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2024/08/25 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] 国内12都市、国際会議の開催数「上げ底」
世界基準なら8分の1 
内向き尺度、観光立国に影

観光立国のために重要な国際会議の実績評価が問題となっている。主要12都市の国際会議開催数が世界基準では減少しており、自治体が国内基準の甘い数字を使用していることが指摘されている。このため、内輪の尺度が通用し、競争力が低下している可能性がある。国際会議はビジネス客の消費額が高く、各国・都市は経済効果を期待して誘致に力を入れている。政府が支援する12都市の誘致実績を点検した結果、日本と世界基準の開催数に違いがあることが判明。特にコロナ禍においてその差が顕著で、東京や京都などの都市で大きな差が生じている。政府は今後、世界基準の会議支援を強化し、24年度からは誘致実績が補助金の条件になる。日本の都市は世界で7位であり、政府の目標である5位には達していない。米セントラルフロリダ大学の専門家は、国際的な立ち位置を示す数字の重要性を指摘し、改善策の議論が必要だと述べている。

ECB、来月利下げ瀬踏み
専務理事、過度な引き締めリスク言及 
インフレ鈍化見越す

欧州中央銀行(ECB)は9月の追加利下げを保留し、過度な金融引き締めのリスクに警告。ECB内ではインフレ鈍化を見据え、利下げ支持が広がる。主要中銀の首脳らが集まる会議で、物価目標達成が不確実との見方を示し、利下げのバランスを考慮。ECBは9月12日の理事会で次期政策を検討。夏季休暇明けに情報発信再開し、ポルトガルやクロアチア中銀の総裁が追加利下げ容易との見解を示す。欧州経済は不安定で、ユーロ圏のGDPはプラス成長を維持しつつも、ドイツはマイナス成長に転落。ECBが重視する賃金上昇率が鈍化し、インフレリスクが高まる可能性。INGのエコノミストは9月利下げの障壁がなくなったと指摘。ECBは9月会合で景気・物価見通しを改定し、中期的なインフレ鈍化が続く場合は追加利下げを検討している。

南に向かう投資マネー 脱インフレの勝ち組探す

ジャクソンホール会議を通過し、市場では米利下げの期待が高まり、インフレから解放された東南アジアが投資家の注目を集める。東南アジア株は高値を更新し、マレーシアやインドネシアなどの経済成長が投資家を魅了している。米国の利下げ観測により、為替相場が変動し、東南アジア通貨は上昇している。東南アジア諸国連合の株価指数は8月に6%上昇し、海外投資家にとって魅力的なリターンとなっている。特にマレーシアは成長率が市場予想を上回り、投資家の支持を受けている。東南アジアでは中国との対立によるサプライチェーン再構築の恩恵を受け、投資が盛んになっている。各国では電気自動車や半導体などへの投資が進み、外国直接投資も増加している。インフレの収束と通貨安の改善により、マネーの流れが東南アジアに戻りつつあり、ASEAN市場の可能性に期待が寄せられている。

新NISA元年に試練 真夏の「流動性ショック」

東京株式市場は8月に大きな動きがあり、日経平均株価は過去最大の下げ幅を記録した。新しいNISA制度の導入により、個人投資家は逆張りに苦しむ状況となった。市場の流動性や投資家の薄さが再び問題視された。個人投資家によるロスカット売りが増え、個人信用の売越額も過去最大となった。海外勢による株価指数先物売りも影響し、個人投資家は投げ売りに追い込まれた。日経平均株価は大きく下落し、値幅の変動率も異常な水準となった。日本市場の特徴として、市場流動性が低く値動きが荒れやすい傾向がある。投機に対する日本と海外の考え方の違いや、市場の弱点が露呈した。投資家層の薄さや株価の大きな変動が今後も続く可能性があり、証券会社には指導的役割が求められている。個人投資家の需要に対応するため、対面証券の重要性が高まっている。東洋証券を巡るアクティビストの動きや再編観測も市場で話題となっている。個人の資産運用が重要視される中、市場整備と競争が進む中で、岸田文雄首相が再選を断念したことで、個人マネーの再生に向けた取り組みが進むことが期待される。

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