20241221 初雪
先日、吉野で初雪が降りました。昨日は、朝、電車で吉野へ向かう途中、窓の外の山に少し雪が積もって、白い風景に冬の自然を感じました。大阪にいると雪なんてほとんど見ることがなかったので、紅く染まった紅葉から一転、山の自然の表情の豊かさに驚きました。
近ごろ、眠れない夜は、大切な人たちのことを思っています。
「思う」は「考える」の対極にある、と思います。
「思考」と一括りにされますが、それらは類似するものではなく、対極にあるものだと思うのです。
「考える」というのは、頭を働かせること。論理的に考えたり、順序立てて考えたり、効率や損得勘定が入るもの。
一方で、「思う」は、効率も損得勘定も手放して、ひとつの対象にじっと思いを馳せること。
「思う」は、過去を思い出すことも、未来を想像することも、今を見つめることも含んでいます。蔵王堂の三体の蔵王権現さんと同じ。
「考える」とは、素早く通り過ぎること、「思う」とは、じっととどまることではないかと。
人は人を「思う」もの。
論理では片付けないこと。
「think」ではなく、「feel」。
わたしたち現代人は、この「思う」ことがどんどん減っているのではないかと感じます。
「考える」ことが癖になってしまって、人のことも、考えるようになってしまっていないでしょうか。
金峯山寺に、吉野の歌人、故・前 登志夫さんの歌碑があります。
「さくら咲く ゆふべの空のみづいろの くらくなるまで人をおもへり」
時間を気にせず、ゆっくり人を思う(想う)ことを大切にしたいと思います。