
Superman feat.Bucie - Black Coffee
NYCハウスの歴史を大きく変えた…否、必然として生まれた南アフリカの超弩級DJ BlackCoffeeが2010年に放った1曲。
Black Coffee徒然
アフリカの足音はヒタヒタと気づいてはいたが、明確にシーンをえぐるということは決して無かった当時、仕掛けるのはあくまでも欧米勢であって「アフリカ」そのものではなかった。アフロハウスと言えばどちらかというとフェラ・クティのようなJazzのカテゴリから評価されるアーティストをオマージュしていた。我々にとってのアフリカ音楽はあくまでも民族音楽として認識していたし、そこから飛び出すことは決してなかった。要はイメージとしてのアフリカ、その範疇を超えることはなかったのである。(単純に私の視野が狭いってのもありますが…)
そんな大前提があって、当時Djoonのイベントに名を連ねていたのがこのBlack Coffeeである。あまり詳細を追っていなかったので齟齬はあるかもしれないが、Black Coffeeのキャリアはフランス~ヨーロッパを経由し、上手にキャリアUpしていったやり手というのが当時の個人的な印象。プラットフォームをハウスにしたその心とは。そんな妄想が止まらないという意味で当時からもちろん超重要人物ではあった。
お手本はNYCハウス。その点でDJというキャリを築くためにはトラックが必要で、その才能を見事開花させたといえよう。

でもJoeたんがいないとちょっと成り立たないなっていうのが正直な感想。
比類なき才能Bucie
彼女を先行して認知していた人の方が日本では多いのではないでしょうか。GOGO MUSICからのリリース、すぐにLouie Vegaに捕獲され(笑)、現場ではJihad Muhamaadとの絡みが個人的に好き。
どさ周りだってやってましたよ。
単身USに突っ込んで芸一つで成功した苦労人ってイメージなんですが、実際のところはどうなんでしょうかね。
関係ないけどBucieってGrace Jonesに似てない?


Vordafonのやつ
この映像の波及は目を見張るものがありました。
J-PHONE→Vordafon→SoftBankの華麗なる日本のモバイル史を飾った、かのVordafon。そのVordafonが前面スポンサーで野外ライブ…?!大統領より偉いんじゃないのって思ったよね。
オーケストラを引っ提げて、当の本人はDJブースでタクトを取りながら次々と登場するボーカリストたち。今見てもこんなライブってなかなか存在しないんじゃないのとは思います。あんまり簡単なことは言えないけど、確かに南アフリカでの第一人者であり、人気者は間違いなくBlackCoffeeだったんだなと、構成やスポンサーみても思います。DVD買っておけばよかったわ、チックショウ。
で、何を隠そう、このライブのハイライトこそタイトルにあるこの『Superman feat.Bucie - Black Coffee』である。
Bucie歌うますぎ。無双やんけい。いや、他のメンバーも豪華だし全員無双してるんだけど。
この曲が(ブラックコーヒー自身の)他の曲とちょっと毛色が違う、革新的な点を挙げるとすればやっぱりソングライティングなのかなと思います。よりPOPSに近い普遍的なメロディー、彼にしか出せないオケの作り方(と言うのが正しいのかわかりませんが)、シンプルだけど魅せ処が多い…かつて我々が愛してきたQuincyやJam & Lewisらの作り出した楽曲と同じベクトルのものがあるように感じます。アフリカが生んだ曲だとわかるオリジナリティ、彼にしか生み出せないプロダクション、その世界観を完璧に表現したBucie、そして時を経て愛される普遍性。それでしかないオリジナルだけど多くの人の琴線に触れる楽曲…、過去我々がコレクションしてきた楽曲の持つ要素をしっかりと踏襲しているのです。
そしてサンプリングへ
カバーなのかな?Drakeの餌食に(笑)
こうして聞くと、この曲が有象無象、数多の楽曲と違うところってやっぱりビートだなと再認識。欧米でブラックコーヒーが市民権を得た一つの要因、アフロの昇華っていうのがやっぱりクリティカルなポイントですね。(ビートだのビートじゃないだの言い散らかしスミマセン)
ところでDrakeニキはめっぽうこの手の音楽が好きみたいで、パリピと化しているとかしていないとか。
近年ではブラックコーヒーとも関わりの深いというか、ブラザーなKeinemusic界隈をうろうろ。クラブ遊びしているのをみるとDrakeってしっかり芸能人なのね。今、彼の周辺何やらがちゃがちゃしているので、この辺でそっ閉じ。(ケンドリックラマー相手はちょっと分が悪いんちゃうか?)
とにもかくにも、Black Coffeeは今や完全なメジャーアーティストの仲間入りしたんだなとしみじみ。
DANCE CLASSIC
そんなこんなで先日もTimmyがしっかりプレイしていましたが、今もなお愛される一曲へと晴れて殿堂入り。この曲はレコードでもプレスされ、様々な人の手にわたりプレイされてきました。今のテクノ要素強めなサウンドへ羽化する前の、ブラックコーヒー第2形態完成がまさにこの曲なんだと思います。NYC勢はもちろん、歌謡を愛する日本人の耳にも刺さり、とても大切にフロアへ届けてくれていたように感じています。フロアにいる全ての心を打ちぬいてきた珠玉の一曲です。
https://youtu.be/w6-tR3PKCHA?si=9Ji21XhhA_JqXuB5
