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冬至 第六十五候 麋角解

大掃除や仕事納めのあれこれをし、なんとか山を越えてほっとしている間にクリスマス、そして気づけば大晦日目前になっていた!第六十五候の麋角解「さわしかのつのおつる」の期間、 12月26日から30日は、あっという間に過ぎていました。朝は結構冷え込むものの、なんだか元気に過ごせたのは、この忙しさで日々メリハリと緊張感があったせいかもしれません。

さて、五十六候の意味は、雄の鹿の角が落ちる頃という意味ですが、チェンマイでは、「鹿の耳(タイ名 フー・クワーン、和名 モモタマナ)」という木の葉が、落葉する時期。
北タイでも標高の高い山では、ささやかに黄色っぽく紅葉する木はありますが、気温があまり低くならないせいでしょうか、紫外線から身を守るために、葉がタンニンを多く含むようになるためでしょうか、日本の紅葉のように鮮やかにはなりません。
そんな中、町の中でもモクレンの葉に形が似た、手のひらほどの大きな葉が真っ赤に染まって、はらりはらりと降ってくるのは、日本の晩秋や初冬の気分が漂ってなんとも素敵です。

とはいえ、日本の紅葉、落葉と、タイのそれとには大きな違いがあります。
日本では樹木には、落葉の後は、冬の眠りの時間がありますが、タイでは、落葉が終わるとすかさず、芽吹きが始まるのです。なんだか慌ただしいようでありますが、この絶え間ない循環がもしかすると仏教の輪廻の感覚を生んだのかもしれません。タイの季節は三季に分けられていますが、これは仏教に基づいているといいます。(実際に、三季よりもっと繊細複雑だと言う人も少なからずいますし、私もそう思うことしばしばです)

フー・クワーンも、紅葉、そして落葉についで若葉を生じます。
これは、雄鹿がツノを落とし、その下にはすでに次の新しいツノの萌芽を隠しているといいます。植物と動物のの違いはありますが、どちらの鹿も生命を更新させる時期のようです。

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