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「違和感」をポップに扱うことで、場も成果も変わる予感がした話

4月中旬、とある快晴の日。
私は2ヶ月ぶりに、ワークショップデザイナーの先輩もっくんてっちゃんが手がける「プレイフルリーダーズ」0期のプログラム開発の場におじゃました。

※「プレイフルリーダーズ」の内容が気になる方は、ぜひ以下の記事をご覧いただきたい。

2月に続き、私はオブザーバーとして開発の場を観察しながら学びを深めるという、とってもプレミアムな1日。
そんな贅沢な1日を自分の中だけに留めるのはもったいない!と思い、今日も筆を走らせる。

(ちなみに私は、このオブザーバーとしての関わりがきっかけで、このnoteをはじめた。「自称プレイフルリーダーズのインフルエンサー!」な心意気。初回の観察の記録が気になる方は、以下の記事をぜひ📝)

それでは、本題。


4月に参加したこの日、私は前回に引き続き、
「その場でどんなことが起きているのか?」
「場づくりのプロであるお二人は、どんなコミュニケーションでプログラム開発をしているのか?」

に目を向け、とっても贅沢な時間にニヤニヤしながら、観察記録と言語化を行なった。

いやぁ…今回も学びの果実が多すぎて!

対話、場づくりを学んできているお二人ならではの進め方、開発の掛け合いが惜しみなく発揮されていた。

1日観察してみて、今回特にピックアップしたいなと思ったキーワードは「違和感」。
以下に学びを綴っていく。

個人的にずっと気になっていた「違和感」のパワー

まずの前提の共有として、ちょっと自分の話を。

私は、組織開発の仕事や、場づくりに関する学びを始めてから、「違和感」というものに、すさまじいパワーを感じていた。

組織・チームで議論をするとき、参加者それぞれの目線から「違和感」を抱くことは度々あると思う。なんかしっくりこないなぁ、というモヤり。

ただ、「違和感」は文字通り、「和」とは違うことを感じるというニュアンスを持つからか、「感じているの、自分だけかな?」といった少数派の視点として捉えている人が多いように感じる。

だからこそ、議論の場に出しづらいものだと思っている人も多そうだなぁと。

実際これまで、様々な議論・対話の場に立ち会う中で、ある人が自身の違和感をぐっと飲み込んでいる場面を何度も見てきた。
「違和感あるけど、これ言い始めたら議論の流れ止めちゃうし、そもそもを覆す感じにもなるし…やめとくか。」といった様子。

でも、後からちゃんと耳を傾けてみると、その違和感という視点にこそ、多角的な視点だったり、これまでにない成長のきっかけとなる気づきが含まれていたりする。

違和感の中身が正しいかどうかとか、筋が良いかどうかとかではなく、その「ん?」と思ったという事実自体を、他者との議論の場に出してみること。それこそが、組織・チームの納得解を見出すにあたり、非常に尊く価値のあるプロセスだと思うようになった。

そんなわけで、私はここ数年、「違和感」にものすごく可能性を感じていたのだが、この日のもっくん&てっちゃんの開発現場に立ち会ったことで、「違和感に対するスタンス」「違和感の扱い方」というポイントに焦点が定まり、学びセンサーがビビッときたのである。

「違和感」をポップに扱う場で起きていたこととは?

この日の開発は、2月に観察した回に比べると、お二人が結構「うーん…」と悩むシーンが多かったように感じた。

「なんとなくピンとはくるんだけど、もうちょっと〇〇だなぁ…」
「うーん…なんかまだちょっとしっくりこないんだよなぁ」

お二人から、そんな言葉をよく耳にした。
(いやぁわかるわかる、私も日々の議論でそういう時あるなぁ…と思いながら、観察の記録を取っていた。きっとこれを読んでいるあなたも、日常的にそういう場面があるのではないだろうか。)

そんなあるあるへの共感を抱きながら場を観察していたが、次第に「!?」と気になるシーンがあった。

というのも、もっくんとてっちゃんが唸りながら、お互いへの「違和感」を深掘って議論していくのだけれど、なんだか、非常に軽快でポップなのである。

ポップに唸る…!?

「うーん…」と悩んで、スッキリした納得感がまだ得られないような場面ではあるけれども、かといって場が どよーんとしたり滞ったりするのではなく、なんかすごく軽快に明るいテンポで、前のめりに進むのだ。

なんだ?この納得感なくモヤモヤするはずの場が、どこか軽快な感じ。新しいぞ。何が起きてるんだ?)

次第に私の頭の中には、そんな問いが浮かんできた。
一層場に惹き込まれ、記録を続ける。

そして1日観察する中でわかってきた、「ポップ」たらしめていたポイント。
それは、両者に共通していた「違和感」への向き合い方に関する、以下の要素かも、と感じた。


  • 対 自分

    • まず二人とも、「自分はいま違和感を抱いている」ということの認知が異常に早い

    • 認知した後、自分自身の違和感の中身を言語化して、放っておかずに即座に相手に伝える

  • 対 相手

    • 相手が違和感を抱いていることに気づくのが早い(さすがファシリテーター)

    • 相手が違和感を抱いていたら、自分の意見を挟むのではなく、まずは「もっと聞かせて」「もう少し具体的に教えて」と積極的に引き出す

    • いま相手がどこに違和感を抱いているのか?の理解に努めて、解像度が上がってきてから、自分自身の意見を出す


こういった「違和感への瞬発力」ともいえるスタンス・スキルが、認識のズレやモヤりさえも軽快に扱い、目の前の議論を素早く進めることに寄与しているように感じた。
まさにプレイフル・シンキングでも鍵となる、メタ認知のスキルである。
(なかなか高度だけど、見たらなるほど!となるはず…動画撮っておけばよかった…笑)

ポップに扱える鍵は、「あなたの視点を理解したい」という好奇心


ポップたらしめる要素がわかってきたオブザーバーの私の頭の中には、もう一つ問いが浮かんだ。

「じゃあなぜ、もっくんとてっちゃんは、こういうやり取りができるんだろう?」

1日の観察が終わった後に直接尋ねてみると、お二人からこんな言葉が返ってきた。

「相手が違和感を抱いていそうな時に、すぐに問いかけるのは、『あなたの視点を正しく理解したいから、もっと教えてほしい』という、気持ちがあるからなんだよね。」

「相手の視点を知りたいという好奇心があるから、モヤモヤしている人がいるということをネガティヴに捉えないんだよね。」

くぅ…なるほどなぁ…!

そういう想いが根底にあるから、相手が違和感を抱いている様子をみた時に、ギスギスしたりモヤモヤしたりするのではなく、お互いが軽快に問いかけ、明るく歩み寄っているのか…。

もちろん大前提には、「否定のないコミュニケーション」という、心理的安全性の高さと、一定の相互理解があるという関係性があるとは思う。

ただその上で、さらに議論や対話の過程で出くわしやすい「違和感」というものをポップに扱うスタンスが共通であることで、一層「協創」のパフォーマンスの質が上がっているのだろうなと感じた。

まずは自分の違和感を瞬発的に捉え、その場に出してみる

私もワークショップデザイナーとして、そして日々組織開発やマネジメントを担う立場として、「違和感をポップに扱うための一歩を踏み出してみたい!」素直にそう思った。

そこで実践トレーニングとして、まずは以下の2点を意識的にアクションしてみようと思う。

  • 自分が違和感を抱いているなと思ったら、その場でポップに出してみる

  • 相手が違和感を抱いたら、意見を交わす前に問いかけ、一緒にその解像度を上げることに努めてみる

もっくんと&てっちゃんのコミュニケーションを観察させていただくことで、自分自身に対しても、他者に対しても、違和感センサーが素早くなることの価値を感じた。

この違和感センサーは、多くの組織やチームにとっても、納得感を持って物事を進められるようになるための、すさまじいパワーを秘めていると思う。

また、今後の更なる学びテーマとして…「ポップに違和感を伝えやすくなる工夫」とかもあるよなぁと思っている。私にとって、お二人の言い回しや伝え方は、すごく参考になった。
そんなあたりにも好奇心のアンテナを張り、実践していきたい。

📣ちなみに!
5/12(日) の11:30〜13:30に、プレイフルリーダーズの展示会を初めて実験的に開催するとのこと!0期の皆さんがワークショップや体験活動を通じて気づいたこと、発見したことを展示する試みなんだとか。
気になる方はぜひ以下からチェックを!

ワクワクする学びの機会をくれるお二人に、そして、この私なりの学びの記録を読んで何か感じてくださった皆さんに、心から敬意と感謝を!

プレイフルを探求する日常は、まだまだ続く。

だま

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