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09|あとがき

シンデレラフィットの話にはもう少し余談があり、オーディションで発掘されたグラスはどちらも百円ショップでスカウトされたもので、店には大量の同じ商品(クローン)が存在する。緩衝材としては一点ものよりも多くのものに活用できる方が利があるように思えるが、どこか物悲しい気持ちになった。

緩衝材についてしばらくの期間鑑賞し続けた結果、あまりにも物語に干渉してしまいつい感情移入して感傷的になってしまったという話。


今回の作品展示制作にあたり、後半は緩衝材をテーマにした短編の物語を紡ぐかのようになっていったのは自分でも驚きでした。

「割れ鍋に綴じ蓋」という言葉があるようにそれぞれにそれぞれフィットするものがあり、また強い衝撃や摩擦を避けるために間に入るものが必要だったり、それしかできない人もいたり、と緩衝材をきっかけにいろんな事に想いを巡らせるようになりました。

物を鑑賞するってそうゆう事なのかもな、と今回の展示を通して改めて思った次第です。結果、大喜利や落語のような展開になってしまいましたが、本展示をご覧になってみなさんの気持ちが少しでも緩くなっていただけたら幸いです。

みんなのダンボールマン


鑑賞する緩衝材 | 08<  09

寄稿|「さびしくて透明な」野口卓海氏

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