[古団地リノベ#11] そもそも団地ってなに?
「大学の先生なのに団地住めるの?」と聞かれる事があります。怖くて「住めるの?」が何を意味しているのか聞けていないのですが、私の『団地』には校長先生も住んでいれば、私の部屋も最初の持ち主は某大企業の社長さんだったそうです。
『団地』ってワードは、誰もが知っているけど、結構、人それぞれイメージするものが曖昧な言葉だと思います。ちなみに冒頭の写真はAIの想像する団地だそうです。私も付け焼き刃な知識で書くのですが、そもそも団地というのは、建築基準法第86条に『一団地建築物設計制度』と出てくるあたりに語源がありそうです。
普通なら一つの土地に一つの建物ですが、一団地認定を受けると、複数の建物の集合体として、色々な申請や許認可を受けられるそうで。まさにウチの団地は商店街もあれば病院もあって沢山の建物で一つの団地が構成されています。法律的にはそれだけですので、最新のマンションだって2つ以上の建物で構成されていた一つの団地として認定されているかもしれません。
ただ、実際『団地』という単語でイメージするのは古臭いエレベータのない低層共同住宅が連なっているイメージだと思います。私の住んでいるところも、そんな感じです。ただ、そこに誰が住んでいるのかという点で、結構バイアスがかかっているイメージを持たれる方が多い気がします。
結論から言うと誰でも住んでいるんです。
というもの、団地には『一定以下の収入の人しか入居できない』ものと、『一定以上の収入の人しか入居できない』ものと、2種類あります。あわせて、どんな人でも入居しています。
前者は公営住宅で、後者がURや公社の住宅です。
さらに、URや公社には賃貸と分譲という区分けもあって、分譲の場合は、普通のマンションと同じで、持ち主間で売買して所有権が移転していきます。
これらの分類のウチ、団地リノベーションとして、メディアで取り上げられているのはURの賃貸です。
無印良品とURコラボも人気みたいですね。
すごい。空き室全然無い!
一方でこのノートで紹介しているのは分譲の団地です。分譲の団地は、買うのにかなりの年収が無いと買えなかったそうで、冒頭で書いた社長さんや校長先生等が入居していたそうです。もちろん、今はそんな制限はありません。
私の世代でも信じられませんが、分譲の団地は昔は夢の住まいだったそうです。当時の記録映画を観ましたが、首都圏の住宅難を解消するために、国や自治体が本腰を入れて行った超巨大プロジェクトだった事が分かります。
私の団地は、その初期であり、部屋が50平米だというのが唯一の不満点で、庭は広いし、駐車場は平面で全台あるし、とても快適です。
最近、団地内の社宅や官舎が、このご時世で民間に売り払われて、マンションに建て替わっていますが、我らが古団地は建築協定がキッチリしているので、高さ制限&戸数制限があり、民間が無節操に開発ができないのもスバラシイです。
ちなみに、一戸50平米の古団地を、民間が同じ敷地でしかも戸数と階数を同じで建て替えると、一戸100平米のマンションになります。どんなマジックでしょう?
古団地は、建ぺい率も容積率もゆるゆるで建てているので、民間企業的に見れば無駄が沢山あります。民間の企業は利益を最大化しますので、敷地パンパンで立てます。ただし建築協定があり、階数どころか戸数も増やせないので、一部屋を広くして1戸あたりの価格を上げます。その結果100平米の広大な物件が出来上がります。
ざっくり言うと、走り回れる程の団地の庭を潰して、部屋をパツンパツンに広げて、そのかわり建物内の共有施設としてジムにランニングマシーンを入れるのが民間マンションだと言うことです。
ランニングマシーンより庭だなという方、古団地リノベーションをおすすめしますよ!
さぁ、あなたも古団地に住みたくなってきたでしょ?