[古団地リノベ#03] 先行配管 ― 場所取りゲーム
団地リフォームも作業の主役は大工さんなのですが、大工作業が入る前の重要な作業が床下の配管を通す作業です。ガス管、水道管、電気系の配線などですね。業者さんも、ガス屋、水道屋、電気屋と異なっているので、配管の場所取りは早いものがちです。
今回はガス管は部屋の中に来ないので、水道の給水・給湯・排水の3管をどう収めるのかが考えどころです。冒頭の写真ですが給水排水が3系統通っています。元々ここは、トイレと押入れがあったのですが、今回、風呂を取っ払いますので、ここにシャワーブースと洗面を納めてしまおうとの設計ですので、①シャワーブース、②洗面、③トイレへ水道接続が必要になります。
ここの水道接続は全て壁出しですので、壁の中に全てを収めなければいけません。給水給湯管に比べて排水管は径が大きいので、壁の厚さを考えると、排水管と給水管をクロスさせたくないということから、写真の取り回しになりました。見てわかると思いますが一箇所、給水と給湯がクロスしているだけで済みました。
さて、配管の中でも優先順位(?)があって、一番エライ(?)のが配水管です。給水もガス管も圧力がかかっていますので、どんな感じに敷設しても流れますし、電気は繋がってりゃ電気は流れますが、排水だけはそうはいきません。
排水は自然に流れていきますので、管を傾けないと流れていきません。ところが古団地だと床下にスペースが殆ど無いので、床下の転がし配管だと、ほぼ勾配が取れません。
じゃぁ、どうするかと言うと、床を少し高くして、床下のスペースを高くするという手を取ります。ただ当然、そうすると床から天井までの高さが減ってしまいます。古団地は、ただでさえ低い天上高ですから、それがさらに低くなると、既製品の家具などが入らなくなる可能性もあります。水回りの場所をドラスティックに変えてる団地リノベーションはこの点に注意が必要です。(逆に天上高が2300以上あるのに水回りの位置が変わっている物件があったら、排水の勾配がきちんとあるのかを確認したほうが良いでしょう)
ただ、我が家は一階。床下は布基礎でものすごい空間が広がっていますので、排水勾配の心配はありませんでした。正直、古団地のリノベ物件買うなら一階一択だと思います。
トイレ以外の排水管は、下の写真のようにスラブの横を通しました。普通ならこのスラブの面が部屋全体に広がっていますので、当然その下にはアクセスできませんので、これは古団地の一階の役得です。
ルートに地中梁がありますが、それでも十分に勾配が取れます。
ただ、この位置、大工さんが嫌うだろうな、という位置ですよね。普通はこのスラブ面の手前は木で床を組みますから、大引と根田をこのスラブで支えたいところ。まぁ、そこは早いもの勝ちということで!大工さんは、恐らく地面に束立てて床を支える事になるかな。。。ますます木造建築の家になっていきますね。
さて地中梁を越えて、排水の本管につなぎます。
これまた深いところに。笑。どこまでが我が家の専有部なのでしょうか。地下室作りたい。(まだ言う)
こんな位置で排水管の本管に接続します。ほぼ地下です。さて、もう一つ、キッチンの排水もここに接続しないといけません。キッチンは今までお風呂があったところに作ります。
ここは完全にスラブの上ですが、幸い旧洗面の排水の穴までそれほど距離が無いので、排水管を転がして、そこから地下に持っていく事にしました。
マンションでも直床&直天で、給排水の取り回しの制約が非常に多いところが多々あります。好き勝手やりたい人は布基礎の古団地の一階を狙うのはいかがでしょうか?この作りを見て、電気屋さんも、天井や壁ではなく、床下にほとんどの配管を通す事にしたようですし、地下室も作れます。(まだ言う)
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