[古団地リノベ#27] 三路スイッチが生理的に嫌い
子供の頃、三路スイッチが嫌いでした。なんだか生理的にゾワゾワします。私は団地育ちなんで家には無かったのですが、祖父の家の階段が三路スイッチで、一階で、スイッチ右に倒して電気が点く、今度は二階でスイッチを右に倒して消す。なんでなの!?
私は三路スイッチのデザインは絶対おかしい!と思うんですが、周りに賛同者がいない😤。
電灯のスイッチは大まかに分けて、調光器につかうロータリーエンコーダと、オンオフをシーソーのように切り替えるロッカスイッチがあります。
三路スイッチはこのロッカスイッチを使います。このスイッチ、普通なら右に倒せばONで左に倒すとOFFになります。ところが三路スイッチとして使うと、どっちがONで、どっちがOFFか定まらなくなります。
三路スイッチは、回路的には排他的論理和(XOR)と呼ばれるものです。排他的論理和が嫌いなわけじゃないんです。むしろ大好き。私がもし『声に出して読みたい日本語』という本を出すなら、必ず盛り込みます。『はいたてきろんりわ』。うん。かっこいい。
排他的論理和は2入力1出力の論理ゲートで、2つの入力が違う時だけ、出力を得ます。つまりロッカスイッチを入力、出力を点灯だとすると、一階が右、二階が左で点灯していた場合、一階で電気をけすにはスイッチを左に倒します。一方で、一階が左、二階が右で点灯してした場合、一階で電気を消すにはスイッチを右に倒さなければなりません。同じスイッチを消すという動作なのに、場合によって正反対の動作をしなければならないんです。
点灯させる時も同様です。つまりこのスイッチを使うには、「スイッチが右に倒れていたら左に倒すけど、もし左に倒れていたら右に倒す」という、場合分けを頭の中でしなければいけない。恐らく0.3秒ぐらいの話でしょうが、操作と動作が一意に定まらないのは、すごく気持ち悪い。
今回の採用した電灯スイッチはロッカスイッチの一種のトグルスイッチですが、これを三路スイッチに使ってしまうと、対称性がある左右ではなく、上下での操作になります。通常の電灯は、上にあげればON,下に倒せばOFFですが、これを三路スイッチで使うと、スイッチの位置で、点灯消灯の状態が決まらないのは、なおさら気持ち悪い。
この三路スイッチモヤモヤ問題はコスモシリーズがでて解消されました。その後のアドバンスシリーズでも解消されています。ただ今度は別の問題が。
コスモシリーズもアドバンスシリーズもロッカスイッチではなく、点ける動作と消す動作を同じにしました。アドバンスシリーズはタッチパネルなのでタッチすることで、点灯消灯状態が反転します。つまり『押せば今の点灯状態と逆になる』となるわけで、三路スイッチの、右押さなきゃいけないの?左押さなきゃいけないの?という問題がなくなり、ただ押すだけになります。
ただ別の問題が発生します。三路スイッチではない場合、ロッカスイッチなら物理的な形状、つまりスイッチがどちらに倒れているかで、ON/OFFが把握できますが、コスモシリーズもアドバンスシリーズも、スイッチの形状ではON/OFFを把握することができず、スイッチ内の小さなLEDライト点灯で、ON/OFFの状態を確認しなければなりません。これは地味に頭を混乱させます。
これらの問題を避けるためにと、周りの雰囲気との親和性から、今回は普通の電灯スイッチにクラシカルなトグルスイッチを使いましたが、ゾワゾワしないように、三路スイッチだけは別のスイッチを使いました。それがこちら。
このスイッチ、ロータリースイッチなんですが、90度事にカチっとクリック感があり、ON/OFF切り替わります。普通の電灯でも使えますが、これぞ待ち望んだ、ゾワゾワしない三路用のスイッチ!もちろん厳密には、右左や上下と同じく、水平と垂直の2状態で次の操作が異なるわけですが、どちらも同じ回転操作ですので、殆ど脳みその負担はありません。
というわけで、ウォークスルークローゼットの両入口と、玄関とベランダドア(今の居室へと行き来する)の2系統で採用しています。
これで子供の頃から感じていた三路スイッチのモヤモヤが解消されました。たぶんね。