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2024/08/05 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] バイオ技術で代替食品 
明治、高騰カカオを培養 食料安保を強化

日本を含む世界各国の食品大手は、食料危機に備えてバイオ技術を導入しており、明治ホールディングスはカカオの細胞培養技術を、味の素は微生物から生成したたんぱく質を食品に応用しています。明治HDはカリフォルニア・カルチャード社の技術を利用し、2024年度に米国で抗酸化成分を多く含む培養カカオパウダーを販売する予定で、味の素はフィンランドのスタートアップと提携し、シンガポールで販売認可を得た粉末状たんぱく質を使用した菓子を開発しています。 さらに、日清食品HDは東京大学と共同で培養肉の開発を進めており、2025年春にはステーキ状の培養肉を実現する計画です。世界のフードテック市場は2050年には2020年の12倍に増えると予測されており、日本は法整備が不十分で技術開発が進んでいる国々と比べると販売までの道のりが困難ですが、国内外のスタートアップへの出資や提携を通じて技術獲得を進めています。

日経平均、底値模索続く 
市場には「売られすぎ」の声
企業業績なお堅調、腰折れの見方少なく

投資家がリスクを回避する姿勢を示し、日本株が下落する見通し。日経平均株価は半年ぶりの安値で取引終了し、先物取引でもさらなる下落が予想。日本株が10%以上下げた一方、米国株は3%にとどまる。日本株は売られすぎとの見方もあり、割安感が指摘される。日経平均のPERは14.9倍で割安水準とされ、米国の景気後退が日本企業に影響を与えない場合、日本株は売られすぎとの意見も。売られすぎの兆候があり、売りのピークが近づいている可能性。米国株は不透明で、2〜3週間の間に日本株に大きな変動が予想される。ドル円相場の動向も注目され、円安が進むと輸出企業に影響。円安が止まれば円高のペースが鈍くなる可能性。円安で海外投資家の成績が悪化し、円高で資金流入が期待される。今後は米国の景気やドル円相場の影響が相場展開に影響する。

ゆがむ人民元、攻める市場
キャリー取引、通貨安招く

中国は人民元の防衛に焦点を当てており、中央銀行が対ドルの基準値を設定し、元安を避ける一方、元キャリー取引を抑制している。経済の減速感が強まる中、元安容認と通貨防衛の観測が交錯しており、外国人投資家との海外市場での戦いも激化している。元安の防衛には、資本流出防止が最大の理由であり、過去の元安政策が資金流出を引き起こした教訓もある。一方で、元への介入は副作用をもたらし、元の銀行間金利が低下するなか、元キャリー取引が注目を集めている。中国経済の減速に伴い、資金流出が続き、海外投資が増加している状況下で、通貨安の維持が課題となっている。

半導体市況からみた景気
車・家電向け、需要急拡大

半導体市況が回復しており、2024年の世界半導体市場規模は23年比で13%増加する見通し。RSテクノロジーズの方永義社長によると、再生ウエハーの生産が拡大しており、再生ウエハーの世界全体の生産枚数は増加傾向。国内では半導体製造が活況で、TSMCが熊本県に進出し、再生ウエハーの生産が増加している。需要は電圧や電流を制御するパワー半導体が拡大しており、パワー半導体の供給不足が懸念されている。また、中国の半導体産業が台頭する可能性について、中国政府の支援や市場の大きさが強みであり、日本もラピダスの新工場を立ち上げるなど巻き返しを図る姿勢を示している。

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