伝わらないのは、話し方ではなく、考えが足りないせい
有意義な週末 安達裕哉さんの新刊『頭のいい人が話す前に考えていること』
先週の日曜日に、安達裕哉さんの新刊『頭のいい人が話す前に考えていること』を読みました。安達さんを知ったのは、10年ほど前です。とあるインターネットサイトに掲載された文章に、心底納得した事を覚えています。記事の内容はすっかり忘れてしまったのですが、「静かな説得力のある文章」が印象に残りました。
本書は、ビジネスパーソンに限らず、誰が読んでも共感できる内容です。
中間部に、「知性」と「信頼」を同時に」もたらす7つの黄金法則というものが挙げられています。
その1 とにかく反応するな
その2 頭のよさは、他人が決める
その3 人はちゃんと考えてくれる人を信頼する
その4 人と闘うな、課題と闘え
その5 伝わらないのは、話し方ではなく、考えが足りてないせい
その6 知識はだれかのために使って初めて知性となる
その7 承認要求を満たす側に回れ
1と4は、多少はできているかな?後はまだまだ、と考えながら、あっという間に読了しました。安達さんの文章は、要点が頭に残ります。付箋やアンダーラインに頼らなくても、数日後に内容を覚えているのは、「その5 伝わらないのは、話し方ではなく、考えが足りないせい」→安達さんご自身の「考えが十分に足りている」からだろうと思います。
事件は起きた
有意義な週末を過ごした後、職場で理不尽な出来事がありました。ある問題が、自分の不手際として報告されていたのです。
「ちょっと待ってよ、そんな!」
あるあるですが、怒り心頭です。今までの私であれば、間違いなくイライラを抑えきれず、感情的になっていたことでしょう。すぐさま異論を唱えたかもしれません。
ですが、今回は立ち止まる事ができました。
安達さんの文章が、直ぐに頭に浮かんだからです。
よし、ここで その1「反応してはだめだ」。何か言ったとしても、それは感情に任せた薄い内容にしかなりません。
その4 「人と闘うな、課題と闘え」です。課題と闘った結果、利用者の問題は解決したのだから、良しとすべきでしょう。
問題は、なぜ「自分の不手際として報告された」のかという点です。冷静に振り返ってみた結果、「事実と意見を分ける事」が不十分であったという結論になりました。論理的に事実を列挙できれば、結果は違っていたかもしれない。伝わらなかったのは、自分の考えが足りていなかったのです。事実と意見を明確に分けて、報告ができていなかった結果です。
他人の考えや行動様式を変えることは不可能なのですから、自衛する手段が必要です。