本場オーストラリアのライフセービング に触れてみて。
僕は約5ヶ月間ライフセービング の本場オーストラリアのゴールドコーストでトレーニングを積んだり、パトロールに参加したり、大会にも出場した。特にライフセービング の実績もなく、水泳もやっていなくずば抜けた泳力のない自分がたった1人でどのように練習し、オーストラリア生活を乗り越えたのかを書きたいと思う。
僕は10月から3月、ちょうどオーストラリアの真夏、つまりライフセービング がオンシーズンの時期にオーストラリアに渡豪した。クラブはtugunというゴールドコーストの街からは少し離れた街のクラブで地元の人が言うには、どこか昔のゴールドがまだ残っている感じがあるというローカルな雰囲気のクラブだ。
練習は基本的に月曜日にスキー(カヤック)、火曜日にボード、水曜の朝がアイアン、午後スキー、木曜ボード、土曜の朝アイアンという具合だ。
ボードは日本の知り合いのボードを借りることが可能でよかったが、カヤックは実際に交渉しないとわからないという感じだった。だが、とりあえずtugunのビーチに毎日顔を出し続けることで名前と顔を覚えられ、ある程度の信用も得て、借りることが可能になった、その後もチームのメンバーがどこのプールで泳いでいるのか聞き出し、そこのプールでトレーニングに混ぜてもらえないか交渉した。当然泳力のない僕は21歳にして10歳の子達の練習に混ざれといわれ、その中で泳いだ。
また、ブロンズというライフセービング のパトロールに参加するための資格を取るために講習会にも参加した。英語もろくにわからなかったが、とりあえず、わからない単語は調べ、試験のやり方はインストラクターに聞いたりして、なんとか同じ受講生の力もありブロンズを取得できた。そして、実際にビーチパトロールにも参加した。
ライフセービング の大会にも出場した。大会に出場するためにやられければならなかったことはたくさんある。エントリー、機材運搬、大会の流れの把握、自分がどこのヒートかの把握、コンペの確保。だが、これらのこともチームとコミュニケーションを取ることで無事出場し、最終的にはチームリレー種目にも出場した。練習を始めた頃はレベルが低い自分は隅っこの方で練習していたが、このような段階までこれたのは本当に良かったと思う。
ライフセービング の練習でも本番オーストラリアはレベルが高く、14歳の子達と同じくらいで、高校生には全く歯が立たなかった。現地の子たちは大体7歳くらいからニッパーという子供用のボードで練習を始め、そこから週に数回を何年も同じトレーニングをし続けて屈強なライフセーバーになる。実際オージーの子達と海に入って感じたが、彼らは小さい頃からオーストラリアの荒れた海に入っているので、とにかくどんなに波が高くてもビビることはなく、沖に出て波を乗りこなす。そしてカレントを読むのもうまい。また、これは文化の違いだが、上下関係というものが存在しないため、レベルの高いやつが練習の準備や片付けを率先してやっている。そして、練習するにしてもパトロールするにしても肩の力が抜けていてとにかくライフセービング を楽しんでいる。ここから僕はライフセービング の本質もそうだが、人生の本質も少し学べたような気がした。