関東一沼の多い滑川町で沼にノマったらおきたこと 2022
「沼を認識すると人は表現者になる」「滑川町で楽しく暮らすには、食べることが必要、それは、働くことと子育てすること、そしてどう次世代にパスするかに想いを馳せることにつながる。暮らす、食べる、働くをつなげることによって生きることの喜び=創造の質と幅がふかまると思うんです」ため池(沼)を主題とするムーブメントPONDALIZE (ポンダライズ)では、沼と人の暮らしの可能性を認識し、作品制作したり、小さな商いをすることによって関東一沼の多い滑川町で創造的な暮らしの応援をしています。
PONDALIZE事務局のCreativePowerGarage101では、24時間オープンするガレージ、好きなものを好きなだけ植えて食べられるガレージガーデン、滞在アーティスト向けに開催するヨガやソマティクスケアなど、旅するクリエイターを応援する制作スペース提供をしています。
主な委託事業としては、埼玉県東松山市や嵐山町にある障がいのある方が住むグループホームやデイセンターにて文化企画制作をおこなったり(障害者芸術文化支援事業)、埼玉県熊谷市妻沼にあるソーシャルファームに取り組む株式会社と芸術文化事業を連携しています。また、地域福祉や医療現場において薬以外の方法で人を元気にする社会的処方に可能性を感じ長野県軽井沢発地にある診療所にて継続的に作品制作し発表しています。
そんな中で、
地域と芸術文化活動の延長線上ではじまった沼のアートムーブメントPODALIZEは、古墳時代から継承されるため池農法を題材とした文化事業であり沼にふれ、関わることで見出されるアレコレを体現、発信する活動になってきました。
2020年からは、環境保全活動をする個人、団体様に向けた演奏会やフリースクールの子どもたちとの音楽セッション提供、近隣住民へのヨガクラスや身体表現クラス開催など、地域の方々の個性やニーズに合った企画やイベントを制作し、様々な専門をお持ちの異業種さんらと連携し、文化芸術活動を推進する事業を展開しています。
■沼の民を募集します
1)滑川町の特色=ため池農法を活かすコンテンツの開発、2)1)を念頭に置いてairbnbのホスティングを共同経営してくれる方、3)沼をテーマとした文化産業企画の制作業務をサブ運営してくれる方を募集します。
でも、その前にそもそもどうして沼に沼ったんかを少し、いや熱くお話ししたいと思いますぅ〜。
なんで沼だったか
私の先祖は、滑川町福田にすむかつて沼キチガイと呼ばれた人たちです。米の取れ高は、滑川町内でもズバ抜けておりため池の水管理には一層力が入っちゃう人らで、家族ぐるみでため池の管理を行なっていた地域だそう。この事実を知り、沼って一体???と気になり始め、地球上の沼について調べはじめて見ると[人の命と地球環境]の密接な関わりが浮き彫りになってきました。(これまでは、沼と湖の違いもふんわりしてたけれど。。。)
沼を認識する
世界的に「湖沼」と「池」を見ると、火山活動や地殻構造運動、新色作用、あるいは色々な理由で水が堰き止められて形成されたものですが、ロシアのバイカル湖(25000千年前)、アフリカ、タンザニアのタンガ二イカ湖(1000万年前)、日本の琵琶湖(400万年前)など例外的に古い古代湖をのぞくと、大多数は過去1万年いないに誕生したものです。ここで、私が扱う沼は、人工のため池のことを指します。滑川の人は、ため池をノマ(沼)と言います。日本では湖や沼より小さい水域は、「池」と呼ばれ、日本ではそのほとんどは灌漑よう水の確保のために人が作った「ため池」を指します。正確には把握されていないようですが、全国に約20万個はあると推定されています。多くは、江戸時代以降につくられたものと呼ばれていますが、滑川では古墳時代に渡来人が雨の少ないこの土地に谷津田をつくろうとしたことを起源に見る考え方が(現在では)有効のようです。
わたしの祖先が管理していた福田新沼は、二百年以上前のものであることが沼の清掃、修繕工事記録から確認することができました。
どうして沼を守らなければならないのか
皆さんは、淡水にいきる生き物はここ40年で急激に減少しているという事実をご存知でしょうか。
地球は水と生命の惑星って呼ばれているけど、実際地球上にある水のほとんどは海水で、淡水はわずか2.5%しかありません。しかも、その水自体も南北極の氷や地下水だからわずか0.01%が湖沼・河川・湿地などに存在します。こんなに少ない淡水資源にかなり依存しながら人間や地球上の全生物種は生活しています。
淡水域は地球全体面積の0.8%を占めるにすぎないけれど、そこに全生物種の6%、全脊椎動物の35%以上が棲んでいるといわれています。この事実をふまえると沼やため池をつぶす、
なくす、という行為は何を意味するか想像つきます。
沼を活かせば食が豊かになる。
沼と暮らすと芸術文化が豊かになる。
沼は地球上生物みんなの生命線だから、沼の辺りの暮らしを楽しみまもり存続していきたい。そう考えるようになりました。
しかし、その一方で管理が楽な人工ため池をつくることによって影響をうける生き物たちもいます。ため池をつくることによって、生殖目的で川を上り、他の場所にむかおうとする魚たちの行手を阻んでしまうこともあります。
◉気になる方は→生物多様性条約もどうぞ↓
比企郡の沼たち
まずは、ため池(沼)のほとりで暮らすことで生まれる意外な恩恵や知り得なかったオモシロ文化を共有しようと仲間に働きかけてみた。それが、DO you PONDALIZE? 〜沼を認識すると人は表現者になる〜というアートムーブメントだ。PONDALIZEはPONDとREALIZEの造語で沼を認識してますかという意味で、これは、いまだ沼という場を認識する以前の人へ向けた沼人からの問いかけであり、呼びかけだ。
沼を認識してもらったら多種多様な視点と気づきが生まれてきた
それぞれの声や気づきを表現すると作品群が登場してきたのでここらで、グループ展をやってみようかと。。。↓
ため池農法に使われる沼の管理問題は、その存在さえ知らない埼玉県民が大多数だけれど、ため池は私たちの食を支える重要な農法であり、単なる景観や文化財としてではなく、沼とある人の暮らしその物を現代まで継続している滑川町民より発信する意義があると考えた。本アート・ムーブメントでは、沼や沼をめぐる人たちの暮らしや人生を描くことで、ため池農法の重要性を観客に伝える。認知されていない題材をアートの力によって印象づけることで、関連するイベント後も観客にこの問題を考え続けてもらい、当事者意識を抱いてもらうことを目指した。
実際に、このムーブメントを終え振り返ると
わたしは、
現代社会において
崩れかけたり、
失いかけたワタシら人間の文化的営みの権利を再構築したかったんじゃないかって気づきはじめた。その思いを言い表したのがこの文化宣言だ。
PONDALIZE2022文化宣言
さぁ、動画を観ながら
一緒に沼への旅へ出掛けよー。
沼を認識する
沼を学ぶ/沼タイズ・スタディーズ
沼と滞在制作
1)沼の水で米をそだてる→放牧民が稲作民へ
2)沼の芸能をおこす→沼で見聞きしたことを唄や楽器でのこしてみる
3)先祖が沼キチガイ
沼とフリースクールの子どもたち
沼の音とサウンドスケープ茶会
子どもさんらとご近所さん
沼と比企丘陵民(はとやま環境フォーラムさん)
沼と吉田宮司
沼フィールドワーク
〜醍醐味は滑川町民さんとの絡み〜
沼と竹トリーズ
PONDALIZEに参加して
沼と芸術家(coming soon)
遠田好栄の場合
嵯峨創平の場合
小林三悠の場合
木村京子の場合
コマリシンタ二の場合
障がいのある大人たちの場合
沼と僕らのこれから
沼と国際交流
沼は人類の遺産になる
沼の美術館〜ため池も作品!〜
このムーブメントを興すにあたり、特別注目したかったことは【気づき】【生物的機能】【環境】の相互関係であった。要するに、ソマティクス(身体)的に己の住む土地を再認識する→1人称的に気づく→希求に気づく→他者に共有する→第2人称的に気づく→発信し社会の反応を観察する→第3人称的に気づくといった
プロセスを大切にしたかった。
そういった1人称の表現を楽しむ姿を見て、全く沼と接点のない人や土地柄の人でも身体で土地を感じなおせるようなアクションを身体表現文化として興したかった。それには、人という種族として沼の辺りで暮らすなかで希求する表現をゼロから構築することをする必要があった。
息切れ。。。
ここからは、もう少しゆっくりしてから書きます。
そうこうしている内に比企丘陵の谷津田沼農法が日本農業遺産採択された。(2023年1月17日現在)
そして、2023年は田舎での子育てや女性の働く場所について思うところがあり滑川町と世界をつなぐきっかけづくりをじんわりはじめたいとおもいliving labsを始めようと動きだした。思うところはまたいつか機をあらためてnoteしよーとオモウ。
文責:小林三悠