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【Standard】Miltank Wall Stall

0. はじめに

こんにちは、DalSegnoです。
以前、国内Standard環境に《ミルタンク》のカードが登場した時にMiltank Wall Stallというアイデアベースの記事を上げました。
その後、海外Standardにも《ミルタンク》が登場し、実際にPTCGO上で調整が可能になりました。

そこで今回は実際に調整した上でどういうリストになったか、また《ミルタンク》が登場した後に収録されたカードの影響を受けてどう強化を受けたか、を紹介していこうと思います。

詳しい解説は以前のMiltank Wall Stallの記事をご参照ください。

また以前の記事で、国内の25分ルールでは立ち位置が厳しいデッキであると書きましたが、もうすぐ開催されるPJCSではDay2において対戦形式がBO3に変わります。BO3におけるコントロール系統のデッキは比較的立ち位置がいいので25分ルールに比べて活躍の場があるかもしれません。

1. 以前のMiltank Wall Stallのアプローチ

以前の構築ではゲーム序盤の目指す目標として「自分の山札を0枚にする」がありました。そうすることで《ワタシラガV》+《ダブルターボエネルギー》+《チェレンの気配り》の無限回復ループが決まりやすくなるからです。
しかし、《ワタシラガV》が技を打つと山札に《ワタシラガV》と《ダブルターボエネルギー》の2枚が山札に戻る都合上、このループは2ターンに1回しか成立しませんでした。

また積極的に自分の山札の枚数を減らす方法として《博士の研究》を多用する、というアプローチを取っていました。しかし中盤〜終盤に必要なカードも一緒にトラッシュに送ってしまうケースがよくあり、それらのカードを回収するためにサポートカードを使う必要が出てきてしまいます。ゲーム終盤はサポート権を回復等の「負けない」ための行動に使いたいため、アンチシナジーを感じました。

また《博士の研究》から重要なカードを守るための《ヤレユータン》やドローを進めることのできる《かがやくゲッコウガ》も容易にサイドを渡してしまうリスク以上のリターンが感じられず、デッキの戦い方から見直す必要が出てきました。

2. 調整後のMiltank Wall Stallのアプローチ

山札を引く行動は《カビゴン》に任せ、サポートカードは相手の妨害やこちらのリソース管理のために使用します。序盤は《カビゴン》で手札を整え、《タフネスマント》のついた《ミルタンク》を準備します。《ミルタンク》は1回の攻撃で倒されることが少ないので「回復グッズ+妨害サポート」や「妨害グッズ+回復サポート」などの組み合わせで相手の要求値を上げ、相手のリソースを削っていきます。

《ワタシラガV》は毎ターンループさせる役割ではなく、トラッシュに《チェレンの気配り》、手札に《ワタシラガV》と《ダブルターボエネルギー》が揃えば使える《バトルサーチャー》のような感覚で使うと効果的でした。バトル場でダメージを受ける《ミルタンク》に《ダブルターボエネルギー》がついていると《ワタシラガV》 の特性から《チェレンの気配り》で《ミルタンク》を手札に回収した時に《ダブルターボエネルギー》も一緒に帰ってきてくれるため、少しこちらの要求値が下がります。

基本的には『受け』のデッキですが、相手の非ルールのアタッカー等を無理矢理倒しにいく選択肢もあります。基本的に手札の枚数はある程度抱えることのできるデッキタイプであること、《チェレンの気配り》のおかげで《タフネスマント》やエネルギーが手札に戻ってくることからリソース・ダメージレースの観点で有利になれる場面もよく存在します。また《チェレンの気配り》の前に《おうえんYホーン》も合わせることで相手の行動を一方的に制限しすることもできます。

「倒す」という行動は常に強いわけではありませんが、「倒す=相手のリソースを削る」に繋がるので必要な場面では勝負を仕掛けましょう。

3. デッキリストと採用カード

デッキリストは以下の通りです。

■ 採用カードについて

《ヒスイのヘビーボール》:このカードのおかげでどうしても《シャクヤ》が打てない展開でもサイドの《ワタシラガV》を回収することができます。ただし《シャクヤ》を使った後に使うとサイドがシャッフルされてしまうため、どうしても2回目の《シャクヤ》で回収したいカードがある場合は使用するタイミングを遅らせる必要があります。

《回収ネット》:《ミュウVMAX》に対して《イベルタル》を起動させやすくするための入れ替え手段かつ《ミルタンク》や《カビゴン》の回収手段にもなります。《チェレンの気配り》と違ってついているカードは戻ってこないので注意が必要ですが、実質全回復カードなのでとても便利です。110ダメージを出すことのできない非ルールのポケモンを相手にするときは(例えば《フーパ》や《インテレオン-クイックシューター》)、《タフネスマント》を1ターン待って《回収ネット》を使った先で《タフネスマント》を貼ると《タフネスマント》のリソースを1枚分温存することができます。

《トレッキングシューズ》:山札の圧縮力がそこまで高くないデッキであるため2枚採用。基本的には本当に使いたいタイミングまで温存した方が効果的に使えると思います。

《入れ替えカート》:《ミュウVMAX》に対して《イベルタル》を起動させやすくするための入れ替え手段でありながら、たねポケモンしかいないデッキでは《ポケモン入れ替え》の上位互換になります。このデッキでは貴重なグッズでの回復手段にもなり、30の回復が1回の行動回数を生むケースも少なくはないので強いカードです。

《おうえんYホーン》:相手のアタッカーがバトル場にいて、《ボスの指令》が打てないターンに打ちたいカードです。こちらは技を打つ機会が少ないため、一方的に効果を押しつけられます。また例えば相手の《インテレオン-裏工作》がバトル場でアクアバレットが打てる状態の時、こちらは《ミルタンク》に《チェレンの気配り》を打っているだけでは毎ターンループができないこのデッキではどこかでサイドを取り切られてしまいます。そのため、「サポート回復+グッズ妨害」をする必要があり、グッズ妨害の中でもっとも確実で有効なのが《おうえんYホーン》だと感じました。

《セイボリー》:バトル場で縛りたいポケモンをトラッシュされる可能性が高いので基本あまり打ちません。ただRegiBoxに対して仕組み上絶対に勝てない都合上、比較的メタカードとして効果的で《ワタシラガV》のおかげで連打可能なカードであるため1枚採用しました。これでもまだ余裕で不利です。

《カゲツ》:このデッキの弱点として終盤の《頂への雪道》+《マリィ》があり、手札に溜めてくる相手に対して強制的に《頂への雪道》をトラッシュできるカードとして優秀です。また相手の《風船》や特殊エネルギーにもアタックできるため使い所の多いカードです。似たカードである《アスナ》と比べても上手いプレイヤーに対して刺さるカードな印象があります。

《キルクス温泉》:純粋にこちらのポケモンの耐久力を上げられるカード。受け身なスタジアムではありますが、-20の確定数のズレ方は大きく一番デッキの仕組みと噛み合ったスタジアムでした。

《崩れたスタジアム》:相手の《頂への雪道》《トレーニングコート》を場に残したくないのでスタジアムの総量を増やすために採用。微力なRegiBox対策カードです。スタジアムを2種類各2枚採用にしているのは《ハマナのバックアップ》で回収可能なためです。

《ツインエネルギー》:《イベルタル》を起動しやすくするための傘増し《ダブルターボエネルギー》兼《ミルタンク》の-20ダメージされない攻撃用のエネルギー。0枚でも2枚でもなく1枚がとても丁度いいです。

4. 最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。新しいコントロール系統はなかなか初見で完璧に対応することが難しく、このデッキもそういう強さがあるのではないかな、と思います。
PJCSは国内唯一のBO3形式の公式大会であるため、毎回一定数いるコントロール派生が配信卓で見られるのか今から楽しみにしています。

それでは。

【おまけ】
■ 不利な相手
《RegiBox》:エネルギーの供給が容易であるため逃れられないポケモンを作るごとができません。また《回収ネット》が採用されているため中途半端な対策では対策になりきりません。

《アルセウスジュラルドン》:勝てません。《アルセウスVstar》を縛ろうにも《ダブルターボエネルギー》が4枚採用されているため、簡単に逃げるためのエネルギーを供給できてしまいます。《プルメリ》が帰ってこれば《基本闘エネルギー》を全部割り切って勝てるかもしれません。


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