『トライアル・アンド・エラーの先に』
※本内容は、個人的な意見や推察が含まれております。あらかじめご了承ください。
8月6日のヤクルト対巨人の20回戦。
緊迫した試合展開であったが、「2-3」とヤクルトは痛恨の逆転負けを喫した。
私がこの日一番印象が残ったのは、サンタナ選手のタイムリーヒットでも、塩見選手のタイムリーツーベースでもない。
6回表に巨人ポランコ選手が放った同点2ランの軌道を追っている古賀優大捕手のものすごく悔しそうな顔だった。
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前日の巨人戦では大敗しており、この日スタメンマスクを託された古賀には絶対に抑えなくてはならないという相当なプレッシャーがあったはず。
小澤の特長のサイドスローから浮き上がってくる軌道のストレートと左打者に対して外に落ちるフォークを軸に、どうG打線を抑えていくかを神経をすり減らして様々な戦略を持って、戦いに挑んでいたのだと思う。
前日にはスコアラーからくる打者の情報をまとめ、且つそのときのVTRを何度も見て、いくつものパターンの攻め方をインプットしていたんだろう。
このパターンを彼が巧みに組み合わせて、打者の裏をかき完全に抑えてきた中で投じたスライダーがボール1個分、いや半個分内側にながれてしまったことで、積み上げてきた積み木が一気に崩れ落ちてしまった。
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古賀捕手は名門明徳義塾から2016年にドラフト5位でプロの門を叩く。
強肩捕手として大いに期待を受け、2018年5月に初出場を果たす。
安定したキャッチングと糸を引くような素晴らしい送球で、常にレギュラー争いをしてきている。
しかし、不得手な打撃などが影響して、1軍と2軍の往復を繰り返してきた。
リード、キャッチング、スローイングなど、様々な観点で改善していくポイントがあり、常にトライアル・アンド・エラーを続け、たくさんの努力をしてアップデートを重ねて来たのだろう。
だからこそ、昨日打たれた同点2ランが悔しくてたまらないのだ。
でも、この悔しさを乗り越え、またトライアル・アンド・エラーに挑み続け、アップデートし続けてきた先に、彼にとってすばらしい風景がきっとそこにあるだろう。
神宮球場の美しいダイヤモンドの姿が
8月7日は彼の24回目の誕生日。まだまだ階段を上り続けている途中。
次の誕生日に彼がどのような風景を眺めているのか、とても楽しみだ。
古賀優大捕手。誕生日おめでというございます。