医師と関わってきた経験から得た個人的な見解である。
臨床や教育、研究、副業など、医師が選べる道はさまざまだが、その判断の土台となるのは「自分自身の意志」だ。そして、自分ひとりでは思いつかないような先輩たちの多様なキャリアが、大きなヒントを与えてくれるのではないだろうか。
医師の働き方改革が投げかけるもの
実際に、2024年から始まった働き方改革などの影響もあって、医師の働き方は確実に加速するように多様化している。
2024年4月から施行された医師の働き方改革では、時間外労働の上限が月100時間未満、年間960時間以下に設定された。医師の健康と過重労働の是正が目的ではあるが、その影響は医療現場にとって小さくない。時間外労働の制限で給与が減少しやすくなる一方、患者対応や手術のスケジュールを維持するには、病院全体が新たな体制を整えざるを得ないからだ。
かくいう私も、この1年間でその現実を体感している。以前は月60-80時間単位の残業など珍しくなかったが、働き方改革によって診療時間が短縮され、業務を効率化しなければ回らなくなった。たとえば、当直明けに帰宅できるようになって体力的には助かる一方、ほかの医師や患者への負担が増えたり、緊急手術の調整が困難になるケースもあった。
とはいえ、改革の恩恵もある。若手医師は決まった勤務時間を確保しやすくなり、自分の勉強やスキルアップに注力しやすくなるのだ。長時間労働が削減されることで、医師の健康が守られ、結果的に医療の質が向上する可能性も大いにある。
多様なキャリアが求められる時代
高齢化の加速や医療財政の変化、そして働き方改革の波を受け、医師のキャリアも「保険診療だけを地道に続ける」だけでは語りきれない時代に突入した。自らの強みや人脈を生かし、異業種にも可能性を広げている、いわゆるセカンドキャリアを目指す医師は少なくない。
たとえば、起業家として医療サービスを立ち上げる道や、本業と副業を組み合わせて新しい価値を生み出す道など、多彩な選択肢が見えてきている。
私が出会った多方面で活躍している医師たちは、堂々と「医師」である肩書きを全うしつつ、周囲や社会のニーズに対して能動的に応えようとしていた。
「医師だから病院で全力を尽くせばいい」
「目の前の患者さんを治療さえしておけばいい」
という受動的な姿勢ではなく、自分で動き、場を作り出す柔軟性と行動力こそが、新たな道を切り開く原動力になるのだろう。
「好きなこと」に挑む難しさ
セカンドキャリアを考えるときに問うべきは、「何ができるのか」「何が得意なのか」「社会にどう貢献できるのか」である。
私自身、まだ医師として修行の身ではあるが、もし本当に好きなことなら、寸暇を惜しんで新しい領域にも没頭できるのではないかと感じている。
ただし、好きなことに挑戦するのは楽しいだけで済む話ではない。むしろ、好きだからこそ苦しみや葛藤が増える場面は多々ある。
けれども、同じ方向を向く仲間と支え合えれば、その壁は少しずつ乗り越えられていくはず。働き方改革によって生まれた時間や心の余裕は、自分が本当にやりたかったことを形にしつつ、同じ目標を持つ仲間を探す良い機会かもしれない。
自分だけのキャリアプランを探すために
結局、自分のキャリアプランを明確にするには、いろいろな人と会って、話を聞くしかないのだろう。少し先を歩いている先輩医師の体験談を聞き、それを自分の中で反芻し、腑に落ちるまで考え抜く。机にかじりついて考えていては得られないアイデアが、人との対話を通じて突然ひらめくこともある。
もし「これからどう生きたいか」「医師としてどんな未来を描いているのか」に迷いがあるなら、まずは色んな先輩と話してみる。新しい知見や面白い視点との出会いが、自分の人生設計を大きく前進させる一歩になるはずだ。私自身、勉強会やオンラインイベント、学会などで数々の先輩と出会い、そのたびに視野が広がってきたと実感している。
もっとも、自分自身もまだ道半ばであり、挑戦を続ける身ではある。しかし今回、医師のキャリアプランについて語り合うオンラインイベントでお話をする機会を得た。この会では、診療科や年次の違いから見えてくる多様な働き方を深く掘り下げる予定だ。
選択肢が増えた今こそ、いったん自分のキャリアを考え直す機会を持ってみるのはどうだろうか。一度立ち止まってみることで、思いがけない可能性や新たな方向性に気づくこともある。
もし、
「自分はこのままの働き方でいいのだろうか」
「もっとほかにやりたいことがあるのでは」
と少しでも感じているのなら、ぜひこのイベントをきっかけに自分のライフプランを見つめ直してみてほしい。
専門医試験を迎える頃合いは、一度立ち止まり、自分の人生を再定義するにはちょうどいい節目である。自分ならではのキャリアを、そこであらためて描き出してみてはどうだろうか。
イベントの概要と申し込み方法は、以下のURLから確認できます。
アーカイブ視聴もあるので、少しでも興味があれば数分で終わる申込みだけお済ませください▼
最後まで記事を読んでいただき本当にありがとうございます。
今後も医師、医療の視点から日々感じたことを心を込めて綴ります。
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