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アナログな子育てをしながら最先端の世界を見ていた 【仕事依頼ページ】

モビリティサービス専門誌で記者をしていた頃、インタビュー中に横文字によく出くわした。

アジャイル、アセット、KPI、コモディティ、サスティナブル、シナジー、ドリブン、ナレッジ、プライオリティ、ベストプラクティスなどなど。ここに挙げたらきりがない。まだまだまだまだある。

私は専業主婦期間が5年あったので、当時頻繁に使用するカタカナといえば、

アンパンマン、バイキンマン、カレーパンマン、ポコポッテイト、ムテキチ、ミーニャ、メーコブ、コッシー、キョウリュウジャー、トッキュウジャー、など(笑)。

「おかあさんといっしょ」や「アンパンマン」の世界からなかなか抜けられず、最初の頃は先輩に同行して同席するだけで、汗がだらだら、1時間も経つと、倒れそうになっていた。

子育てに専念していた5年間は、デジタルやITには無縁のアナログな毎日を送っていた。無機質な空間にいた会社員時代とは違い、毎日が天気や季節に左右された。散歩中に木や花を眺めたり、草むらに突入して虫を捕まえたり、砂遊びで泥だらけになったり、目の前にいる子どもと自然とともに過ごした。

復帰してからは、すべての景色が変わった。自動運転に5Gにドローン。そこは、ドラえもんの世界だった。

「だから子育てでブランクがある人は」。そんな声が隠すことなく聞こえてきた。通勤電車では各ニュースサイト、同業他社の関連記事を読み漁り、知らなかった単語はノートにメモし、受験勉強以来の単語帳も作った。いつの間にか、情報量は追いついていた。毎日インプットしてはアウトプットし、子育てをし、家事をした。

いつも、仕事で見聞きしたことと、自分が心地よく過ごしている場所との温度差を感じ、違和感を持っていた。砂場で水が通る泥道を作った翌日には5Gに関連する記事、三輪車やストライダーなどの人力の乗り物で遊んだ翌日には自動運転の記事を書いた。クルマの自動化や電動化を取材すると、技術の素晴らしさや人々の暮らしへの貢献度は十分に理解できた。けれど、子どもの三輪車を見ていると、やっぱり人間が自分の足で漕ぐからおもしろいんだと思ってしまう自分がいた。公共交通が衰退し、生活の足が不足する過疎地の取材では、地元で愛されるキーマンがいて、地域の足を作っていた。地域交通はMaaSの末端。ここが機能しないとシームレスな移動は語れない。結局、行き着く所は人なのかと感じてしまっていた。

私がいたビジネスの場で、子持ち主婦は見かけなかった。移動、モビリティサービスを議論する場にいたのは、健康で、身軽で、誰よりも移動がスムーズにしやすい人たちだった。妊婦、乳幼児を連れた人、車いすユーザー、高齢者などは移動の議論からは除外されているのではないか。そう思っていたけれど、移動がしにくい人から見たモビリティサービスのことは書けなかった。今はフリーランスという自分の立場を思う存分利用して、私だから気づくこと、私だから書けることを書いていきたいと思っている。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ビジネス誌の記者という立場からは心機一転。子持ち主婦目線でさまざまな記事を書いていきたいなと思っています。ジャンルは子育て、女性の生き方、福祉、移動やモビリティサービスなど。

ご興味がある方は、こちらまでご連絡をお願いいたします。
obora.shizue@gmail.com

現地取材、インタビュー取材、記者会見への出席やイベントリポートも可能です。
ご要望があれば、一眼レフカメラでの撮影も可能です。

※コロナ禍では、場所によってお引き受けできる仕事、できない仕事がございます。
※子育ても大切な仕事だと思っています。時間や場所に制限がありますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

【その他活動】
社会でインパクトのある経験、活動をされている方々の【YES(肯定の力)】を紹介するインタビューサイト「100YES‐special interview site‐」にて、パートナーインタビュアーを務めています。

https://www.100yes.net/

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