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【国内Standard】Miltank Wall Stall
0. はじめに
こんにちは,DalSegnoです.国内では新弾《バトルリージョン》がリリースされ,構築の軸となるカードからサポートのカードまで多くの強力なカードが収録されました.
その中で今回は特性《ミラクルボディ》を持つ《ミルタンク》を軸にデッキ構築をしました.新しいカードであるためデッキリスト自体に新規性が高いため興味がある方はぜひご覧ください.
■ こんな人にオススメ!
・《ミルタンク》のカードが好きな人
・《ミルタンク》を採用したデッキが使いたい人
・コントロールデッキが好きな人
・SMシリーズのギガスフーパが好きだった人
1. 《ミルタンク》 というカードについて
まず《ミルタンク》は特性が特徴的なカードです.
特性《ミラクルボディ》
このポケモンは、相手の「ポケモンV」からワザのダメージを受けない。
ここでいう「ポケモンV」とは「ポケモンVMAX」「ポケモンVSTAR」を含みます.環境に存在する「ポケモンVMAX」や「ポケモンVSTAR」はHPが高く大きなダメージを出すことができるため,環境全体に対する使用率が非常に高いです.そのため使用率の高いポケモンV派生主軸のデッキに対してメインアタッカーから技のダメージを受けない特性は非常に強力で,《ミルタンク》の存在だけで一方的に勝てる試合も多く存在します.
この特性を持つカードはシリーズが移行しても定期的に収録されており,全てのシリーズで環境に大きな影響を与えてきました.
歴史的にこれらの類のカードは2つのアプローチからデッキに組み込まれてきました.
■ アプローチ①
《サイドを6枚取るプランを持たず、相手のLOを狙うコントロールデッキ》
基本的に妨害系のカードが多く採用されており,「相手の攻撃を耐える」「回復する」「リソースを枯らさせる」を基本的な戦術としています.
最終的に目指すプランは「相手のエネルギーをトラッシュしていくことで相手が攻撃できないようにする」「相手の攻撃できないポケモンをバトル場に縛る」「相手の攻撃を耐えながら回復をループさせ相手がLOするまで耐え続ける」の3パターンです.
技を宣言しないターンが多く生まれるデッキタイプであるため,使うと番が終了する強力な特性やトレーナーズを積極的に採用することができます.
■ アプローチ②
《こちらのポケモンを倒せる相手アタッカーを全員倒し,相手がサイドを6枚取りきれない盤面を作ってこちらがサイドを6枚取り切るデッキ》
ポケモンV派生のデッキはメインアタッカーとなるポケモンVのカードとサブアタッカーとなるルールを持たないポケモンで構成されることが多いです.
しかしルールを持たないポケモンの採用枚数は多くないため,それらのポケモンを全員倒しきることができる相手はこちらの《ミルタンク》を倒すことができなくなります.
相手がサイドを取れなくなったタイミングで《ミルタンク》で相手にダメージを蓄積させていき,サイドを6枚取り切ることを目指します.
2. 現時点での環境とアプローチの選択
前節で《ミルタンク》主軸のデッキのアプローチを2種類紹介しました.では,現時点でどちらの方が環境に適したアプローチでしょうか.必ずしも答えのあるものではありませんが,私の考えは以下の通りです.
結論から話すと「アプローチ①の方がより適している」というのが私の考えです.逆説的に言うと「現環境でアプローチ②で勝利を目指すのは難しい」と考えています.
その原因として《インテレオン》というカードの存在が非常に厄介です.《インテレオン》はデッキの安定感を支えてくれるカードとして多くのデッキに採用されています.一方でダメージソースとしても優秀です.特性《クイックシューター》を持つ《インテレオン》はベンチにいながら相手の好きなポケモンにダメージを蓄積させていくことができます.
また技《アクアバレット》を持つ《インテレオン》は少ないエネルギーで最低限のダメージを出すことができます.またデッキの構成上《インテレオン》は複数匹立てることが多い上に,2進化特有のHPの高さから1回の攻撃で倒すことが難しいです.
アプローチ②で勝利を目指そうとすると前述のように《インテレオン》とのダメージレースの点で不利であるため現実的ではないと判断しました.
また「連撃テンタクル」や「フーパファイヤー」といったルールを持たないポケモンを軸としたデッキタイプも一定数いるため,サイドを取り切るアプローチではよりサイドをとる能力の高いデッキタイプに有利が付いてしまいます.
《ミルタンク》軸では継続的にサイドを取る能力は高くないためルールを持たないポケモンを軸としたデッキ相手には勝ちにくくなってしまいます.
3. 現環境におけるコントロール軸のアプローチ
コントロール軸のメリットとしてどのような相手に対しても一定数の勝ち筋を残すことができる点があります.
例えば《インテレオン》の採用されたデッキを相手にする時,技《アクアバレット》とのダメージレースでは有利に立てませんが,特性《クイックシューター》のダメージ分であれば回復を挟むことで耐え切ることが出来ます.ルールを持たないポケモンを軸としたデッキ相手にも相手のサポートポケモンをバトル場に縛ることでLOを目指すことができます.
とはいえサイドをとるアプローチで勝てなかった相手に対して有利になるわけではなく,ある程度勝てる可能性を残せるという程度ですが,元々有利な相手には一方的に勝てる力のあるデッキであるため広く勝てる可能性を残せることは大事だと考えました.
また相手が突破できないポケモンを盾にしながら相手の場をコントロールしつつLOを狙うデッキタイプを「Wall Stall」と呼びます.SMシリーズ以前の「ホエルオーEX」,SMシリーズの「ギガスフーパ」,Expandedの「カビゴンカエンジシ」等が同系統にあたります.
4. Miltank Wall Stallのデッキリストと採用理由
デッキリストは以下の通りです.
■ ゲームプラン
序盤:《おうえんYホーン》で相手の入れ替えカードを消費させながら特性《くいだめ》で手札を整えます.積極的に《博士の研究》を打ちながら終盤のループのために山札を圧縮していきます.
中盤:《タフネスマント》のついた《ミルタンク》を壁にしながら《ボスの指令》と《ガラル鉱山》で相手のシステムポケモンやポケモンVをバトル場に縛ります.《シャクヤ》でサイド落ちしたリソースを回収し,終盤に向けてキーパーツを集めていきます.
終盤:盤面を《タフネスマント》のついた《ミルタンク》だけで構成します.《ミルタンク》がダメージを負ったら《ワタシラガV》の特性《ハッピーマッチ》から《チェレンの気くばり》で回収し,新しい《タフネスマント》付き《ミルタンク》を準備します.終盤までに山札を圧縮できると毎ターンこのループが成立するため,《タフネスマント》付き《ミルタンク》を1ターンで突破できないデッキはサイドを獲得できなくなります.
■ 採用理由
《ミルタンク》:《タフネスマント》をつけることでHP160になり,ルールを持たないポケモンが1ターンで倒すのが難しいHPラインになります.また《チェレンの気くばり》に対応しているため《タフネスマント》を回収しながら回復をすることが出来ます.
《イベルタル》:FUSIONやICHIGEKIがポケモンVでありながら《ミルタンク》を突破できる技を持ちます.これらのデッキタイプが特殊エネ主体であるため,技《はかいのさけび》で相手のテンポを奪うことが出来ます.基本的に《イベルタル》だけで勝てる相手はいないため,相手のテンポを奪う目的に過ぎないことは念頭に置いておいてください.
《ワタシラガV》:特性でトラッシュにあるサポートを再利用しながら,技の効果で盤面から消えることが出来ます.毎ターン好きなサポートを使いながらバトル場に《ミルタンク》を出すことで相手にサイドを進めさせないように立ち回ります.
《かがやくゲッコウガ》:終盤の《ワタシラガV》ループを毎ターン確定させてくれるたねポケモンです.《トレーニングコート》と合わせて毎ターン特性を利用出来ます.便利で重要なポケモンではありますが,相手の《ボスの指令》からサイドを進められてしまうポケモンでもあるため,場に出す時は相手の《ボスの指令》の残り枚数をきちんと確認しましょう.また相手のリソースが切れた後,時間内に無理矢理ゲームを終わらせるためのアタッカーとしても運用できないことはないので一応覚えておくといいかもしれません.
《おうえんYホーン》:相手のデッキに入れ替えカードが4枚採用されていると仮定すると毎ターン相手に入れ替えを強要しないと相手の入れ替えカードが尽きる前にサイドを6枚取り切られてしまいます.《ボスの指令》が打てないターンは入れ替えを強要出来ないため《おうえんYホーン》で要求値を上げる必要があります.
《ツールスクラッパー》:相手のシステムポケモンについた《ふうせん》をトラッシュするために採用しています.
《とりつかい》:相手がミルタンクにダメージを与えることが出来ないとバトル場の《ミルタンク》に《チェレンの気くばり》が打てず《ワタシラガV》が山札に戻れないためこちらが先にLOしてしまいます.《チェレンの気くばり》が使えないターンは《とりつかい》を回収することでループを継続します.
《トレーニングコート》:終盤に《かがやくゲッコウガ》と共にループに組み込むために場に出します.終盤までは使わないのでトラッシュしておいて必要なタイミングで《ハマナのバックアップ》から回収します.《トレーニングコート》が場に出ていると《ミルタンク》に《ふうせん》をつけることで《とりつかい》以外のサポートが打てるようになります.このデッキは相手の《頂への雪道》に弱いという弱点があるためスタジアムを多めに4枚採用しています.
5. Miltank Wall Stallに採用を検討できるカード
《クラッシュハンマー》:コイントスの結果次第では相手の盤面のエネルギーを1枚トラッシュできます.個人的にはカードパワーがコインの結果に依存することや現在の環境が《クラッシュハンマー》によって得られるメリットが少ないことから不採用にしています.しかし表が出れば強力なカードであることには間違いないので好みで採用してもいいかもしれません.
《ポケモンキャッチャー》:《クラッシュハンマー》同様コイントスの結果次第では《ボスの指令》と同等の効果が得られる強力なカードです.他のサポートを打ちながらグッズで相手のベンチポケモンを呼び出せるのは強力ですが,やはりコイントスに依存するため今回は《おうえんYホーン》に同等の役割を持たせました.
《ツツジ》:《ミルタンク》と同じ弾に収録されている強力なサポートカードです.相手のサイドの枚数が3枚以下の時限定で使うことができ,こちらが手札が6枚になるように山札を引き直すことができる一方で,相手は手札が2枚になるように山札を引き直させられるカードです.
終盤に使うことで相手の解決札を引き込まれないようにし,テンポを奪うことが出来ます.コントロール系統のデッキとの相性もいい強力なカードですが,相手のバトル場のアタッカーに干渉できないと効果が薄いため不採用にしています.
《ツツジ》を採用するならグッズで相手のバトル場に干渉できる《クラッシュハンマー》や《ポケモンキャッチャー》を多めに採用するといいかもしれません.また《クラッシュハンマー》や《ポケモンキャチャー》を採用しない場合は《おうえんYホーン》と一緒に使えると単体で使用するよりも強力に使えると思います.
6. 最後に
これでMiltank Wall Stallの解説は以上になります.日本のチャンピオンズリーグのルールにはあまり適していないデッキタイプではありますが,過去にWall Stallがチャンピオンズリーグで結果を残していた実績もあるため試してみるのもいいかもしれません.またJCSのようなBO3形式では強いデッキタイプなのでぜひ一度遊んでみてください.
また今回はかなりシンプルめに組んだため,ここからブラッシュアップしてよりいい構築にしていただければ幸いです.
また次回の記事でお会いしましょう.では.