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Big Little Lies『ビッグ・リトル・ライズ』家庭のトラブルは見えない

『 Big Little Lies 』(ささやかで大きな嘘)。

なかなかの問題作です。

エミー賞で話題になっていて、俳優陣が豪華なのですごく気になっていました。

HBOが制作しているドラマということもあり、放送コードに縛られない大胆で過激な描写、重厚な脚本が特徴です。

『ビッグ・リトル・ライズ』のあらすじ

カリフォルニア州モントレーの高級住宅街。

立ち並ぶ豪邸、ビジネスで成功する人々、可愛い子どもたち、すべてが完璧に見えるセレブライフ。

そんなある日、子どもたちの通う小学校で不思議な事件が起こる。子どもたちの些細ささいなトラブルをきっかけに親たちのトラブルにまで発展してしまう。

嘘、ウワサ、嫉妬が問題をどんどん深めていってしまう。

あぶり出される偽り。ママたちの裏の顔。

子育て、不倫、DV、離婚など、夫婦間における女性の悩み。加害者になることもあれば被害者になることもある。

こどもたちのトラブルを解決できるのか。
ママたちのトラブルを解決できるのか。

現代の問題と向き合う

現代の問題をすごく掘り下げている作品です。

1話50分で、7話というのもとても観やすいです。7話で一定の答えがでるので納得感もあります。

曲の選曲がすごくハマっていて、挿入されている曲にも意味があるみたいです。

スタッフ・キャスト

製作総指揮・脚本:デヴィッド・E・ケリー
監督:ジャン=マルク・ヴァレ、アンドレア・アーノルド

デヴィッド・E・ケリーが製作総指揮をつとめた『アリー my Love』というドラマが好きでした。ちなみにデヴィッド・E・ケリーはミシェル・ファイファーと結婚しています。

役名:役者(吹替版)

マデリン・マーサ・マッケンジー:リース・ウィザースプーン(小島幸子)
セレステ・ライト:ニコール・キッドマン(田中敦子)
ジェーン・チャップマン:シャイリーン・ウッドリー(寿美菜子)
レナータ・クライン:ローラ・ダーン(塩田朋子)
ボニー・カールソン:ゾーイ・クラヴィッツ(鷄冠井美智子)
ペリー・ライト:アレクサンダー・スカルスガルド(桐本拓哉)
エド・マッケンジー:アダム・スコット(加瀬康之)

リース・ウィザースプーンとニコール・キッドマンは製作総指揮も務めています。

俳優陣がすごいハマってます。

リース・ウィザースプーンのどすこい母ちゃんっぷりが楽しいです。

ニコール・キッドマンのそこはなかとなく漂う暗さが役とすごくマッチしています。

注意事項としてはニコール・キッドマンが脱いでいたり、お色気シーンがあるので、家族でみるのはあまりおススメしません。

世界共通の悩み

僕は留学前、「アメリカ人は意見をはっきり言って、自分の思うままに生きている!」という恐ろしい誤解をしていました。

リース・ウィザースプーンの大ヒット作『キューティー・ブロンド』のような自由人がたくさん登場する作品ばかり見ていたせいですね。

アメリカ人は日本人と同じようにしっかり空気を読むし、理不尽なことに歯を食いしばっている人、気の小さい人もたくさんいました。日々の生活の悩みは経済状況が似ていればどの国でも大きな違いはないんだと思います。

当事者じゃないとわからない

『ビッグ・リトル・ライズ』ではいろいろな問題が出てきますが、結局のところ当事者にならないと、どう反応するかわかりません。

不倫、家庭内暴力、ご近所トラブル。

こうした問題はよっぽどのことがない限り、友人にさえ口にすることもありません。家庭内で起こる問題は当事者同士にしかわからず、気づくことは本当に難しい。

見ていて腹立たしくなることもあります。人物同士の関わり方がとても人間的で、そしておろかです。

登場人物のキャラクターが丁寧に描写されているので、リアリティがあります。

シーズン2

シーズン1である程度の結論が出ますがシーズン2も制作されています。

最重要人物としてメリル・ストリープ御大おんたいが登場します。

シーズン2では世代間の対立も登場します。家庭内の問題に、その人の生きた時代背景が複雑に絡んできます。

超保守的なメリル・ストリープ演じる義母が物語に絡むことで、シーズン1での問題がさらに引っかき回されます。

現代的な視点から見ると、メリル・ストリープの毒親ぶりに辟易へきえきするのですが、かなりいいスパイスとして機能しています。

頭脳派女優リース・ウィザースプーン

2018年、ゴールデングローブ賞をとった時のスピーチ映像です。

スピーチを意訳してみます。

ふだんの生活の中で難しい問題が多々起こりますが、この作品では他者から計り知れない秘密の部分を描き出しています。私は間違っていること(虐待やハラスメント)を声に出し始めた人たちを讃えます。本当に勇気がいることです。虐待やハラスメントを扱う作品がもっと出てほしいと思っています。虐待、差別、ハラスメントを受けている人々で何も声を上げられないことももちろんあると思います。ですが、声を上げるときが来ました。私たちが全力でサポートします。

2018年は、ハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ騒動で、女性たちが全身黒でドレスアップし会場に登場。大きな話題となりました。

黒いドレスは抗議の意を表しています。「セクハラや性的虐待に対し、見て見ぬ振りをしない」という「#MeToo」運動と、このスピーチがリンクしています。

リース・ウィザースプーンはスピーチがうまいし、声がよく通るし、発音もすごくきれないので英語を第2言語で話す人にとって非常にありがたいです。

好きな作品

リース・ウィザースプーンは、出始めのころからいい作品にたくさん出ている印象です。ひと癖ある「しゃくれ系美人」で僕も大好きです。

当たり役も多く、豪華なキャストに囲まれている作品も多い。そんな中でも主演も張れるのがリース・ウィザースプーンだと思います。

海外ドラマ『フレンズ』ではレイチェルの妹役でも存在感を放っていました。

好きな作品を少しご紹介。

『クルーエル・インテンションズ』

18世紀のフランスの小説『危険な関係』の現代版ですごくスタイリッシュな作品。今は離婚してしまいましたが前夫のライアン・フィリップと共演。中学の頃に見てすごく影響された作品です(笑)

『カラー・オブ・ハート』

何もかもが完璧に思える50年代の白黒テレビドラマの世界に主人公の兄妹ふたりが入り込みます。その世界が色づいていくのですが、多様性を描いているとても素敵な作品です。脚本がとにかくいいです!!

『メラニーは行く!』

能天気なラブコメの女王街道をまっしぐらにひた走っていた時の作品です。この後くらいから路線がどんどん変わっていきます。でも能天気なリース・ウィザースプーンはやっぱりいいんですよね(笑)

重厚な『ビッグ・リトル・ライズ』もおススメです。

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