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【海外Standard】 Mewtwo Lightning Box

0. はじめに

はじめまして,こんにちは.DalSegnoと申します.普段はPTCGOでPokemon Trading Card Gameを遊んでいます.

今回は前弾のDarkness Ablaze環境でずっと使用していたMewtwo Lightning Boxについての解説を自分用の備忘録として残そうと考え記事を執筆致しました.

長くなりますが同じリストを使用している人は見たことがないため興味がある方は是非読んで行ってください.またこの記事は自分の備忘録用として書いているため一部読みにくい点がある可能性や略称を用いているところがあります.ご了承下さい.

1. 環境考察

まずDarkness Ablaze環境がどのような環境だったかを振り返っていきます.

私はこの環境においてアルセウス&ディアルガ&パルキアGX(以下ADP)にザシアンVを組み合わせたADPZと呼ばれるデッキタイプを中心にメタゲームが出来ていると考えています.このデッキタイプはゲームの序盤でADPの持つ「オルタージェネシスGX+」を宣言した後,最速で2ターンで試合を決めることができます.

また各ターンに必要なカードの枚数もそこまで多くはないため再現性が高く,勝率が安定している点も非常に優れたデッキタイプだと言えます.またデッキの構成上,きぜつした時にサイドを3枚取られるポケモンがADPのみであることから場にADPを2枚以上置かない限りは相手にサイドを「3+2+n枚」という取らさせ方を強要させることができるためサイドレースで非常に有利を取るができます.

そのためこの環境でADPZ以外のデッキタイプを使う場合,ADPZの持つ「オルタージェネシスGX+」を宣言された後相手がサイドを6枚取り切る前にこちらがサイドを6枚取ることのできるゲームプランが用意されていることが重要です.

以上を踏まえて私の考えるデッキ分布は以下の通りです.

Tier1:ADPZ
Tier2:Eternatus,Centiskorch,LucmetalZ
Tier3:Pikarom,Mewtwo,blowns

Eternatus(ムゲンダイナ)はゲームの序盤から大きなダメージを出すことができ,ADPが序盤で「オルタージェネシスGX+」を宣言した返しのターンでADPをきぜつさせることが出来るデッキタイプです.デッキ相性はお互いの採用カードに依存するためEternatus側が一方的に有利とは言えませんがADPに対し明確な勝ちプランのあるデッキタイプであることは確かです.

Lucmetal(ルカリオ&メルメタルGX)は「フルメタルウォールGX」を用いて味方の鋼ポケモン全員の耐久力を高めることで多くの相手アタッカーの攻撃を一度耐えることができるようになります.高耐久高打点のザシアンVで相手の攻撃を耐えながらで相手ポケモンをきぜつさせていくことができるだけでなく,ザマゼンタVで相手のVMAXポケモンの攻撃をシャットアウトしながらザマゼンタVを突破してくる相手アタッカーをザシアンVと共に倒して詰まさせることもでき,様々な相手に対して柔軟に対応していけるデッキタイプだと思います.

Centiskorch(マルヤクデ)は優秀なサポートカード「溶接工」,溶接工と噛み合いのいい青天井技,鋼に弱点をつける炎タイプであることが強力なデッキタイプです.使用するサポートカードが決まっていたりCentiskorchVMAXが非常にシンプルなテキストであることからデッキ構築の柔軟性が高く,エネ破壊に強い点も非常に強力です.ただVMAX中心のデッキであるため,VMAXできれば突破されにくい高耐久高打点アタッカーになれますが,VMAXというシステムそのものが少し安定感に欠けるため毎ターンの要求値をきちんとクリアできるかが重要だと思います.

2. 構築のスタート

構築の出発点としてまず環境デッキの特徴を大きく3つに捉えました.

1. TAG TEAM軸 (ADPZ,Pikarom,Mewtwo)
2. Eternatus
3. VMAX軸(Eternatusを除く)

上記のように環境デッキを捉えたときに1. TAG TEAM軸 と 3. VMAX(Eternatusを除く)に対してガブリアス&ギラティナGX(以下Tinachomp)が強いのではないかと感じました.

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Tinachompは技カラミティエッジを使うことができ,相手のバトルポケモンにダメカンが乗っていると240ダメージ出すことができます.上技のちょくげきだんと合わせると40+240で280ダメージ出すことができTAG TEAMをきぜつさせることができます.ガラルジグザグマの特性かんしゃくヘッドもあるため比較的簡単にデメリットなしで240ダメージを連打することができます.

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また環境に存在するEternatus以外のVMAXは1匹にエネルギーを沢山集めて高打点を出してくることが多い傾向にあるように感じました.このような相手に対してTinachompのジージーエンドGXが強く,相手の強力に育ったVMAXを場から強制的に退場させることで,次のアタッカーを育てるまでのテンポロスやリソース不足を狙って押し切ることができるようになります.

VMAXに対して有効なジージーエンドGXですが,Eternatusに対してはあまり機能しないという欠点があります.TinachompがジージーエンドGXを打つためには3ターンかけてエネルギーをつける必要があり,この間にEternatusVのパワーアクセル込でアタッカーを2体育てることが出来てしまいます.HP340のアタッカーが2体完成してしまえば,1体をジージーエンドGXで強制退場させたところで次のアタッカーにTinachompが倒され,逆にこちらがアタッカーの準備が間に合わなくなってしまいます.

そのため環境の多くのデッキタイプに対して強力なTinachompの技を活かしながらEternatusに対して勝つためのプランを用意することにしました.

3. 構築のアプローチ

まずEternatusに対してジージーエンドGXは有効ではありません.そのためGX権を他のGX技に切れるという選択肢が生まれました.またカラミティエッジの240ダメージは誰が相手でも強力な技であり,相手のEternatusをカラミティエッジ圏内に入れながらカラミティエッジを打つためのエネルギーを溜めることができればゲーム序盤を有利に進めることができるのではないかと考えました.

この展開を作るためにミュウツー&ミュウGX(以下Mewtwo)の特性パーフェクションを用いてサンダースGXのGX技であるスピードランGXをコピーするというアプローチが有効なのではないかと考えました.

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Mewtwoが2ターン目にスピードランGXを打てば次の相手の番にMewtwoは無敵状態を作り出すことができ,カラミティエッジを打つためのエネルギーを保持したまま相手のEternatusをカラミティエッジ圏内まで削ることができます.

またMewtwoをアタッカーの軸にすることでカラミティエッジを打つために必要な超エネルギーをホラー超エネルギーでまかなうことができるようになります.これによりカラミティエッジを追加ダメージありで打つために必要な「相手のバトルポケモンにダメカンが乗っている」という状況を簡単に作り出すことが出来たり,大きなお守りでHPの増えたTAG TEAMを削ることができるようになります.

ここまでで構築の軸が完成しました.ここからはそれぞれのカードの採用理由について解説したいと思います.

4. デッキリストと各カードの採用理由

デッキリストは以下の画像をご参照ください.

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・ミュウツー&ミュウGX(3):このデッキのメインアタッカー.1エネ2エネ3エネのそれぞれで打てるようになる技の繋がりがとても綺麗です.PTCGO上の大会は対戦相手のデッキリストが分かっている場合が多いので無人発電所やミミッキュが採用されていると分かっている場合ではアタッカーにしていいか慎重に検討する必要があります.経験則的にこちらのスタジアムがサイド落ちしていて序盤の無人発電所を壊すことができないような状況でない限り1匹目のアタッカーはこのポケモンでいいと思います.ゲームで2枚使うことが多いのでサイド落ち考慮で3枚.

・ガブリアス&ギラティナGX(2):最強の技マシンであり,ミュウツー&ミュウGXが機能できない相手に対するアタッカー.ホラー超エネルギーの恩恵を受けられない上にサイドを3枚取られるポケモンのであまり積極的に場に出したくはありません.相手がLucmetalZの場合は積極的に育てます.序盤からトラッシュに送りたいのでサイド落ち考慮で2枚.

・デデンネGX(2):ボールからドローソースになれるカード.プレシャスボールからサーチ出来る点とトラッシュに送っておきたいカードが多いのでクロバットVよりも優先度は高いです.先行1ターン目にミュウツー&ミュウGXにエネルギーが貼れない時,絶対にボスの指令を手札に呼び込みたい時,1ターンで手札に呼び込まないといけない要求カードが多いとき,どうしようもなく手札が事故ったとき,終盤に場に出します.試合の中盤までに1枚は必要なことが多くスタートしてしまった,サイド落ちした,トラッシュに送ってしまった,終盤の詰めにもう1枚使いたいなどを考慮して2枚.

・ジラーチ(2):終盤相手のリセットスタンプからの復帰を助けてくれるカード.回収ネットとポケモン入れ替えをそれぞれ4枚採用しており,それらと相性がいいので採用しました.スタートしたら嬉しいけど絶対ではないので2枚.

・ガラルジグザグマ(1):特性かんしゃくヘッドが強力でカラミティエッジの追加ダメージに貢献してくれるカード.Mad Party相手にはサンダースGXのエレキバレットと合わせてサイドの複数枚取りの補助ができたりもします.また島巡りの証のついた相手のデデンネGXやオドリドリGXに対して最後の10ダメージをガラルジグザグマで乗せるとサイドを2枚取れるので覚えておくと便利です.意外と使わない試合も多いので1枚.

・ガラルネギガナイトV(1):Eternatusとの対戦でのラストアタッカー.環境中期以降数の多かったPikaromに対して使うこともあります.特性によって奇襲ができるので基本闘エネやオーロラエネを分散できていると比較的楽に始動できます.一応カプ・コケコ♢+手張り+黒帯が揃えば1ターンで起動させることも出来ますがかなり要求が高く流石に都合が良すぎるのでエネルギーを分散させておいた方が確実です.ただどうしようもない展開から強引に相手のEternatusをワンパンできるのは間違いなく強いのでデデンネGXと博士の研究に託して沢山山札を引きましょう.使わないゲームがほとんどなので1枚.

・バルキー(1):貴重な逃げ0要員.エスケープボードのない環境で回収ネットとポケモン入れ替え,ジラーチのねがいぼしと博士の研究,カプ・コケコ♢の噛み合いが非常に悪いと感じたので逃げ0かつカラミティエッジと相性のいい特性を持つバルキーを採用しました.具体例は以下の通り.

例)バトル場にジラーチ,手札に入れ替え札と博士の研究
パターン1 ・博士の研究でカプ・コケコ♢が引ければ特性を使ってアタッカーがバトル場へ
パターン2・博士の研究でカプ・コケコ♢が引けなければ非GX・Vを壁にしてターンエンド

上記のような選択肢があったときにバルキーがベンチにいれば博士の研究を使う前に手札の入れ替え札で一旦バルキーをバトル場に出すことができます.一方バルキーがベンチにいなければ博士の研究で手札の入れ替え札をトラッシュに送った上でカプ・コケコ♢と入れ替え札の2枚引いて来ないといけなくなり要求が1つ高くなってしまいます.

風船を採用しデデンネGXに貼ることで同じことはできますがデデンネGXは可能な限りベンチに出したくないこと,サーチする手段がないため2枚は採用したいが枠がない,ということでボールからも簡単にサーチできデッキの枠も圧迫しないバルキーを採用しました.あとは待ちのターンに特性を使えるのも強いですしガラルネギガナイトの起動にも便利です.2枚使うカードではないので1枚.

・カプ・コケコ♢:このデッキの貴重なエネルギー加速手段.基本的には終盤に使うことが多いですが序盤に受けたエネ破壊によるテンポロスを返さないといけないときにも使います.ジージエンドGX以外の全ての技の1エネ分を補うことができるので大事に使いましょう.プリズムスターのカードなので1枚.

・クワガノンV:雷エネになれるカードが多めに入っていることやカプ・コケコ♢と相性がいいサブアタッカーとして採用しました.グッズロックが強いことは言わずもがなですが雷弱点の水タイプアタッカーが環境に一定数存在していたこともありちょうでんじほうも非常に強力です.また雷雷無で190ダメージの技が打てる点も優秀で,闘エネになれるカードがもう残っていないときに打てる最大威力の技であるためどのゲームでも使う可能性があることは念頭に置いていた方がいいと思います.通常サイドレースで不利なMad Partyやblownsに対して有利になれたりADPZにテンポロスしたときに相手のザシアンVを縛ったり強引に勝ち筋を作り出すカードとして本当に優秀です.ただしサブアタッカーであることに変わりないので採用枚数は1枚.

・サンダースGX:デッキコンセプトの技マシン.カラミティエッジに繋ぐためのスピードランGXも優秀ですがエレキバレットもカラミティエッジと非常に相性がよく,Mad Party相手にも有効です.スピードランGXは非GX系統の相手とのサイドレースで1ターン分有利になれたりとかなり使い勝手のいいGX技です.またヘッドボルトも2エネで打てる技の中では充分な火力で使いやすいです.耐久の上がっていないザシアンをスピードランGX+ヘッドボルトで倒せることは覚えておくと便利です.ちなみにパーフェクションでコピーできて色+無エネで打てる技の最大打点は恐らくラフレシアGXのだいかいか(180ダメージ)だと思います.

・博士の研究(4):手札をトラッシュするためこのデッキととても相性のいいドロソ.ドローパワーが高い上に終盤にリセットスタンプに強い山札を作るためにも毎ターン使いたいカードなので文句なしの4枚採用.

・マリィ(3):相手の手札に干渉できる強力なサポート.個人的にはソード&シールドシリーズのデッキ構築の中心にあるカードだと思っています.VMAX系統のデッキに対してジージーエンドと合わせて打ちたいカードです.このデッキでは博士の研究を毎ターン打ちたいので控えめの3枚採用.ただし博士の研究がどうしても打てないときやリセットスタンプを使い切ってしまったけど相手の手札に干渉したいときに使いたいので他のサポートでは替えがきかない強力なカードです.

・ボスの指令(3):ベンチポケモンを呼び出すことのできるサポートカード.1体目のEternatusVMAXをスピードランGX+カラミティエッジできぜつさせる必要があり,スピードランGXを受けたEternatusVMAXを一度ベンチに逃がされる展開が多かったので追いかけられるように多めに採用しています.その他にもザシアンVをグッズロックするときや終盤の詰めなどゲームのいつ使っても強いカードです.ワタシラガVを採用していないため本当は4枚入れたいくらいですが枠の関係上3枚.

・ポケモン入れ替え(4):強いカードなので4枚.ジラーチやカプ・コケコ♢,ガラルネギガナイトなどを採用している関係上山札にあと何枚残っているかは常に気にしておきたいです.

・回収ネット(4):ジラーチとガラルジグザグマを強く使うために4枚採用.Mad Partyとのゲームでは極力ガラルジグザグマのために使いたいです.

・プレシャスボール(4):デデンネ・アタッカー・技マシンをサーチできる非常に強力なカード.サンダースGXをサーチする唯一の手段なので極力序盤はサンダースGXをトラッシュに送るために使いたいです.強いカードなので文句なしの4枚.

・クイックボール(4):プレシャスボールでサーチできないポケモンがサーチでき,サンダースGX以外の全てのポケモンがサーチできます.また技マシンとなるポケモンGXや雷エネをトラッシュに送ることもできるためトラッシュの効果もこのデッキでは重要です.6枚くらい入れたいですがルール上仕方ないので4枚.

・リセットスタンプ(2):ポケモンカードを面白くしてくれてるありがたいカード.終盤強引に勝ち筋を作れ,パラライズボルトやジージーエンドGX,スピードランGXとも相性がいいので2枚採用.

・黒帯(2):エネルギーのテンポを誤魔化してくれるカード.エネルギー加速手段がカプ・コケコ♢だけで間に合っているのはこのカードのおかげです.調子に乗ってサイドを先行しすぎるとエネルギーのテンポが追いつかなくなるのでサイドを2枚取れるタイミングでも1枚しか取りに行かないプレイングや,ベンチにサイドを3枚取られるポケモンを置かないようにし強制的にサイドを3-2-n枚で取らさせるように強要するプレイングが大事になることもあります.ゲーム中盤の山札が多いタイミングで引きにいかないといけないことがよくあるので2枚採用.

・大きなおまもり(1):オルタージェネシスGX+下でこちらのTAG TEAMが一撃で倒されないように相手の要求札を1枚増やすためのカード.誰に貼っても大体強いですが黒帯を貼る可能性のあるポケモンに貼ってしまうと困ったことになるので注意が必要です.基本的には大きなおまもりを貼りたいポケモンと黒帯を貼りたいポケモンが被っているので控えめの1枚採用.あくまでも「相手の要求を増やすカード」くらいの認識がいいと思います.

・混沌のうねり(1):1枚でスタジアムカード2枚を破壊できる性能を持つスタジアム.無人発電所やワンダーラビリンス♢,ブラックマーケット♢などのスタジアムを牽制したいので採用しています.本当は2枚採用したいですが枠の関係で1枚.もし新たに枠が生まれたらここを1枚増やしたいです.

・基本雷エネルギー(4):カプ・コケコ♢の特性の恩恵を受けられるため採用しています.カプ・コケコ♢はゲームの終盤に使うことが多くそれまでに2枚トラッシュに送れればいいので4枚のみの採用.

・オーロラエネルギー(4):ミュウツー&ミュウGXと相性のいい特殊エネルギー.とりあえず1枚付いていれば残り2枚が大体どのエネルギーでも打ちたい技が打て流ようになる安心感があります.ガラルネギガナイトが特性で付け替えられる貴重なエネルギーなのでガラルネギガナイトを使うゲームでは特にリソース管理に気をつけましょう.またこのデッキではトラッシュ効果も非常に便利なので最大枚数の4枚採用.

・ホラー超エネルギー(4):ミュウツー&ミュウGXにつけることでカラミティエッジの追加ダメージの補助になれるカード.2枚付いていればMad Partyのホルビーからダメージを受けたときにカウンターで倒すことができたりもしました.またジュナイパーに対してホラー超エネルギーが沢山ついたミュウツー&ミュウGXがミラクルツインGX+で回復しながら攻撃を耐えて勝てたゲームもあったので色々面白い使い方のできるカードです.当然ミュウツー&ミュウGX以外のポケモンにつけても超エネルギー1枚分として機能してくれますが,やはりミュウツー&ミュウGXにつけたいカードです.序盤から活躍してくれるカードなので最大枚数の4枚採用.

・基本闘エネルギー(1):元々基本雷エネの5枚目だった枠を変更.ガラルネギガナイトVを起動させるために必要なエネルギーがオーロラエネ4枚採用のみで黒帯2枚と合わせても手札に呼び込めないことが多かったので1枚だけですが採用しました.この1枚でガラルネギガナイトがきちんと技を打てるようになったので必要な採用だと感じています.

5.各マッチの立ち回り

□ vs ADPZ
基本的には有利なマッチと考えています.先行を取れた場合は先2でADPにダメージを入れておけると後2の「オルタージェネシスGX+」の返しのターンでADPを倒すことができますが大きなおまもりが付いている場合はスピードランGXでカラミティエッジ圏内に押し込む必要があります.

MewtwoはHP270であるためげんきのハチマキがついていないザシアンVの攻撃は1発耐えることができます.げんきのハチマキは採用してない構築も多いですが環境終盤では1枚だけ積んでいる構築も増えてきたためMewtwoに大きなおまもりが貼れていると相手の要求を増やすことができ一撃では倒されにくくなります.場にデデンネGXやポケモンVを2体以上出さなければADPZ側はMewtwoを無視できなくなるので意識して強い場を作りましょう.

スピードランGXを使わずにADPをきぜつさせることができた場合はGX権が余らさせることができます.その場合ザシアンVの攻撃を受けた後にミラクルツインGX+で全回復することでエネルギーのついたMewtwoがもう一度攻撃できる可能性が高くなるため有効なGX技の使い方だと思います.ただしミラクルツインGXは技のダメージが200でザシアンVを倒すには20ダメージ足りないのでホラー超エネルギーの効果でザシアンVのHPが既に削れているのが望ましいです.一応先に200ダメージ与えておいて後からかんしゃくヘッド2回で倒すこともできます.

後1オルタージェネシスGX+を決められてもスピードランGXで誤魔化すことができるのはこの構築のいいところだと思います.

[使うGX技] スピードランGX(JolteonGX),ミラクルツインGX+(Mewtwo)
 □ vs Eternatus
五分くらいの勝負です.基本的には1体目のEternatusVMAXをスピードランGX+カラミティエッジできぜつさせ,2体目のEternatusVMAXをガラルネギガナイトVできぜつさせるのが理想です.相手のEternatusVMAXがスピードランGXの返しのターンで裏のポケモンを倒してくれれば一番嬉しいです.その場合,Mewtwoはカラミティエッジを打つために必要なエネルギー1枚分を黒帯で誤魔化すことができます.浮いた分の手張りで裏のポケモンにオーロラエネか基本闘エネを貼ることができれば,Mewtwoが倒された返しでガラルネギガナイトVを急発進させるためのハードルを下げることができます.

一方でスピードランGXを受けたEternatusVをVMAXに進化させずに裏に下げ,1ターン何もせずに返してきた場合はゲームがかなり複雑になります.理想は裏に下がったEternatusVをボスの指令からヘッドボルトで倒し,Mewtwoを倒してきたEternatusVMAXをガラルネギガナイトVで倒し,最後新しいMewtwoでボスの指令から裏のポケモンを取って勝つ2-3-1のサイドプランを目指します.各ターンの要求値が少し高くなるためジラーチ+デデンネGXで無理矢理要求札を集めましょう.

ちなみにガラルネギガナイトVがChampion's Pathで収録されるまではリセットスタンプ+ライチュウ&アローラライチュウGXのタンデムショックでお祈りしていましたがなぜか一度も麻痺が通ったことがなかったのでガラルネギガナイトVが登場してくれて本当によかったです.

[使うGX技] スピードランGX(JolteonGX)
□ vs Centiskorch
少しお祈りが介入しますが比較的有利なマッチ.相手が後1ボルケニオンのフレアスターターから入ってくるという前提で考えています.

こちらは先3でのマリィ+ジージーエンドGXを狙います.そのために相手が行動できるターンは2ターンです.ジージーエンドGXを防ぐために相手が後2でMewtwoをきぜつさせるためにはCentiskorchVMAXに6エネ溜めた上でMewtwoをバトル場に呼び出す必要があり,CentiskorchVMAX自身もVMAXした状態でバトル場に出て行かないといけないとなると要求値はかなり高くなってしまいます.

またこちらは先2バトル場ジラーチで番を返すことで相手のボルケニオンがこちらのジラーチを倒したくなるように誘うことで安全にジージーエンドGXを決めに行くことができます.

溶接工中心の構築はデッキを回すために序盤で多くのリソースを割く傾向にあるため,ベンチスペースも狭く手札4枚の状態でメインアタッカーが消えてしまうと再起するのはかなり苦しくなります.相手が新しいアタッカーを準備している隙にサイドを取りながらゲームを有利に進められる盤面を作りましょう.

一見有利に見えますが特性じげんのかぎづめを持つギラティナが採用されていることが多いデッキタイプのため油断すると一気に特殊エネを壊され不利になる可能性もあるので相手のギラティナは常に意識しながらプレイしましょう.

[使うGX技] ジージーエンドGX(Tinachomp)
□ vs LucmetalZ
不利なマッチ.ただ勝てない訳ではありません.意識することは相手の「フルメタルウォールGX+」でこちらのアタッカーのエネルギーを全てトラッシュさせられることと無人発電所の存在です.

LucmetalZは展開スピードの早いデッキではないのでこちらもゆっくりとアタッカーを2体育てましょう.またジージーエンドGXは最後まで温存し相手がアタッカーを単騎にできないプレッシャーを常に掛け続けることも大事です.

LucmetalZに採用されるスタジアムは無人発電所と混沌のうねりのどちらが採用されているか分かりにくいためTinachompで戦いに行くのが安全だと思います.MewtwoだとLucmetalの超弱点も厳しいのでかなり動かしにくいです.

[使うGX技] ジージーエンドGX(Tinachomp)
□ vs Pikarom
有利に見えてそこまで有利ではないマッチです.パルスワンVを無視して3-3でサイドを取りきりたいところですが実際無視しづらく,2-3-3のサイドプランを押し付けられてしまいます.また序盤のスピードランGXの返しのターンもパルスワンVにはそうでんの選択肢があるため上手く誤魔化されてしまいます.

とはいえ相手のアタッカーのHPラインは比較的低く,こちらは相手ポケモンを一撃で倒すことができるのに対し相手はこちらのポケモンを一撃で倒すことが難しいため "普通にゲームが進めば" 勝てるマッチです."普通にゲームが進まなければ" エネルギーのテンポで追いつけなくなり押し切られてしまうこともあります.日頃の行いが物を言うマッチです.

もしたくさんエネを割られてしまっても黒帯やカプ・コケコ♢から返せることもあるので諦めずに勝ち筋を探しましょう.

[使うGX技] スピードランGX(JolteonGX)
□ vs Mewtwo
Mewtwo系統の派生構築全般を指します.Welder Mewtwo,Frosmoth Mewtwoは有利だと思っていますがRotom Mewtwoはかなり勝てない寄りだと思います.

有利なMewtwo系統に関しては相手のMewtwoに対してスピードランGX+エレキバレットで弱点をついて倒しながら裏のアタッカーをカラミティエッジ圏内に入れることができます.スピードランGXを相手のMewtwoに入れられなかった場合でも次の自分のターンはMewtwoが生きて帰ってくるはずなのでボスの指令から相手のMewtwoを取れればサイドを先行して行くことができます.

基本Mewtwo同士のマッチは互いに弱点を付き合うためポケモン入れ替え+ボスの指令が揃っていないとMewtwoがバトル場に出にくいですが,スピードランGXのおかげで雑にMewtwoがバトル場に出やすく,次のターンもボスの指令1枚で相手のアタッカーを倒せるためあまり不利な展開になることはないんじゃないかな,と思います.

[使うGX技] スピードランGX(JolteonGX)

□ vs blowns
マリィで相手に手札に干渉しながら炎エネをトラッシュに送らさせ,最後クワガノンVで詰めて行くのが綺麗な勝ち筋だと思います.Reshizardを育てられるとクワガノンVで詰めていけなくなるのでクワガノンVは隠しながら盤面を作っていきたいです.

相変わらずスピードランGXが強く,blownsに110ダメージ与えた次のターンにガラルジグザグマでblownsを倒しながらもう1匹のblownsを倒したり,ベンチのGXやVをボスの指令から倒して1ターンにサイド3枚取りできたりと相手の盤面を一気に崩しにいくことに貢献してくれます.

[使うGX技] スピードランGX(JolteonGX)
□ vs Decigoon
突破できるまともなアタッカーがいないため不利です.ただメイから起動する構築が多いためあえてすぐには倒さずエレキバレットでダメカンをばらまきながら進化元を複数体倒したり,クワガノンVでグッズロックしながら1進化ポケモンを倒すことで勝ち筋を作り出すことはできます.

もしジュナイパーやタチフサグマのロックが完成してしまったとしてもジージーエンドの効果は通るのでGX技は最後まで残しながら相手が単騎でできない状況を常に作り続けましょう.

もしビッグパラソルまでついてジージーエンドGXも通らなくなってしまってもホラー超エネルギーの効果は通るのでホラー超エネルギーをMewtwoに集めてミラクルツインGX+で回復しながら攻撃を耐えましょう.ネタっぽく聞こえるかもしれませんが実際にこれで勝てたことがあるので最後まで勝ち筋が残ってることは大事だなぁと思います.

[使うGX技] ジージーエンドGX(Tinachomp),ミラクルツインGX+(Mewtwo)

6.不採用カード


・ライチュウ&アローラライチュウGX:ガラルネギガナイトVの登場により抜けたカード.ミュウツー&ミュウGXが雷雷無で技が打てるようになったり,詰みに近い盤面でも麻痺+リセットスタンプなどから強引に勝ち筋を作れるようになったり,雷弱点の相手に対してクワガノンVよりも耐久のあるアタッカーとして優秀だったりします.枠の関係やミュウツー&ミュウGX以外のTAG TEAMでスタートするのが弱いので不採用.お祈りリセットタンデムショックは通らない(戒め).

・ラフレシアGX:だいかいかの180ダメージがコスパ最強で魅力的.オーロラエネの入るミュウツー&ミュウGX軸のデッキでは大体入っているカードです.ただこの構築ではミュウツー&ミュウGXに常にオーロラエネがついているとは限らず,多めに入っている雷エネ+無色エネで技が打てるサンダースGXと共存させる価値が見当たらなかったので不採用.

・ワタシラガV:トラッシュから任意のサポートカードを回収できる強い特性を持ったカード.毎ターン博士の研究を使いたいためボスの指令をトラッシュに送ってしまうことが多いため本当はとても採用したかったがADPZに対して負け筋になるポケモンの枚数を極力減らしたかったので泣く泣く不採用.特性マインドリポートのミュウツーやヤレユータンも回収ネットと相性も良く強力ですが枠がないことやスタートして強いカードではないこと,ベンチスペースを圧迫しすぎることから不採用になりました.

・タッグコール・グズマ&ハラ:TAG TEAMポケモンが5枚採用されているため比較的強く使うことができるカードではありますが,デデンネGXがサーチ出来ない分クイックボールとプレシャスボールの枠を削るほどの価値はないと思いました.9枚目のポケモンサーチグッズとして採用することも出来ますがクイックボールとプレシャスボールの8枚で現状問題ないので不採用.グズマ&ハラは特殊エネや黒帯を確定でサーチできるのは魅力的ですがタッグコールを採用していない以上グズマ&ハラをサーチする手段がないことやグズマ&ハラでサーチしたエネや黒帯を貼りたいポケモンをデデンネGXで引きに行かないといけない時に噛み合いが悪く,それなら博士の研究+デデンネGXで充分だと感じたため不採用.

・ツールスクラッパー:あると便利ですがなくてもそれなりに戦えるため不採用.基本的にツールスクラッパーで割りたい道具が大きなおまもりであることが多いのでホラー超エネルギーがカバーしてくれています.

・風船:バルキーの採用理由欄を参照.サーチする手段がないことと複数枚採用する枠がないため不採用.

・隠密フード:相手のミミッキュやギラティナ,ガラルジグザグマなどの特性を防ぐことのできる強カード.あると便利ですがある程度立ち回りでカバーできたり隠密フードを貼りたいポケモンが黒帯や大きなおまもりを優先して貼りたいことの方が多いため不採用.

・混沌のうねり(2枚目):本当は採用したいが枠の関係で不採用に.効果的に使えれば1枚あれば十分なカードですがサイド落ちや欲しいタイミングに引き込める確率をあげるために採用できるなら2枚目が欲しいです.

・クラッシュハンマー:使われると強いですが使うと弱いカードなので不採用.そもそも効果的に使えるデッキに採用すれば強いカードですが,どのデッキにも入れ得なカードというわけではないと思っています.特に相手のクラッシュハンマーで失うエネルギーテンポを取り返すためのクラッシュハンマーは強くない.クラッシュハンマー対策でクラッシュハンマーを採用するくらいなら他のアプローチを探した方が勝率は上がるような気はします.ただHammer Pikaromは強すぎる.考えた人やばいですね.アプローチの転換が豊富かつ柔軟で素直に凄いです.

少し話は脱線しますが以前「クラッシュハンマー4枚採用するならその枠にチルットとチルタリスを採用するのも検討してもいいのではないか」と提案している海外プレイヤーがいたように記憶しています.このような柔軟な発想ができるプレイヤーは純粋にすごいなぁと感心します.

7. 最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました.最終的な構築が出来たのが時期が遅く完成してから一度しか大会に出られなかったこと,自分のプレイングミスで1試合落としてしまったこと,大会の開催時間が深夜だったため2敗した時点でドロップしてしまったことから結果を残してあげることが出来ませんでしたが構築の完成度には満足出来ました.

環境終盤にはWelder Mewtwoにカプ・コケコ♢とサンダースGXの入った構築が上位に入っていたり,環境最終週辺りにはオーロラエネ+基本雷エネのMewtwoが結果を残していたりとアプローチや考え方は間違っていなかったのかな,と思います.ただ結果を残せなかったことに変わりはないのでデッキ構築・プレイング共にレベルアップできるよう精進したいと思っています.


記事は以上になりますが必要な場合は適宜加筆致します.ではお疲れ様でした.よきPTCGOライフを.

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