不思議な世界線

………ここはどこ?水の音が聴こえる……
水の中?息が苦しい……意識が遠のいていく……
……
「おい、おい!!!」

ふと気づくと僕はベッドの上に横になってい
た。
「お前スマホやり過ぎ…」
「君は誰?」
「通りすがりのお兄さんだ」
「名前教えてよ」
「名前聞いてどうすんだよ」
「お礼したいから」
僕の服はびしょびしょだ。
なんでだろう。
「お前を救い上げたんだ。スマホ歩きしててそのまま湖の中落ちていったんだぞ。シャワー浴びてくるから待ってろ」
「お兄さんのベッド……ごめん」
「いいよ、気にすんな。乾かせばいい」部屋の周りを観察してみる。
1LDKで本棚には本がぎっしり漫画はあんまりないみたい……。
「僕のスマホ……」探してみるとスマホは水浸しになってしまっていた。
電源を入れてみようとしたが動かない。
お兄さんはシャワーを浴びてるから待っていよう。
写真にはお兄さんと女性が一緒に仲良く写ってる。
でも周りにはお兄さんの服しかないみたい。
お兄さんがシャワーを浴びてきて戻ってきた。
僕が写真を見ているのに気づいて、写真をひっくり返す。
「なんでひっくり返したの?」
「思い出したくないから」
「なんで?」
「お前質問しすぎ」
「とりあえずシャワー浴びてこい。俺の服貸すから」
僕は小さく頷いてシャワーを借りる。
シャワーを借りてお兄さんのシャツを着る。
お兄さんはただぼんやりとしている。
「どうしたの?」
「ん?あぁタオルこれ使え」タオルを渡してくれる。
お兄さんが切なげな顔をしていて僕は少し胸が痛くなる。
切なげな表情をしたかと思うとそれは一瞬だったようで今度は微笑むんだ。
僕はお兄さんが怖くなった。
「お兄さん…?」なんで僕を助けたんだろう?だって僕は……

ここで日記は終わっている。
結末は結局の所わからずじまいだ。
お兄さんと名乗る男は名前も言わない
少年(?)の方も名前はわからず。
刑事はなんとも言えない表情を浮かべ、今日も仕事を行う。

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