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2020年7月の日記

7月*日
2011年の東日本大震災以降、ホンブロックが著者や立命館大学と一緒に進めてきた被災者支援目的の「木陰の物語 届けるプロジェクト」が区切りの10年目を迎える。毎年1万冊の小冊子をつくり、人から人へ、手配りしてもらってきた。同時開催してきた「被災地での漫画展」も縮小しながらだが開催されることが決定。11年目以降の取り組み概要も決まり、改めて寄り添う覚悟を決める。

7月*日
小2女児を連れて行きつけの歯医者に。症状は乳歯が欠けること。永久歯がはえてきた訳でもなく、歯が真っ二つに割れて欠けるので、少々心配だ。「歯ぎしり凄いですか?」と聞かれ、覚えがあると答えると、「原因は噛む力が強すぎることです」とのこと。抜くのもマウスピースを処方するのも簡単だが、歯並びの問題もあるので、一度大学病院で見てもらった方がいいと紹介状をもらう。

7月*日
4月に入社したA岡とK林の指導が続く。編集の基礎、取材現場での立ち居振る舞い、原稿の書き方、見方、入稿の仕方、印刷工程やweb制作の知識など、知っておかないと仕事にならないことが山ほどある。自分も、誰かにこれらを教えてもらってきたのだなあと思う。そして、救いようのない原稿を見て途方に暮れる。

7月*日
長年のビジネスパートナー、デザイナのSさんは、特別養子縁組をして二人の子を育てている。その経験を、選択肢のひとつとして、特に若い人に伝えたいと、webセミナーを開催することになり、その打合せ。セルパという、20代女性が主宰する団体との共催。彼女らの活発な発言やアイデアを聞きながら、コミュ力の有無にとどまらず、若年層の積極的、受け身的の区分けがますます色濃くなってきていることを思う。

7月*日
夜、英語習得を目的に英語劇をするワークショップ「ぷれいご」の同窓会をリアルとオンラインのハイブリットで開催した。半年を1期とし、5期続いたので、3年近く学んだ。1期だけの参加者もいるし、通期走り抜けた人もいる。延べ30人ほどの参加者中、20名が集う。これだけいい人間関係が続く学び舎も珍しいと皆で笑いあった。その理由は「全員が等しくできないこと」にあったとぼくは思う。誰もが落第者であり、挑戦者であるという一体感は、年齢や性別、国籍の枠を超える。

7月*日
姫路に新しいお堂をつくるプロジェクトのメンバーと、群馬県高崎市にある山名八幡宮を視察。元広告代理店の営業マンで今は神職をされているY口さんの案内で、いかにして山名八幡宮が「にぎわい」を取り戻したかを聞く。地域住民の「やりたい」が役所でではなく、神社に集まる仕組みをつくり、それを実現させてあげることを地道に続けた、という言葉に納得。

7月*日
引っ越して始めた鎌倉と坂東の三十三観音巡り。北条政子が眠る安養院に行く。雨模様でコンディションも良くなかったが、庭をはじめ、全体的に手入れが緩くつまらない。千手観音はさすがの表情だったが、朱印帳を渡してお参りの後に受け取りに言ったら「待っとけって言っただろ!」と住職に凄まれた。言われた覚えはないが、確かに、受付の横に注意書きはあった。この手順で怒られたのは、はじめてだ。

7月*日
コロナのクラスターが最初に発生した病院として全国に名が知れた永寿総合病院は、サルビアのオフィスのすぐ近くにある。そこへ、靴下の製造先である新潟のくつした工房さんと一緒に、サルビアの主力商品である「ごむの締め付けがないふんわりくつした」を数百足届けた。看護士さん全員に十分行き渡る数。さらに、サルビアから声をかけて集めた、医療関係者へのメッセージをタグにして個包装した。早速インスタのDMを通じて、看護士さんからの感謝の声が届く。さらに、いつも商品を売ってくださっている卸先店舗さんが、自店舗のインスタで、共感と「こういう会社の商品を買い付けることで応援したい」と熱いエールを投稿くださった。

7月*日
東日本大震災が起きた2011年以来続けてきた「木陰の物語 届ける!プロジェクト」の意思を継ぐ形で11年目からは新しく「木陰の物語 広がる!プロジェクト」が始まる。その打合せを、出版チームのみんなで。誰かの家族物語が、誰かを支える、語りによる互助プラットホームを目指したい。

7月*日
大阪の定着支援センターに勤める長年の友人I與さんから連絡があり、全国の定着支援センター支援員の研修設計を一緒にしてもらえないか?と打診。特に広報・啓発に向けた分野の研修を考えてほしいらしく、自らの活動意義を、支援員各々が世の中に正しく広報できるのが状態目標だという。「できる範囲で手伝う」と返事。収監者の出所後社会定着を目的に活動をする定着支援センターの話は興味深いものが多く、I與さんと話していると時間があっと言う間に過ぎる。再犯防止は安全安心社会の実現に直結する課題で他人事ではない。

7月*日
常務理事を務めるきょうとNPOセンターの定例会議にオンライン参加。今日はほかの新任理事も交え、スタッフの皆さんの自己紹介を受けた。大手企業でそれなりの役職までのぼった方のセカンドキャリア、NPO間で転職を重ねる方など、年齢的にはほとんど自分より上の方。自分の勉強にもなる場だなと、今後に向けて期待が高まった。

7月*日
鎌倉三十三観音巡り四番札所、長谷寺へ。昔来たはずだが、初訪のような感動を覚えた。やはり手入れが大事。苔の生し方、大きな鹿威し、水の流れ、あらゆるものに気配りがされていて、ご本尊を拝む前に厳かな気持ちになる。合掌。帰路、参道にあるうなぎ屋は外れ。すべてが上手くは行かないと、これも仏の教えか。

7月*日
地域活性を仕掛ける会社である「小さな広場」に届く入社希望者の履歴書を見ていると、「出世やお金にほとんど興味がもてない」という旨を書く若年層が目に付く。そういうスタイル、ビジネスなので、動機として不思議はないが、「お金や出世を目指して頑張っても、せいぜいお前らくらいの人生だろ、つまらない」と言われているようで、胸にチクチク来る。団塊ジュニアの我々が団塊世代の今に落胆する構図がそのまま遷移しているだけだが、そんな風に揶揄されない自分であるために仕事がしたいと、心から思う。

7月*日
アソブロックの経営会議でS社の社長をしてくれているS島さんから、売り上げが立ちにくい状況報告を受ける。「自分、とことん濃厚接触営業のタイプなので…」との理由に笑った。これまで会って想いを伝えられた状況がオンラインになり、熱度が低くならざるを得ない。人に会わずに使える商品・サービスの開発とともに、社内に内包された価値をサービスとしてパッケージ化し、徹底的に磨き上げることの重要性を思う。

7月*日
京都出張。姫路に新しいお堂をつくるプロジェクトの打合せ。法華宗真門流の本山・本隆寺に集って、月初に行った山名八幡宮の視察感想を交換しながら、細部を詰めていく。建物建築を担うY内先生から、庭は姫路の大御所O北さんに頼もうと提案があり、次回会うことになった。

7月*日
アソブロックの会社説明会#2。先月から月に一度、アソブロックのことを知りたいと思う人と対話する場を設けている。採用目的ではない。今日はウエディングプランナーをする28歳男子と、もう少し年上のフリーデザイナー女子が参加。それぞれ、組織に属せず、自力で人生を開拓している。そういう生き様の人に興味を持ってもらえる組織であることは、本望だ。