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春雨の様な父親になりたいという詩を書いて下さい。

春雨のような父でありたい

朝の食卓で そっと味噌汁に溶け込み
夜の食卓では 炒め物に姿を変える
どんな場面でも どんな形でも
家族のそばにいる 春雨のような父でありたい

子どもが熱を出した日には
やわらかなスープとなり 喉を滑り
元気に遊ぶ日には
プリプリとした食感で 楽しさを添える

濃い味の日も あっさりした日も
どんな気分にもそっと馴染み
「今日はこんな味か」と 笑って受け入れる
そんな父でありたい

強く噛み締めなくても するりと喉を通る
けれど しっかりとお腹を満たす
派手さはないが なければ寂しい
そんな存在でいたい

熱湯をくぐれば柔らかくなり
冷水で締めればキリリと引き締まる
どんな状況でも 形を変えて
家族にちょうどいい姿になる

時には鍋の底で絡まり
なかなかうまくほぐれない日もある
それでも 箸で優しくほぐせば
するすると元に戻る

そんなふうに
たとえ絡まる日があっても
心をほぐせばまた笑顔になれる
春雨のような父でありたい


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