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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス感想

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を見たので感想を書きます。
一応ネタバレありです。

公開当時から気になってはいたもののなんとなく見てないままでしたが、ある日急にそろそろ観るか…って気分が沸き起こってネトフリに入って観ました。
評判通りおもしろかったです…。

うだつの上がらない中年女性が突然選ばれし者になって戦いに巻き込まれていくってテンプレではあるのですが、そこは演技、世界観設定、演出、アクション、そしてストーリーで見事な大エンタメ作品に仕上げてくれています。

まず何が良いって序盤に「なんかこのモブ存在感あるな…」とか「このトロフィーアナルプラグみたいだな…」とかちょっと気になったとこが全て後半に回収される気持ちよさですよ。
それも「お前あの時のあいつかよ!」ってのを親切に、されどくどすぎない程度に教えてくれるので視聴ストレスが全然なかったです。
序盤にハズレ世界だと思わせてた指がソーセージの世界すら終盤に活かしてくる…。

あと私はポリコレとかLGBTとか作品に組み込むのはしょうがないにしても、作中にあからさまな取ってつけた"配慮"を感じてしまうとちょっと冷めてしまうのですが、この作品はそこまで気にならなかったというか物語的な必然性があってよかったです。
かつて自分にも降り掛かっていた「娘の価値観を受け入れられない・理解してくれない親」に自分もなっていた…と気づくための要点として抜群だなと…。これがアカデミー賞の取り方かぁ。

この作品はがっつりマルチバースもの特有の超ややこしさを抱えてるので、私には正確に理解できてない点がいくつもあります。
しかしその辺を理解してなくても根幹は夫婦の愛、母娘の愛、レズの愛、指がソーセージレズの愛…など愛という普遍的テーマで包まれているのでとても飲み込みやすかったです。
アルファ世界のカッコいい旦那さんと元世界の情けない旦那さんとで散々比較させておいて、終盤にいやうちの世界の旦那もめっちゃ良い人じゃん! ってする構成にはグッときました。
あとなんか若い頃のジャッキー・チェンに顔が似てますね旦那役の人。

「次の瞬間何が起きるかわからない」ってのはこういう作品によく言われる言葉ですが、この作品は「マジでキャラが意味不明なことする」「そしてそれに意味がある」なのがいいですね。
そのおかげでコミカルな絵が生まれて場が重くなりすぎないし展開に幅が出来て本当に飽きなかったです。あんな迫力のあるアナルプラグ挿入シーン他では見れない…。

終盤の無双シーンもただ敵を千切っては投げするんじゃなく、「お前のハッピーエンドを喰らえ!」と一人ひとりに幸せマルチバースをお見舞いしていくのが最高だと思いました。
ラクーンのおいしいレストラン世界の主人公はだいぶハチャメチャな行動になってましたけども。

とにかく突飛な展開に対して説得力を持たせるのが本当に上手く、急に子どもの落書きになったりぶら下がった人形になったり岩になったりしても「そう来たか~」と受け入れてしまうのが本当に巧みな技でした。岩のシーンがめちゃくちゃエモくて好きです。

あとこれはなんとなく思ったことですが、マルチバースものでよくある大量のマルチバースを画面切り替えで一気にバババっと見せる演出がありますけど絶対その中に二次元アニメの世界がありますよね。ひと目見て違う世界観の世界なんだなってわかるから使いやすいのかな…。

壮大で予測不能! だけど最後は愛!
良かったです! 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』!

P.S
犬好きの人が見たらブチギレそうなシーンがあるのでそこは注意。

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