富士葵2ndワンマンライブ 「CYMBIDIUM」を観て

愛という名の「花」を咲かせて／残された僕／限られた僕／君との絆／大切な存在(もの)／えがいている未来／たくさんの花束／形のない人生(いのち)／何度も　キミの声がしたんだ／どうか、沈まないように／

ライブ開始冒頭のLyricは過去のMVのサムネールの背景とともにはじまった。たんたんと詠まれるLyric、「何度も　キミの声がしたんだ」　のところだけ少し声が高くなり、誰かが手をさしのべる。そしてシンビジウムのMVとともに１５カウントダウンがおわると一曲目「シンビジウム」が始まった。

１．シンビジウム

　今回のライブのテーマ曲。最初は少し緊張してるかなと思った。アップダウンが激しくて初手としては大変そうな曲だけど、さすが富士葵、「今」ばっちりきまった。

ライブのダイジェスト版が公開されています。

【ダイジェスト公開！】富士葵2ndソロライブ「シンビジウム」【#富士葵シンビジウム】
https://youtu.be/SmhayhLqpTE

２．EIDOS

　「みなっさーん、富士葵です」のいつもの挨拶から2曲目のEIDOSがはじまると会場は総立ちになり一気に盛り上がる。

　いつか灰になるまで／どんな色に染まっても／アオイままでいるよ

　最後の歌詞が刺さる。

３．はじまりの音

   「よっしゃいくぞー」の掛け声で会場の歌劇団が完全に一つになる。自然と涙が溢れてくる。めちゃくちゃノリの難しいこの曲を、現場で聴いてるかぎり完璧にノリノリでライブならでもフェイクもいれて音程の難しいところも完璧。さすがとしかいいようがない。

MC1

　得意のMC、天気の話から晴れ女自慢、徐々にMCも調子がでてきて、いつもの合言葉を拍手とペンライトで

（あ）愛する　こころ

（お）思いやる　気持ち

（い）一期一会

よっしゃいくぞー！

４．コヨーテ

　東欧風の踊りの振り付けがすばらしい。　この歌に関しては、正直まだよくわからない。コヨーテの意味も歌詞の意味もよくわからない。歌詞に登場する君の存在、かつてライバルだったが今は手の届かない所に行ってしまった人のことだろうか、想像がつかない。わからないことだらけである。

５．Anitya

 　客席後方の空中に浮かぶ蓮の花を象ったような船の上で、一言一言を表現するような美しい振り付けで歌う。観客席からは前のスクリーンにその姿が映し出されているが葵ちゃんのいる方向がわかっていても後ろをみる勇気がでなくて、結局スクリーンだけを見ていた。配信を見ると船のほうを向いてペンライトを振っている人も何人か見られる。その人の瞼の裏にはもちろん彼女の姿がしっかり映っているに違いない。

　Anityaの意味はサンスクリット語で”無常”。無常というのは因縁によってすべてが影響を受けあう色不異空空不異色色即是空空即是色の仮想世界。彼女はこの一言でVirtualが存在する世界は我々が存在する現実の仮想世界と変わらないということをいいたいのかもしれない。

　我々が生きる現実の仮想世界がそうであるように、彼女もまた因縁により右往左往し、失敗も成功もすべてを受け止め、試行錯誤の苦難の道を甘んじて受け入れてすすもうということなのか。理解にはまだ時間がかかりそう。

６．Q.E.D.

   葵ちゃん自身の作曲によるこの歌、心の叫びが自然に出てくるような感じのロックで彼女も前2曲とは違い気持ちに任せた振りで踊り歌った。

　歌の内容は、彼女が普段思っていてもなかなか配信とか或いはメディアの取材とかでは言いづらいこと、本音を思い切り口に出したストレートな内容になっていると思う。人気Vtuberならではの悩みなのかもしれない。

７．まだ希望に名前はない

　1stアルバムからの選曲。以前、この歌に出てくる「Just one day」はデビュー前に富士葵になろうとした日ではないかと書いたが、このステージで同じ日のことを彼女が思い浮かべていたかどうかはわからない。

　直前に歌ったQ.E.D.がある意味ファンをも含めた取り巻きを突き放すような内容になっているのに対し、この後に歌うヨスガノカケラは逆にファンに寄り添う歌となっている。ここでこの歌を入れることで場をリセットし曲と曲のつなぎとなっている気がする。

８．ヨスガノカケラ

　「葵にとってのみんなのように大切な人を思い浮かべながら聴いてもらえるとうれしいです」のMCで始まったこの歌、この歌を事前に聴いた時ボクは全く違うことを思い浮かべていたのだが、ここで彼女ははっきり葵のみんなへの思いを歌ったと言ってくれた。さすが富士葵だと思った。その一言を言われなければこの歌を聴いて涙する人もいたかもしれない。しかし、ここには君の心の応援団長しかいなかった。ZEPP TOKYOにいる全員が富士葵を見ていた。

　余談だが、大切な人といわれたらこの歌の歌詞的にはパートナーのような存在を思い浮かべるところだが、Vtuberファンといえば”童貞オタク生まれてこの方二次元が恋人”が世の定番、大切な人と言われましても推ししかいないじゃあないかということになる。ここでは富士葵が完全に富士葵であったのと同時に葵歌劇団も完全に”童貞オタク生まれてこの方二次元が恋人”を演じきったので、全員無事に富士葵の大切なみんな、みんなの大切な富士葵、の相思相愛関係が成立したようだ。

MC2

　MCではコヨーテとAnityaのダンスについて”かわいいよね”という表現で話をしてたけど、実際にはかわいいというより美しいという感じだった。かわいいというワードをライブ中に積極的に使っていて、彼女が少し自分のキャラクターを見直したのかもしれないと思った。

　このあと新制服に着替えてカバー曲ゾーンが始まった。

９．シュガーソングとビターステップ

　カバー曲としてMVも出ているが、あきらかにステップアップしたノリの良さとはつらつとしたパワーと躍動感を感じた。振りも工夫されていて踊りも歌とともにすばらしかった。カバー曲はやはり会場のノリもいい。

※7月4日現在MVのアーカイブが見つからない。Apple Musicではカバーアルバム声の中に含まれているがこの曲だけ購入できない。過去に購入した物は聴く事ができる。

１０．ゴーストルール

　ここにきてのゴーストルール、会場の興奮も最高潮となった。　2018年のニコニコ超会議という初めての大きなライブで披露した曲で当時のアーカイブがYoutubeにあるので聴き比べすると、方や初めての大舞台で1曲だけの一発勝負というハンディキャップがあるとはいえ、この2年半の進化がよくわかる。

VTuber Live2018＠ニコニコ超パーティーでの富士葵 - ゴーストルール
https://www.youtube.com/watch?v=aSw-xKUobbA&t=844s

１１．空に歌えば

　自分は初めて聴く曲だったがどこかで演奏されていたかもしれない。歌詞がこのライブにぴったりで葵ちゃんの想いを代弁しているかのようだ。

MC3

　空に歌えばがAnityaのスタート地点になったという貴重な逸話がきけた。

１２．エールアンドエール

　誰が歌っても楽しめるポップな曲で、いつもならコールがとても楽しい曲。葵ちゃんがすごく元気な振り付けで踊りながら歌ってくれて、歌劇団は声だしできないのでペンライトと337拍子の拍手でもりあがった。

着替え

「リボン、リボン、リボン、リボン、リボン、脱げない、脱げない、あ、ベルト、ベルト、ベルトしてない、パンツ、落ちる、パンツ落ちる」　

舞台裏の演出とか楽しませくれる工夫はさすが

１３．秘密を聞いてよ

　舞台裏のシーンの後、観客席後方空中に浮かぶランウェイに現在メインで使用しているライブ衣装に着替えた葵ちゃんが現れて、会場の一人一人に繋がりたい、離れたくないと伝える姿に胸がいっぱいになった。聞いてほしい秘密とは何か、答えは最後の日まで彼女と一緒にいればわかるにちがいない。

１４．8分19秒

　作詞作曲 富士葵。残された時間を8分19秒と言い放つこの歌、終わりの時を暗示するこの歌の途中で彼女はこういった。

「誰にも周りの人とかうらやましくなることとかあると思います。それでも葵は自分の気持ちに正直になりたい。そんな姿がみんなの道しるべになるといいなと思って歌います」

　甘き死よ来たれ　ー　彼女がこれからの時をどう生きていこうとしているか彼女の決意が伝わってきて胸がいっぱいになった。

MC4

「Q.E.D.に続いて作詞作曲をさせていただいた8分19秒ですが、今回のアルバムは7色の声をコンセプトにいろんな葵を見てほしいという自己紹介にもなる1stアルバム 有機的パレットシンドロームの時からとはまたちょっと違って、こう伝えたいメッセージを絞って製作しました。そこでね、葵が作詞作曲をするにあたって、みんなにどういうメッセージを伝いたいかなぁとか、まぁあとはAから書いてってこうこうこうきたけど、え、サビで結局何をつたえたいんだっけみたいなところをすごく悩んだりとか、そういうね過程が自分と改めて見つめあう機会になったというか、これからも曲や音楽を通してみんなで一緒に悩んだり笑ったりできたらいいなと思っています。」

１５．紫陽花が泣いた

　「葵にたくさんの夢を見させてくれるみんなへ、愛をこめて歌います。」　　

　最後の曲。紫陽花・・・小さい藍の色の花が集まっている花。小さい藍色の一つ一つにこめられた想いが集まった花。

　涙がとまらなかった。

　「本日は富士葵生誕記念ソロライブシンビジウムにお越しいただき、またご覧いただき有難うございました。今日ずっと夢にみてきたことの一つがかないました。葵のことを応援してくれるみんなの前で叶えることができました。君の心の応援団長として活動を初めてもうすぐ4年、楽しかった事がたくさんありました。でも壁にぶつかったこともたくさんありました。そんな時気づけばみんな一人一人に応援されて今日まで歩んできました。だから葵もみんなに恩返しをしたいからずぅっと、ずっと１年後も１０年後も葵の歌と一緒にまだまだ新しい景色を見に行こうね。本日は本当にありがとうございました。」

アンコール

en.1 チョコレート

　黒のライブTシャツに着替えて出てきた葵ちゃん、ピアノ弾き語りで歌ってくれた。途中から入ったギターとベースはきっと魔界の人でしょう。

en.2 MY ONLY GRADATION

  1stソロライブのテーマ曲といってもいい曲をアンコールで応えてくれた。カラフルなペンライト、葵ちゃんのフェイクものりのりで盛り上がった。

同時配信サイトのほうでは現場では見られない炎がステージを盛り上げた。

MC

   大事な発表が始まると思いきやサプライズのバースデイケーキに泣きそうになる葵ちゃん

大事な発表１　富士葵オフィシャルファンブック 9/27発売決定　今回のライブ音源＋新曲＋ポスター込みで3500円＋税。　

大事な発表２　新・音楽レーベルAcro 始動 第一弾レーベル所属アーティストとしてAcroに所属することになった。新曲絶賛制作中。（あくまで事務所は今のまま）

「葵の歌でみんなを元気にしたいと思って始めた活動だけど、はじめは自分の歌でみんなを元気にするということが、そもそもどういうことなのかも手探り状態でした。でもヒントは目の前にあって、みんなの声とか近況聞くたびに「ああ伝えたいなあ」っていうことがたくさん増えていきました。また新たなレーベルでみんなの楽しい時うれしい時または落ち込んだ時に葵の歌を通して寄り添えるそんな曲をたくさんお届けしたいです。」

　葵ちゃんのライブはMCがとても楽しみだけど、最後、ほんとに飾らない言葉で心を伝えてくれた。

「今日も改めて思ったけど、やっぱり葵とみんなってなりがちだけど、応援されてる葵とか、応援みんなにしてるとか、おもいがちだけど、やっぱりこうみんなの心の中にちび葵を置いといてほしいというか、ほんとに葵も一人一人を応援してるし寄り添ってるし、つらいこととか楽しいこととかあったら教えてほしいし、ちび葵をお守りとしてね持って帰っていただけると嬉しいです。一人一人を応援してるからね、みんな！ありがとう！1stライブで約束した新しい景色をみんなで見れてよかったです。ほんとにありがとう！」

「ライブの最後だしなんかうまいこと感動的なことをつたえられたらいいんだけど、やっぱり生きていく上で悩みとかつらいこととかもたくさんあると思うけど葵と一緒にいる時は少しでも楽しいとかすっきりしたとかそういう風に感じてもらえたらいいなと思って、葵が楽しいと思えることをしてみんなも楽しいと思えたらこれってすっごく幸せなことだなって改めて思いました。ということでこれからもついてきてね！」

en.3 ユメ＝＞キミ

　ラスト曲として定番化したといっていい曲。葵ちゃんと葵歌劇団のための曲。奏みみちゃんが前回ライブでつけてくれたコールで歌劇団と葵ちゃんが一つになった。ペンライト振ってジャンプしてるけどおそらくみんな泣いてる。

そしてこれをBGMに最後のMC

「今日、こうして一緒に過ごした時間が、葵とみんなの思い出に、葵とみんなの糧に、葵とみんなの羅針盤に、そして葵とみんなのこれからも続く終わらない物語の一ページになればうれしいです！　最後はあえてこの言葉で締めたいと思います。せいのっ」

「よっしゃいくぞー！！！」

【ダイジェスト公開！】富士葵2ndソロライブ「シンビジウム」【#富士葵シンビジウム】
https://youtu.be/SmhayhLqpTE

※この記事は執筆中です。公開非公開にかかわらず予告なく改版します。

2021年7月4日 起草

2021年7月19日スクショ追加