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【後編】 個人開発マネタイズ「0→1」の解剖

今回は前回のnoteの後編になります。

前編の振り返りと後編のテーマ

前編では個人開発の0→1を作るために「マイクロ受託開発」を行い別のユーザーも獲得していった、という私の経験談をご紹介いたしました。

後編は「どうやってそのような受託案件を仕入れたのか」について記事を作成しています。

後編だけでも内容が理解できる構成にしておりますが、前編から読んでいただくことをおすすめしております。

オフラインのビジネスコミュニティ内で受託案件のネタを仕入れた

前編の中でこのように記載していました。

自分の事業でお金を稼いでいる人にお金の稼ぎ方を教えてもらう、という方針に転換しました。

自分の事業でお金を稼いでいる人にお金の稼ぎ方を教わろうと思い、オフラインのビジネスコミュニティに参加したところ、そのコミュニティ内で案件を仕入れることができました。(やったー!)

コミュニティの選択軸は3つ

お金稼ぎについてどこで教えてもらうのがいいだろうと考えた時に、以下3つの選択軸を設けました。

  1. toBサービスへの知見が得られそうかどうか

  2. 大手が参入しにくい領域への知見が得られそうかどうか

  3. 自分で事業をされている“複数”の方と接することが可能かどうか

なぜこの3点だったのか、もう少し詳細に書いていきます。

toBサービスへの知見が得られそうかどうか

toBであることが、高単価を狙うために必要な条件だろうと自分なりに仮説を立てていました。

例えばtoCで利用料が毎月1万円のサービスを作ろうと思うと相当難易度高いですよね?

ですがtoBであれば十分現実的なラインです。経費として計上してもらうこともできますし、サービスを使うことで売上が増えそうなイメージさえ湧けば、増えた売上の何割か程度の利用料はとれるだろうと考えていました。

大手が参入しにくい領域への知見が得られそうかどうか

大手が参入しにくいという要素が、サービスの寿命を伸ばすために必要な条件だろうと考えていました。

個人開発の最大の弱点に「開発にかけられるリソースがめちゃくちゃ少ない」が挙げられると思います。

会社員エンジニアをされている方なら自社のプロダクト開発にどの程度リソースが割かれているかイメージがつくはずですが、週5フルタイム稼働のエンジニアが複数人コミットして運用されている状況が多いのではないでしょうか。

つまり会社単位で運用可能な競合が現れるとリソース勝負では基本的に勝ち目がないんですよね。なので「普通の会社なら避けたがるであろう領域に詳しくなりたい」という意図がありました。

自分で事業をされている“複数”の方と接することが可能かどうか

”複数”の事業家の方と接することが、エンジニアの性質が最大限活かせるのではないかという考えを持っていました。

エンジニアが転職しやすい理由の一つに「どの業界でも一定の需要がある」点が挙げられると思います。

個人開発に置き換えると、プログラムで解決できるペインさえあれば業界・ビジネスモデル問わずお客さんになってもらえる可能性があるとも言えると思うんですよね。

どの業界のどのペインにアプローチするべきか定まっていない状況だったので、複数の事業についてのお話を聞いてなるべくアンテナを広げておきたいなと考えていました。

「〇〇ができるツールがあったらお金払ってでも使いたいんですが…」を聞けるまで

「お金稼ぎについて教えてもらおう」とは言っても、コンサルではなくコミュニティですので、待ちの姿勢で何かが起きることは基本的にはありません。

とにかく最初は周りの方の会話に聞き耳を立てて、皆さんがどんなことをされているのか、どんなことに困っていて、どんなことにお金を払っているのか、といった情報を勝手に集めていきました。

特に「面倒くさい」というワードにはビンビンにアンテナを張っていました

プログラムが解決できることって要は「単純作業の自動化」ですよね。だから「面倒くさい」には特に聞き耳を立てていました。

「面倒くさい」というワードが聞けたなら、そこを深掘りしていきます。現状の作業フローを実際の作業環境を見ながら説明してもらいました。

一通り説明をしてもらったら、「それって例えば〇〇のようなツールがあったら解決しそうな問題ですか?」といった要領で、勝手に要件をすり合わせていきます。

そうこうして集めた情報をもとに勝手にプロトタイプを作ります。簡易的でもモノがあるともっと詳しい情報がヒアリングできます。「ここはちょっとイメージと違う…」など、ここでのヒアリングが痒い所に手が届くためには非常に重要なステップとなりました。

この辺りの会話ができていれば、既にマネタイズできる下地は整ったといっても良いのではないでしょうか。

私の場合は上記のようなやり取りを繰り返していくうちに、「〇〇ができるツールがあったらお金払ってでも使いたいんですが…」というお話をいただくことができました。

それたまたまやん…再現性なくない?

結論、運の要素は半分くらいあると思います。ただ何か事業を作ろうと思うと運の要素を完全にゼロにすることはできません。不確定要素が後に参入障壁となってくれるので、運要素があることをむしろ歓迎していきましょう

以下の3つの条件が重なれば個人開発はマネタイズ可能であると私は考えています。

  1. 技術的に自分が解決できること

  2. お金を払ってでも解決したいことに出会える

  3. 同じ課題を抱えている複数人に出会える

この3つの条件のうち、コントロールできる要素は何でしょうか。

「技術的に自分が解決できること」を広げる

まず本業を頑張りましょう。ここがインプットの場としては一番効率が良いです。

また「2. お金を払ってでも解決したいこと」に運よく出会えた場合には、意地でも作り切りましょう。

お金を払ってでも解決したい問題には、なんだかんだでちょっとした特有の問題が付きものです。本業で遭遇する問題とは毛色が違った難しさを持っていることが多いので、ここは力技でもいいので何とか突破しましょう。

「お金を払ってでも解決したいことに出会える」可能性を上げる

お困りごとがないか御用聞きをしましょう。なるべくお金払いがいい領域の人が良いと思います。

私の場合は御用聞きをしやすい環境を得るためにオフラインコミュニティに課金しました。

既にSNSに多くのフォロワーがいたり、ニッチな領域に独自のコネクションがあるのであればそちらを活用すれば良いと思います。

「同じ課題を抱えている複数人に出会える」可能性を上げる

こちらも2とほぼ同様です。モノが出来上がっている分、2よりは進めやすいのではないでしょうか。

最初のユーザーさんに紹介していただける人がいないか、自分で作れるツテはないか、聞いてまわっていきましょう。

半分くらいは運で決まるので、ラッキーが発生しやすい状態を作るために何が必要か考えてみる価値はあると思います。

オフラインコミュニティ以外にはどんな手段がある?

私は都内在住のため情報収集手段としてオフラインコミュニティを積極的に採用したのですが、地方にお住まいで「オフラインのコミュニティなんか無いよ」という方も中にはいらっしゃるかと思います。

情報収集の方法として採用できそうなその他の方法を挙げておきます(私が実践したこのないものも含んでいます)。

方法1: 「ココナラ」「クラウドワークス」などのクラウドソーシングのプラットフォームで依頼内容を眺める

「ココナラ」であれば 「仕事・相談を探す > IT・プログラミング・開発 > 作業自動化・効率化」、「クラウドワークス」であれば「仕事を探す > システム開発」あたりのカテゴリでしょうか。

どのくらいの仕事がどのくらいの単価で発注されているのか無料でリサーチすることができます。自分のスキルでどれくらいのものが作れそうか見てみると良いかもしれません。

クラウドソーシングの案件受注自体は「割りのいい仕事」とは言い難いものが多いので、案件受注を継続していくことをお勧めしているわけではありませんが「個人で完結できそう」かつ「お金が発生する仕事にはどのような領域のどのような課題があるのか」という観点では参考になる情報はあるのではないでしょうか。

無料なので「とりあえず何か調べ始めてみたい」という方にオススメです。

方法2: Twitterで会いたい人に直接DMしてみる

「そんなことできるの?」と私も最初は思っていました。相手が欲しい情報を提供しつつ「情報交換しませんか」というアプローチが綺麗だとは思いますが、何も持っていなくても以下のようなポイントを押さえておけば意外と会ってもらえると思います。

  • 何者であるか自己紹介をきちんとする(ポートフォリオになるものがあれば添付する)

  • 会いたい目的をきちんと説明する

  • 少しでも相手が欲してそうな情報があれば伝える

事業をされている方って「自分より実績のない、会ってもメリットのなさそうな奴」とは会わないものだと思いがちなのですが、意外とそんなことはないようです。

「自分の事業に全集中モードの時」「誰でもいいから話したいモードの時」というのがあるようで、前者のモードの時は厳しいですが後者のモードの時であれば可能性アリです。

とはいえ、当たり前ですがDMで「何者か分からない」とか「会って嫌な気持ちになりそう」と思われてしまってはいけないので、最低限上記のポイントくらいは押さえていただけると良いのではないでしょうか。

また実際にお会いできてアドバイスをもらえた場合は、実践し結果を報告するのが礼儀かと思います。向こうから話を聞きに来たからアドバイスしたのに何も報告がないって逆の立場だったらなんかモヤりますよね、たぶん。

方法3: オンラインサロン

前提、私はオンラインサロンに入会したことはあるのですが、うまく活用できたことはないです(1ヶ月ROM専して終わり、のような感じ)。

ただオフラインのコミュニティと同じ要領で、困りごとを勝手に検知して勝手に解決手段を作っていくようなムーブをしていけば良い情報を収集できるのではないでしょうか。

個人開発したい人のためのコミュニティよりも、事業家の集まるコミュニティの方がマネタイズに関しては得られるものは多い気がしています。

比較的歴史が浅くて、初期に近いメンバーであるほど濃い情報が得やすいのではないでしょうか。その方がサロンオーナーから見ても大事にしたいですよね(たぶん)。

サロン運営関連でおこぼれの仕事などが回ってくることもある気がしています(ほぼ推測)。

方法4: 「ビザスクlite」でインタビューする

ビザスクlite」とは個人でも利用可能な、スポットコンサルのマッチングプラットフォームです。

私は実際にインタビューをしたことはありませんが、ピンポイントでヒアリングしたい領域が固まっているのであれば利用してみる価値はあるのかなと思っています。

無料でアカウント登録が可能で、アカウントを持っていればどんなアドバイザーがいるのか閲覧することが可能になります。アドバイザーによって時間単価が設定されているのですが、1時間で1万円〜5万円くらいの設定になっていることが多いです。

また、アドバイスする側のユーザーページにいくと、世の中の企業がどのような情報を知りたがっているのかをざっと眺めることができてなかなか勉強になります。

アカウント登録自体は無料なので、インタビューこそしなくてもここを眺めるためにアカウント登録するだけで十分価値があるかもしれません。

あなたの技術を求めている現場は無限にある

ここまで私が個人開発で0→1を作れた体験談をベースに得られた知見をまとめてきました。実際にもがきながらも動いてみて感じたこととしては、エンジニアの技術を求めている現場は無限にあるということです。

エンジニア転職をされて1〜2年経過している方であれば、その転職のしやすさを肌で感じられていると思いますが、エンジニアの手はどこもやっぱり足りてないんですよね。

個人開発というとアイデアの斬新さや高い技術力が求められるようなイメージが強いですが、どちらかというと地味で目立たない場所に大量のタネが落ちているのではないかなと感じています。

私の定義する「マイクロ受託開発」のようなものが個人開発と呼べるのかちょっと怪しい部分はありますが、会社員エンジニアをされていて行き詰まりを感じている方の参考に少しでもなれば幸いです。

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