EP2 理数科

僕が入ったのは理数科という、学科だった。理科系科目に特化した?(自分で所属しておきながら、そのカリキュラムはよくわからないorz)学科だった。

この理数科というのは、一学年に一クラスしかない。つまり、固定メンバーで3年間一緒なのだ。

話では、「理数科の団結間はすごい。」、「理数科は独特の連帯感みたいなものがある。」なんて言われていた。

そして、「3年間一緒なので、一回クラスの中で浮くときつい。」そんな脅しもかけられていた。この脅しは入学当初の僕にとって一番身の引き締まる一言だった。なぜならば、僕と同じ中学から入学した理数科の者は一人もいない。顔見知りもいない。つまり、同じ中学繋がりで可能となる友人関係のフライングゲットをできない状態にあった。これは友人関係やクラスメイトに受け入れられる自分のキャラクターをこのクラスにおいて自ら築きあげておかなければ、3年間「浮く」という状態になるということを意味するのだ。

だから、僕はまず一刻も早く友人関係を築きあげることにした。入学式後、最初のオリエンテーション。全員の自己紹介では、自分の3年間を左右する狩猟の獲物になりそうな人を探すことに集中していた。

僕は、見つけた。山奥の中学校から来て、身寄りの明らかになさそうな目のくりくりとした少年Nを。よし。あれが獲物だ!

学生でお金がなく、本を買うお金、面白い人と会うためのお金が必要です。ぜひ、サポートよろしくお願いします。