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9月号(№250)編集後記

お盆前に上陸した台風5号の記録的大雨により、市内の一部地域に災害の危険度が最も高い「緊急安全確保」が発令されました。大雨により山間部の世帯で孤立が生じた他、道路の冠水、崩落などがありました。

2016年の台風10号と同じようなルートをたどってやって来た今回の台風。市内中心部に及んだ当時の被災状況を思い出し、良からぬ事態の訪れを覚悟したのは私だけではないと思います。

我が家では、お盆に合わせて義妹夫婦が子ども3人とペット1匹を連れて里帰り。家族の安全を最優先にしながらも、「自分に出来ることを」と可能な限り市内の状況を見て回りました。

全国ネットのテレビからは、水浸しになった道路の様子や茶色く濁り水かさを増した川の様子が「これでもか」というほどに伝えられましたが、その一方で車の通行や買い物など、安全が確保され社会生活に影響を及ぼさない場所もありました。迫りくる危機を力強く発信することは、市民を避難へとうながすことにつながりますが、かえってそれが混乱につながるようでは報道の本意とは言えません。危険と同列で平穏についても伝えられるべきと考え、テレビでは映し出されない普段と変わらない街並みをSNSで発信しました。

また、SNS登録者へ過去の災害から何かしらのヒントを得てもらおうと、スマートフォンに保存してあった台風10号直後に撮影した映像をつなぎ合わせ、こちらもSNSで紹介しました。

小さなメディアにとって、災害時に出来ることは限られていますが、今を生きる人はもちろん、これからを生きる人の役に立てるよう、記録を残していこうと改めて思いました。

さて、一家5人とペット1匹は、先祖の墓参りを済ませ無事に帰路へ。台風一過の静けさが我が家に帰ってきました。(新)


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