2024/06/27 日経新聞 朝刊 個人的厳選3トピックス
[1面] データ管理 国の監督縮小
認定企業が対象 漏洩時の報告、原則30日以内に延ばす
個人情報保護のルールが変更され、政府は漏洩時の報告義務を変更。2025年に個人情報保護法改正の方針を公表予定。EUのGDPRでは72時間以内の漏洩報告が求められており、日本も即時報告を重要視。法改正により、情報漏洩時の報告手続きが緩和される見込み。漏洩報告が増加し、中小企業には管理体制整備が必要。課徴金や団体訴訟権の導入については見送りとなり、法改正に向けた議論が進められる。
物言う株主、中堅証券に圧力 東洋証券の「社長続投」に疑義
議案撤回、総会1時間前 経営陣刷新に同調相次ぐ
中堅証券会社の東洋証券がアクティビストによる経営陣刷新要求に直面し、桑原理哲前社長の取締役選任議案を撤回する異例の展開となった。桑原氏は総会後に退任し、新社長に小川憲洋執行役員が就任。アクティビストの要求に応じた取締役選任が行われ、株主提案による経営改革が進展。東洋証券の業績低迷や株主価値向上の要望が背景にあり、アクティビストの存在が経営に影響を与えた。他の中堅証券も市場環境の変化に対応し、配当政策や株主還元を強化する一方で、内部留保のみでは企業価値向上に限界があることが課題となっている。証券業界全体がアクティビストの要求への適切な対応を模索している。
企業の手元資金114兆円 3月末、9%増え最高
円安が押し上げ、トヨタ1.8兆円増
上場企業の手元資金が2024年3月末に114兆円となり、前年比9%増加した。業績好調と円安が要因で、成長投資や株主還元などへの資金配分が課題となっている。日本経済新聞による調査では、自動車や電機、電力、サービス業などで手元資金が増加し、トヨタ自動車や東京電力ホールディングス、ENEOSホールディングスが顕著な増加を示した。一方、商社や医薬品業界では手元資金が減少しており、資金の活用が課題となっている。自己資本比率が過去最高の42.4%に上昇しており、資金の効率的な活用が求められている。