2024/08/04(日) 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス
[1面] 米「民主主義」巡り応酬
大統領選挙、ハリス氏対トランプ氏確定
11月の米大統領選は、民主党のカマラ・ハリス副大統領と共和党のドナルド・トランプ前大統領が対決する構図が確定した。ハリス氏は民主党の指名獲得に成功し、大統領候補としての役割を光栄に思っており、トランプ氏との選挙戦では自由と法の支配を重視する姿勢を示している。ハリス氏は異なる国家観を持つ59歳の副大統領で、黒人、アジア系、女性として初めての副大統領となり、米国初の女性大統領を目指す。トランプ氏はハリス氏を批判し、彼女をリベラルで急進的な政治家と非難しており、外交政策やイスラエル支援などでの立場の違いも露骨である。両候補は激戦州で支持基盤を固め、無党派層へのアピールを図っており、経済政策も争点となっている。ハリス氏は8月に指名受諾演説を行い、トランプ氏との討論会も予定されている。副大統領候補の選定も進行中であり、候補者は6人に絞られている。
米景気不安が急拡大 7月失業者、2割増
大幅利下げ論が台頭
米景気に対する不安が高まり、7月の雇用統計では失業者が1年前の1.2倍に急増。景気後退の兆候が現れ、株価は急落。FRBの大幅利下げを予想し、失業率は4.1%から4.3%に上昇し、増加率は21%に達した。過去の経済ショック時以外での失業者増は異例。 エコノミストらはFRBの金融政策予測を変更し、利下げを予想。失業率の上昇による景気後退の可能性が議論され、特殊な要因として新たな働き手の増加が挙げられている。経済成長率は2.8%であるが、インフレ率の鈍化や雇用の弱さが今後の焦点となる。経済全体に広がるかどうかが懸念されている。
米「質への逃避」加速
NY株連日の急落、債券に買い
景気下振れ警戒強く
米景気が下振れ懸念で、株式などのリスク資産を売って安全資産への「質への逃避」が進行中。ダウ平均は900ドル超下落し、S&P500種株価指数の7割以上の銘柄が下落。景気敏感株や大手IT銘柄も売られた。人工知能関連の投資成果が見づらくなり、売り圧力が強まっている。ナスダック総合株価指数は10%下落し、調整相場入り。VIX指数が約9カ月ぶりに20を超える。株式から資金が債券に移り、国債利回りが低下。米経済のソフトランディングが疑問視される中、景気後退のリスクが市場で再び注目されている。円やスイスフランが上昇し、日経平均株価も5.8%下落。日本企業は円高を警戒し、円安水準での業績予想を出す傾向。海外短期筋による日本株の売りが主体だが、円高が進めば投資家は減益リスクに注意を向ける可能性がある。
金最高値、通貨不安を映す
国際価格初の2500ドル台
個人投資、世界で拡大
金(ゴールド)国際価格が急上昇しており、米国の金先物価格が2500ドルを超えるなど、中央銀行や個人投資家による需要が高まっている。中国では金豆と呼ばれる小口投資がブームで、金の現物需要も急増している。世界中で個人による金の投資が広がる中、米国のコストコでは金延べ棒が販売され、個人投資家たちが活発に取引している。また、日本でも金の需要が高まり、金価格は上昇を続けている。金は他の投資と異なり、配当や利息がないが、価格上昇が期待されることから世界中の個人投資家によって購入が続けられている。将来の金価格については、JPモルガンやシティグループが2500ドルから3000ドルまでの上昇を予想している。