愛のカード。
「愛のカードが一枚もないです!」
が、がーん。いわれちゃいました…でも、やっぱりかあ。
先日、駆け出しの占い師の練習台として、占いを受けた。がっつりカードキャプターさくら世代のわたし(クリアカード編がやってるので、いまの小学生たちも同じくかもしれないが。)占いというのはさくらちゃんや小狼君のような、内なる力を秘めた人間が、その力を開放して行うもの…なんてイメージ笑。でもどうやら現実は違う(面もある)らしい。占い師になりたい!と思った人はふさわしいコースに申し込んで勉強して、ある段階まで進んだら実際に鑑定して経験を積み、いずれはお金を取ることができるようになる(試験とかあるのかも?)、そしていわゆる個人事業主になれる…れっきとしたキャリア選択。
そうか、占いって学問っていうしね、と思いつつ、なんだか「駆け出しの占い師」、という響きにキュンときて、練習台のオファーを二つ返事で引き受けた。
当日、あらわれたのはわたしより3つくらい上かな?と思われる金髪の女性。金髪だけど昼は普通にOLをやっているそう。とある貸しスペースで占ってもらった。(コロナ対策ちゃんとしてます。あしからず)
さて、占いがこんなにも浸透している理由って、やっぱり恋愛のせいだとおもうんですけどどう思いますか。わたしは、言ってしまえば占いとはまず恋愛のためにあると思っている。なんだかそれがスタンダード、ステレオタイプ、なんというか紅茶はストレートじゃないと、みたいなこだわり、ある種の予定調和?まあというわけで、恋愛についてみてもらった。
さかさか、さかさかさか…とカードが切られていく、切り方が見たことのない切り方で、ちょっと面白い。なんとも扱いにくそうな大きさと紙の厚さで、ぐしゃってなってしまうんじゃ?とはらはらするも、さすがというべきか、カードはすすす…と一つの山にまとまった。
占い師の女性が持ってきた光沢のある敷布の上に、だいだい15枚くらいのカードが並べられていく…すべて並べたであろうあと、女性はカードを見つめて、時折手元の資料にも目を落としつつ、開口一番にこういった。
「本当に恋愛したいと思ってますか?愛のカードが一枚もないです!」
それで冒頭に至るというわけ。
いやあ、本当に駆け出しなんですか?って言いたいくらいですよ。
実はこの2年くらい、どんな異性に対しても「あ、生きてるんですね」というくらいの感情しか持てないので困っている。何が困るって、それで全く困らないから困るのだ。なんだかしつこいですね。ごめんなさい。
並べられたカードには、わたしが本気で恋愛についてみてほしいのではなく、「占いかあ、まあ、恋愛についてみてもらうのがいいだろう」みたいな、言ってしまえば投げやりな姿勢がばっちりでてしまっていたようで。お、おみそれしました。
でもでも、やっぱり人を好きになりたいって気持ちはあるので、恋愛がしたくないわけではないんですよ、2年前恋愛してた時楽しかったし(別れたけど…)、またあのウキウキを取り戻したい気持ちもあるんです…必死で訴える。占い師はすげなく言う。
「過去の栄光にすがっても無理です。現在のあなたは恋愛したいなんて思ってません」
過去の!!栄光!!!!
衝撃の言葉。でもそうだ、2年前だろうと過去は過去、自分でも本当は2年前の自分と今の自分、なんか全然違うなあってわかっている…2年前はなんというか、我ながら情緒不安定でメンヘラでした。ことあるごとに一喜一憂、それも楽しかったけど。人間の体の細胞は2年で100%入れ替わる。多分だけど心の細胞も入れ替わっていて、わたしはもう別物なのかも…
タロット占いとは今を起点にして前後3カ月の期間をみるもの。すくなくとも向こう3カ月、わたしに恋愛はないとのこと。そうですよね。