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そろそろコートを譲っていただけませんか
服の好みはおそらく13歳の頃から変わっていないので、手元に20年以上着続けている服が少なからずある。
ひとつは19歳のときに伯母に買ってもらったマーガレットハウエルのツイードのスカート、もう一着は21歳の頃ひと月ほど滞在したスペインから帰国する際乗り継ぎのヘルシンキ空港で寒さで衝動買いしたマリメッコの深いブルーのボーダーカットソー。もちろん体型の変化によるシルエットの不具合はあるけれど、どちらも縫製のほつれも生地の傷みもなく洗濯表示のタグまで綺麗なままである。さほど丁寧に扱ってきたわけでもないのにここまで長い間一緒に過ごしている服には愛着が湧いてくるものだ。
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もうひとつ、こちらはまだ10年選手だけどイタリーメイドパークマンションのショートブーツ。ダークネイビーのカラーが意外と使いやすくて、身長157cmの私には6.5cmというヒールの高さもちょうどいい。太めのかかとも安定感があり、足首をしっかり支えてくれるので海外ロケなどでも大活躍の一足。低身長のなにが辛いかというと、海外の場合立ち飲み屋のカウンターの高さが合わないのよ。だからどうしてもヒールが必要になってくるというわけ。年に一度なじみの靴屋さんにお手入れをお願いしているけれど、毎回「あと10年は履けますよ」と太鼓判をもらって嬉しくなる。もう生産していないのが少し心細いけれど、私がヒールの靴を履けなくなるのが先か、靴がつぶれるのが先か。
10年以上愛用している服がもう一着あった。こちらも日本のブランドのもので、キャメル色のチェスターコート。比翼仕立てで、カラーには手縫いのステッチ。ウールのコートだが仕立ての良さが群を抜いていて、びっくりするほど軽い。着心地を後押ししているのが、裏地にシルクを使用している点。もちろん袖にも同じ生地が使われているから、ニットを着ていても脱ぎ着がとても楽。長く着ているとそれなりに生地はくたびれてくるけれどその分柔らかくなり、身体に寄り添うように形が変化してくる。少し背伸びした価格だったけど、頑張ってよかったと思えるコート。
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そうそう、コートといえば母が若い頃仕立ててもらったというボルドー色のチェックの軽いコートがあって、実家にいたころ何度か無断で拝借して渋い顔をされた記憶。母とは背格好がほぼ一緒なのでわたしの身体にもぴったりフィット。ボタンがやや時代を感じさせるのでわたしの手元にやってきたらボタンだけ付け替えたいと思っている。ずっとおねだりしているけど譲ってもらえるのはまだ先になりそうな気配。来年のお正月にもうひと押ししてみようかしらね。ということでブラックフライデーで気になっていたコートを買うのは我慢。ねぇお母さん、コートを譲っていただけませんか。
追記(2024.12.1)
譲っていただけることになりました。
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