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うさぎちゃん -14-

ついにこの日が来た。
うさぎちゃんが、意思を持って私を見たのだ。

今日は私が先にタバコを吸っていた所に、うさぎちゃんが現れた。彼女はいつものお気に入りポジションに座ったのだが、私は植え込みを挟み彼女の左斜め後方に立っていた。

私がうさぎちゃんの後ろ姿をガン見していたのを、きっと彼女は背中で痛いくらいに感じていたに違いない。今日のイヤリングはとびきり大きくて、只でさえ小顔のうさぎちゃんの顔が更に小さく見える。

いつもはうさぎちゃんがオフィスに戻っていく姿を見送るのが常だが、今日は私が先に喫煙所を後にする。

うさぎちゃんを右手に車寄せを横切る際、わざとらしく振り返ってみると、うさぎちゃんがバッチリ私をガン見しているではないか。

彼女は私がタバコを吸っていたのはもちろん知った上で座っていたハズだし、別に誰かが車寄せを横切るのをいちいち見ることは無いのだが。。。

いつもと違って私が顔を向けたとき、すでに彼女は私を見つめていたのだ。それも、スケバン的な不機嫌な表情ではない。モノや風景としてではなく、一人のオトコに対する視線に無言の何かを感じた。

私は確信した。うさぎちゃんは私を意識し出している、と。

しかし、次に会ったときにこちらから彼女に会釈を出来るような自分の姿はまだ確信できないのであった。。。

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