ト ラ ン ス ジ ェ ン ダ リ ズ ム と は?…5
⤵️前回
2:英語の記事を読む
ネットサーフィンで見つけたサイトは、知識人のものもあれば、様々な運動グループのものもありました。ここではとりあえず、Susan Hawthorneという人の『The New Backlash』をベースに紹介していきます。が、なにぶん、翻訳はグーグル翻訳と筆者ですので、間違っている可能性は大いにあります。眉に唾をつけつつ、読んでください。引用はなるべくカギカッコ付き。Hawthorneさんからの引用はできるだけ文の終わりに(S.H)と入れます。
海外では批判言説が健在
英語の記事や文献を読んで、まず驚いたのが、日本でのTRAの主張は、まんま英語の日本語訳そのもので、日本での女子トイレ問題論争とほぼ同じようなやりとりが英語圏でもされていることでした。
ただし、日本ではまだ起こってないことがすでに海外ではたくさん起こっています。例えば前回の原稿の後半に列挙した、トランス女性による数々の性暴力事件がそうですが、(2020年2月)それ以外にも深刻な事態が進行中です。それについてはまた次回紹介できたらと思います。
それで何より日本と違うのは、海外では、トランスジェンダリズム(トランスジェンダー主義)を批判する言論が健在だったことです。そういったフェミニストは、ジェンダークリティカルフェミニストと名乗っているようです。
トランスセクシュアルは問題ではない
前回書いたように、男性の体(正確に言えば男性器)に違和感のないタイプのトランスジェンダー(トランス女性)には問題が多いことがわかったと思います。では、その人たちはいったい何者なのか?そして、なぜその人たちは女性専用スペースに入ろうとして問題を起こすのか?
今回はそれを探っていきたいと思います。
すでに書いたように、トランスセクシュアルの人たちは、性別違和感gender dysphoriaを抱いており、医学的診断を受けて、治療として性転換をしたいと思う人たちです。Hawthorneさんは「トランスセクシュアルの人々が問題なのではない」と言います。
トランスセクシュアルは、Sex dysmorphia という稀な状態であり、治療を求めるSex dysmorphiaの男性は人口比3万3千人に1人、女性では11万9千人に1人だそうです。
「自分の性別(sex)を変えることはできません。(中略)これは単なる事実です」、「そうは言っても、男性が医学的および社会的移行(最も重要なこととして、男性の特権に折り合いをつけること)の両方を受け入れたら、私は彼女を『彼女』、『トランスウーマン』と呼ぶことに問題はありません」(S.H)。
当事者団体による「トランス」の定義とは
では、トランスジェンダーは?「トランス女性は女性です」は海外でもそのまま唱えられていて、批判派から「マントラだ」とか「ドグマ(教義)だ」とか揶揄されていますが、ストーンウォール(イギリスのLGBT権利団体)は、幸いにも具体的にトランスを定義しています(参照:『Fair Play For Women』以下FPFW)。
トランスの定義:「性別が出生時に割り当てられた性別と同じではない、または快適にその性別でいることができない人を表す包括的用語(Anumbrella term)。トランスの人々は、(次のような)さまざまな用語の1つまたは複数を使用して自分自身を説明できる。
トランスジェンダー、
トランスセクシュアル、
ジェンダークィア(GQ)、
ジェンダー流体(gender-fluid)、
非バイナリ、
ジェンダーバリアント、
クロスドレッサー、
ジェンダーレス、
アジェンダー、
非ジェンダー、
サードジェンダー、
ツースピリット、
バイジェンダー、
トランスマン、
トランスウーマン、
トランスマスキュリン、
トランスフェミニン、
ニュートロイ(neutrois)」。
用語が多様すぎて何が何やらわからないと思いますが、上記の用語にあてはまる人たちは、全員生物学的には女性か男性です。
ほとんどのトランスが生来の性器を保持
つまり、ストーンウォールのトランスの定義によれば、身体的に性別が曖昧な訳ではない人、性別違和感 gender dysphoria があると医学的に診断されないような人でもトランスに含まれると言っているのです。
「性別違和感がなく、体に変化を加える意図がなく、したがってペニスがあっても女性になり得ると主張する多くの人々が含まれる」、「パートタイムのクロスドレッサー(女装1314家など)もトランスと見なされる」(FPFW)。
そして、「ほとんどのトランスジェンダーの人々は社会的移行のみを行い、一部の人は自分の体の外観を変えるために異性間ホルモンを摂取しています。一部のトランスジェンダーの人々は、豊胸手術などの美容整形手術も受けていますが、ほとんどの場合、出生時の性器を保持しています」(FPFW)。
生物学的男性のトランスジェンダー(トランス女性)のほとんどがペニスを保持しているという点は、留意しておくべきでしょう。
LGBTの大部分がトランスジェンダー
トランスの定義をこのような広い定義に変える以前、2004年に英国でジェンダー認定法が導入された当時は、法律上の性別を変更するのは5000人程度と予想され、実際2018年までに変更したのは5000人未満、そのほとんどが男性だったそうです。
しかし、「『トランス』であるという考え方は再定義され、ストーンウォールは『人口の約1%が非バイナリと特定する人々を含めてトランスと特定する可能性がある』と推定しています。それは英国で約60万人のトランスおよび非バイナリの人々を意味します」(FPFW)。
これは、下のグラフでも明らかで、LGBTの全人口に占める割合は、ここ20年くらいの間に急激に増えていますが、増加分は、ほぼ T(トランス)の増加であり、現在LGBT人口のうち圧倒的多数を占めているのがトランスの人たちだということがわかります。
《つづく》