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【Vol.9】Behanceレビュー会×よい店を作れ! 前編

こんにちは
DRAW A LOT Collegeです!

STAGE2に突入した我らDRAW A LOT College。
今回お届けするのはBehanceレビュー会レポ!
当日の様子はYouTubeに上がっているので、以下よりをご覧ください。
(クリックでYouTubeに飛びます)

(STAGE1の様子はこちら )

前回のInput#2『自分の武器を知ること・知らせること・使うこと』
自らの「武器を活かし」て、「仕事を掴む」ために必要なことを講師の方々から学んだカレッジ生たち。

今回はその学びを活かして、より魅力的なポートフォリオサイトとなるように自身のBehanceを練り直してもらいました。
そして、そのできあがったBehanceを講師の方々にレビューしていただきます。


今回、カレッジ生のBehanceをレビューをしてくださる講師のお二方はこちら!

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カミガキヒロフミ(http://ic4design.com/)
2006年 広島で有限会社IC4DESIGN設立。『The New York Times Magazine』のカバーイラストをきっかけに、日本だけでなく海外でも活動を開始。人気絵本『迷路探偵ピエール』シリーズは現在30ヶ国以上で出版されている。国連UN Women公式ポスターでカンヌライオンズ2017銅賞獲得など受賞歴多数。

今回のレビュー会への意気込み
Behanceのポートフォリオは、お店屋さんのショーウィンドウみたいなもの。
画力と言うネタがあったら、それをお店に並べる。
その並べ方が上手かどうか。
お客さんに手に取ってもらいやすくしているかどうか。
そういう点を見ていきたいと思う。


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福田愛子(http://www.aikofukuda.com/)
ブリッジウォーター州立大学芸術学部グラフィックデザイン学科卒業。2014年よりイラストレーターとしての活動を本格化。懐かしさやタイムレスな美への価値観を根底に据えながら、イラストとARなどのテクノロジーを融合させることで、既成概念にとらわれない表現を追求している。主な仕事に、「VOGUE HOLIDAY」キービジュアル、資生堂マジョリカマジョルカ「MAJOLIPIA」など。現在は東京を拠点に国内外で活動し、2019年には日本人で初めての「Adobe Creative Residency プログラム」に選出された。

今回のレビュー会への意気込み
「既に持っているよい素材を、どう見せるか」がやっぱり重要。
そして、Behanceは海外にも影響力が大きいので、海外クライアントも取っていけるようなポートフォリオレビューをしていきたい。


なんとも贅沢で貴重な機会……
以下から、当日のレポートです!

♢♢♢

No.1 こゆき

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普段はアルバイトをしながら、YouTubeの動画漫画やバーチャルYouTuberのキャラクターモデリングなどの依頼を受けているイラストレーターです。
目指しているジャンルはソーシャルゲームのキャラクターデザインやトレーディングカードゲームなどのカードデザインなど。
ゲーム分野のイラストレーターを志望しています。

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こゆきさんのBehanceはこちら

カミガキさん

絵は上手。あとはやっぱりお店の見せ方。
商品(=作品)を店頭に置こうとしたときに、商品説明が少ない。これはもったいない。
同じリンゴでも、ただ置かれているリンゴと、商品説明のあるリンゴとでは、どちらがよいかという話。
一番よいのは色々なリンゴを見せられることだけれど、今はまだ数がない。
とすれば、今あるリンゴをよく見せるために工夫するべき。そこがまだ足りない。
福田さん

カミガキさんと同じ意見。
加えて、ゲーム会社で働いていた側の視点から言うと、キャラクターを描くときに考えていた設定も書くべき
キャラクターの名前や出身地、職業など、無意識に考えていた設定やストーリーがあるはず。
そういったコンセプトを書いてからキャラクターを見せたほうが伝わりやすいと思う。
ゲーム系だとカードの背景イラストなども必要とされる。キャラクターの後ろに背景をデザインしてみるとよい。
Adobe Stock(アドビ ストック)ではカードのテンプレートが売られている。
それを利用し、「自分のイラストを起用してくれたらこういうカードになりますよ」というところまで見せられると「すごい!」と思ってもらえる。
カミガキさん

あと、サムネイルのタッチがすこしばらけている。
作品数が増えてくれば気にならなくなるが、少ないうちは「作家のキャラクター性」を弱めさせることになってしまう。
今の段階では「自分はどういうイラストレーターなのか」をもうすこし強く見せたほうがよい。
方法としては、単純にサムネイルの見せ方を合わせる。
作品数が増えてきたら、バリエーションをつけていくのがよい。


Behanceは世界中の人に作品を見てもらえる場。
自分の世界観を存分にアピールするのがよいようですね。

日本のキャラクターは海外で非常に人気が高いので、プロフィールや作品説明なども日本語のみならず英語でも載せたほうがよいらしいです!



No.2 鬼怒傘

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広い分野に興味を持っているクリエイターです。
バーチャルYouTuberのデザイン、モデリング、映像編集、CDジャケットのデザインなど、自身が手がける作品に付随するものも自分で作ることに楽しみを見出しています。

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鬼怒傘さんのBehanceはこちら

カミガキさん

色がビビットでよい。特徴があるので他者と競ったときに目を引く
サムネイルに顔が多いのも、目を引くのでよいポイント。
ただ、プロジェクトを開いてみると、動画とイラストだけで構成されている。
これだと突き放されている感じがして、正直寂しい。
まだ「屋台で売っている」感じ。もうすこし(商品数を揃えて)お店を整えていきたい。
福田さん

動画を載せているのはとてもよい。だが、動画は環境によっては見られないときもある。
動画が見られない人のために、動画の中にあるラフ画を何枚か切り取って静止画でも見せる工夫が必要。
これは、一プロジェクトを豪華に見せることにも繋がる。
そして、No.1のこゆきさんへのフィードバックと同じく、キャラクターの設定は書いたほうがよい。
それによって、単に「キャラクターが描ける人」ではなく「コンセプトからキャラクターを生み出せる人」と認識されると思う。
Behanceの使い方について言うと、最初の三つのアートワークが自分のアイコン横に表示される仕様なので、そこも気にしたほうがよい。
この場合、二つ目のグレー背景が浮いてしまっているし、制作途中に見えてもったいない。
プロフィールも加筆して、「自分はどういう人なのか」がもっと伝わるとよい。


制作過程がすべて見られる動画は、非常に高評価でした。
Behanceの使い方について言うと、ヘッダーやプロフィールを充実させることでももっと自己アピールができそうです!



No.3 湊谷鈴

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ゆるキャラをメインに描いているイラストレーターです。
クラウドファンディングでオリジナルグッズの作成経験あり。
ゆるキャラでブランドを立てたり、グッズ展開をしていくことを志望しています。

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湊谷鈴さんのBehanceはこちら

カミガキさん

「(自分が)見せたいものを見せる」ページになっている。自分が見る側だったときに、「見たい」と思うページにしなくては。
絵は上手いし、色々なことができるのもわかるが、できることを全部見せようとすると味が薄まってしまう
自分のしたいことをもうすこし考えよう。
素材がたくさんあるものはもっと見せるべき。これだけコンテンツがあれば(プロジェクトの充実感を)3~5倍に膨らませることができるはず。
グラフィックデザインの要素(=画面を構成する力)をポートフォリオ作りにあまり使っていない印象。
ひとつものをよりよく見せるために、もうすこし工夫したらもっとよくなる。
太くなりすぎたら、そこから削ればよい。まだボリューム不足。もったいない。
福田さん

個人的には、ゆるキャラが確立されているから、それ以外は非表示にしてもよいのではと思う。
それくらい振り切ってよいのでは。
Behanceの使い方について言うと、最初のプロジェクトはグッズよりもイラストのほうがよい。
自分の軸はイラストレーターであり、それが製品になっていっているという見せ方ができる。
グッズ写真の撮り方も、「実際に売られている」ように工夫するだけで一段とよく見えると思う。
写真サイズを統一したり、白抜きしたり、見栄えを工夫しよう。


ゆるキャラというしっかりした世界観はやはり圧倒的強み!
あとは、それをいかに魅力的に見せるかという部分が課題となりました。



No.4 Mutsuya

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今までは二次創作メインでオリジナル作品はあまり描いてこなかったそう。
目指しているジャンルは、ソーシャルゲームのキャラクターデザインライトノベルの挿絵など。
今後はオリジナル作品で「シーン性のあるイラスト」を描いていき、自己アピールしていきたいそうです。

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MutsuyaさんのBehanceはこちら

カミガキさん

まだ足腰がしっかりしていない。足腰にあたる「画力」と「表現力」のうち、「画力」がまだ足りていない。
だが、ビギナーなのだからこれは当たり前。たくさん描いて、走り込めばよい。
ただ、Behanceに三つくらいはプロジェクトがほしい。
あとは、自分自身のストーリーを見せていくのもひとつの手。
会社員というのを利用して、今は下手でも「これだけ成長しました」というのを見せていけば感情移入してもらえるのでは。
福田さん

とてもビジョンが明確。ただ、時間が足りなくて作品が描けていないだけのなのだと思う。
これから時間を作っていって、とにかく作品数を増やすことが必要。
違う仕事を掛け持ちしながらイラストレーターを目指す人は多い。
今の状態は全然恥ずかしいことではなく、むしろとても勇気のあること
自分のパーソナルな部分をSNSなどで出していくことで、同じく「働きながら夢を追いかけている人」から共感してもらったり、応援してもらったりできるのでは。
Behanceの使い方について言うと、現在ひとつのプロジェクトにまとめてある作品たちは、作品の場面ごとにプロジェクトをわけたほうがよい。
作品のコンセプトやラフスケッチ、制作過程動画を添えることで丁寧に見せることができるし、四作品あるように見せることもできる。
ボリュームがあるように見せる工夫がもっとできたらよいと思う。


自身のストーリーをアピールに利用するのは非常にユニーク!
まだまだ伸びしろだらけ、期待だらけ! のBehanceでした。

♢♢♢


まだまだレビュー会は続きますが、レポート前編はここまで。
つづきはレポート後編でお届けします。
お楽しみに!

By. DRAW A LOT College

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