この曲をたった二ヶ月しか聞いてない俺が思うに、例えばあの子は透明少女
赤いキセツが到来しましたね、皆さんいかがお過ごしですか。
僕はコロナに感染した後35℃の下宿で熱中症になっていました。最悪の夏の出だしです。
2024上半期は、メインで追っているamazarashiが一向に新曲をリリースしないこともあってか様々な曲をディグし出会うことが出来ました。
その中でも5月に出会って以来、毎日狂ったようにリピートしている曲があります。
タイトルにも書いた通り、NUMBER GIRLの「透明少女」です。
この曲を聞いた時、探し求めていた曲にようやく巡り会えたような気がしました。
夏の曲って、例えば久石譲の「summer」とか、アニメAirのオープニングに使われる「鳥の唄」、ジッタリンジンの「夏祭り」とかの牧歌的ノスタルジックであったり、或いはMrs.GREEN APPLEの「青と夏」やゆずの「夏色」のようなThe青春夏休みソングであったりすると思うんです。
こういった曲を聞くたびに、僕の心には空や海の眩い青、雲や波に反射した光の白、草木の緑。そういった息を呑むようなカラフルな景色が広がって、夏という概念、そのイデアの虜へとなっていくのです。
しかし、夏に訪れるモラトリアムをいくつも経た末に、僕らが実際に体験する夏は歌で歌われるほど綺麗な物ではないと気付きます。
夏になったからといって自分を取り巻く日常が特別になるかといえばそうでもなく、そこにあるのは平均気温が上がっただけの、これまでの人生に地続きの日常と地続きの自分、地続きの生活を営む町と変わり映えしないものです。
とはいえ、その景色の全てが冗長で食傷的なものかといえばそうでもない。平均気温が上がっただけの風景の中にも、僕らの心を動かす何かが隠れているはずなのだ。
「透明少女」は、そういったリアル、日常の中で感じる夏を表現しているのではないかと、そう考えます。
「透明少女」が描くのは、今日もアツレキまくってる、狂った街角の中で見た夏の景色。
それは例えば「赫い髪の少女」であったり、「路上に震えた風」であったり、或いは「狂った街角」そのものであったり、それらを全て内包した己の心象風景が「何となく夏」へと昇華され、街の中へと溶け込んでいく……
バックでかき鳴らされる焦燥のようなギターが、より街の灰色で急かしてくるような様相を見せてきます。
町の中で生活を営む僕らにとって最早ファンタジーに近しい海でもなく山でもなく、生活の舞台である町での夏を、リアルに、それでいて生活に近づきすぎない距離感で歌うこと。
それをしている曲に中々出会うことが出来ないでいた中で出会えた透明少女は正に革命です。
まだ2ヶ月しか聞いてないので上手く言語化出来ないのが悔しいです。いつかビンビンに感じているこの魅力を言語化出来るように、よりもっと聞いていきたいです。