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トランスジェンダリズムとは?…14

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参考資料

J.K.ローリングが性別(sex)とジェンダーの問題について発言した理由について語る 《抜粋》


10 JUNE 2020 By J. K. Rowling
〜ポルノ・買春問題研究会 | 国際情報サイトのツイートの暫定抄訳より抜粋


 なぜ私はこんなことをしているのか?
 なぜ声を上げるのか?
 なぜ黙々と調査だけして、おとなしく頭を下げていないのか?
 この新しいトランス・アクティヴィズムについて懸念し、声を上げる必要があると判断したのには、5つの理由があります。

 …4つ目から、いよいよ本当に個人的なものになってきますが、私が心配しているのは、トランジション(性別移行)を希望する若い女性が爆発的に増えていること、そして場合によっては、脱トランジション(元の性別に戻ること)をしている人たちが増えていることです。
 取り返しのつかないほど体を変えてしまい、生殖能力を除去したことを後悔している人々がいるのです。
 中には、自分が同性に惹かれていることに気づいてからトランジションすることを決めたと言う人もいます。
 トランジションは、社会や家族の中でのホモフォビアに駆られていたせいもあると言うのです。
 ほとんどの人はおそらく気づいていませんが――私もこの問題を研究し始めるまではそうでした――、10年ほど前までは、別の性別に転換したい人の大半は男性だったのに、その比率が今では逆転しています。
 英国では、トランジション治療に紹介される少女は4400%も増大しています。同じ現象はアメリカでも見られます。2018年、アメリカの医師で研究者のリサ・リットマンは、その理由を探ることに乗り出しました。
 インタビューの中で、彼女は次のように述べています。
「親たちはオンライン上で、複数の友人、さらには友人グループ全体が同時にトランスジェンダー自認になるという珍しいパターンについて書き記していました。社会的な伝播や仲間からの影響が潜在的な要因としてここに作用していることに気づかないとしたら、不注意以外の何ものでもないでしょう」。
 リットマンは、Tumblr、Reddit、Instagram、YouTubeを早発性性同一性障害の一因として挙げ、トランスジェンダー・アイデンティフィケーションの領域では、「若者は非常に閉ざされたエコーチェンバー(反響室)を作ってしまっている」と考えています。

 ...多くのトランス活動家の主張は、性別違和を持つティーンエイジャーをトランスさせないと自殺するというものです。精神科医のマーカス・エヴァンスは、この主張は、「この分野でのあらゆる堅牢なデータや研究と一致しないし、心理療法士として何十年に渡って見てきたケースとも一致しない」と言います。
 「若いトランス男性の文章は、これらの人々が非常にセンシティブでクレバーな人々であることを示しています。性別違和についての彼らの説明を読めば読むほど、そして不安、解離摂食障害、自傷行為や自己嫌悪に関するその洞察力ある記述を読めば読むほど、ますます私は、もし自分が生まれるのが30年遅ければ、私もトランジションしようとしていたかもしれないと思うようになりました。女らしさからの脱却の魅力は非常に大きいものでしたから。

 私はティーンの頃、重度の強迫性障害に悩まされていました。
 もし私の身近な環境では見つけられなかったコミュニティや共感をオンラインで見つけていたら、父が公然とそうであってほしいと言っていた息子に変わるように説得されていたかもしれません。
 ジェンダー・アイデンティティの理論を読んだとき、私は青春時代にどれだけ自分が精神的に無性的だと感じていたかを思い出します。私は、コレット〔1873-1954フランスの作家〕が自身について「精神的な両性具有」と説明した文章や、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの次の言葉を思い出します。
 「自分の性別によって課された制限に憤りを感じるようになるのは、女性にとってまったく自然なことだ。本当の問題は、なぜ彼女がそれを拒否するのかではない。問題はむしろ、なぜ彼女がそれを受け入れるのかを理解することだ」。

 1980年代の私には男になるという現実的な可能性はなかったので、本と音楽のおかげで、自分のメンタル・ヘルス上の問題、そして、性的な存在としてじろじろ見られ判断されること(そのせいでティーンの頃に多くの女の子が自分の体に対して抗おうとする)を乗り越えることができました。私にとって幸いなことに、自分が自分でなくまるで他人のように感じる感覚や、女性であることのアンビバレントな気持ちが、女性作家や女性ミュージシャンたちの作品の中に表現されているのを見出しました。彼女たちは、性差別的世界が女性の身体に押しつけようとするいっさいにもかかわらず、自分自身の中でピンク色やフリルつきが好きでなくてもいいし、従順でなくてもいいんだよ、と私を安心させてくれました。......

 ここではっきりとさせておきたいのですが、私は、トランジションが一部の性別違和の人々の解決策になることを知ってますが、同時に、性別違和のティーンの若者の60〜90%が成長の過程でそこから脱け出すことを種々の研究が一貫して示しており、そのことを私は広範な研究書を通じて知っています。

 ...私はたまたま自分より年上の素晴らしい自称トランスセクシュアルの女性と知り合いになりました。

 ...彼女は年長者であるため、評価、心理療法、段階を追った転換の長い厳格なプロセスを経てきました。トランス活動家の現在の爆発的な増加は、性別変更の候補者がかつて通過しなければならなかった堅固なシステムのほとんどすべてを削除するよう促しています。手術を受けず、ホルモン剤も服用しないつもりの男性でも、今や性別認定証明書を取得して、法律上は女性になれるかもしれません。多くの人はこのことに気づいていません。

 私たちは、私がこれまで経験した中で最もミソジニー的な時代に生きています。1980年代には、将来娘が生まれたらきっと娘たちの方がずっと恵まれた環境にいるだろうと想像していましたが、フェミニズムへのバックラッシュとポルノまみれのネット文化に挟まれて、状況は著しく悪化していると思います。性的暴行で告発されてきた長い歴史を持つ自由世界のリーダー〔トランプ〕の「マンコを掴んでやった」という自慢話、自分とセックスをしてくれない女性に怒りをぶつけるインセル(「不本意な禁欲者」)の運動、そしてTERFを殴って再教育する必要があると宣言するトランス活動家に至るまで、さまざまな政治的スペクトルをもった男たちは次のことに同意しているようです。
 悪いのは女たちだ、と。いたるところで、女は黙って座っていろ、さもないとひどい目に遭うぞ、と言われています。

  私は、女性性(femaleness)が性別のある身体には存在しないという議論や、生物学的な女性には共通の経験がないという主張をすべて読んできましたが、それらもまた、深くミソジニー的で退行的なものだと感じました。
 同じく明らかなのは、性別(sex)の重要性を否定する目的の一つが、女性が自分たちの生物学的な現実を持っているという、一部の人にはひどく分離主義的に思える考えや、女性は自己をまとまった政治的階級へと統一する現実を持っているという、一部の人には脅威に感じる考えを、浸食することです。

 …女性を「月経者(menstruators)」とか「外陰部のある人」などと呼ぶ「インクルージョナルな」言葉は、多くの女性にとって、人間性を奪い、屈辱的なものと感じられます。トランス活動家がこの言葉を適切で配慮あると考える理由は理解できますが、暴力的な男性から侮辱的な罵倒の言葉をさんざん浴びせられてきた経験のある私たちにとっては、それは中立的なものではありません。それは敵対的で、疎外的なものなのです。

 …私が知っている他の家庭内虐待や性的暴行のサバイバーと同様に、男性から虐待を受けてきたトランス女性には共感と連帯感以外の何ものも感じません。だから私はトランス女性に安全であってほしいと思っています。同時に、私は生まれついての少女や女性の安全性を引き下げたくないのです。自分は女性だと信じている、ないし感じている男性にトイレや更衣室のドアを開放したら――すでに述べたように、手術やホルモン剤なしでも性別認定証明書が発行される可能性があります――、その場合、中に入りたいと思うすべての男性にドアを開けてしまうことになります。これはシンプルな真実です。

 …膨大な数の女性たちがトランス活動家に怯えているのは当然です。私がそのことを知っているのは、非常に多くの女性たちが、自分の身に起こったことを語ってくれたからです。彼女たちが恐れているのは、個人情報がネットにさらされること、仕事や生活の糧を失ったり、暴力を受けたりすることです。

 …私は、言論と思想の自由のために、そして社会の中で最も弱い立場にある人々の権利と安全のために立ち上がっている勇敢な女性や男性、ゲイ、ストレート、トランスの人々とともに立っています。若いゲイの子どもたち、不安定なティーン、女性専用スペースを守りたいと思っている女性たちのためにです。...

原文 ⤵️


《つづく》




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