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2024/08/15 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] 岸田首相退陣へ 自民総裁選に不出馬
支持低迷、再選難しく

岸田文雄首相は、9月の自民党総裁選への不出馬を表明し、政治資金問題などによる政治不信を払拭できず、内閣支持率が低迷していたためと述べた。次期衆院選を見据え、党内から首相交代論が出る状況で総裁再選を断念した。首相は後継を選ぶ自民党総裁選は9月20~29日に行われ、2025年10月30日までの次期衆院選に向けて「党の顔」を選ぶと説明した。また、首相は新総裁の選出後は一致団結し、真のドリームチームを作るべきだと訴えた。岸田首相は、21年10月に就任して以来、新しい資本主義を掲げ、デフレ経済からの脱却と新たな成長型経済への移行を目指してきた。経済面では、消費者物価の伸びや春闘の賃上げ率、日経平均株価の高値推移などが挙げられる。外交面では、ロシアのウクライナ侵略やG7広島サミット、国賓待遇での訪米などを経験してきた。在任日数は1046日で、戦後35人の首相の中で8番目に長い。最後に、バイデン米大統領や英国の政治情勢に触れ、各国の首脳交代が起きている状況を伝えた。

米消費者物価、7月2.9%上昇 市場予想下回る

米労働省が14日発表した7月の消費者物価指数は、前年同月比で2.9%の上昇率となり、市場予想を下回った。エネルギーと食品を除くコア指数も伸びが鈍化している。FRBは9月に利下げを開始する見通しで、インフレの勢いは鈍っている。物価の伸びが鈍化する中、家賃を中心とする住居費の伸びも鈍り、値上がり圧力が弱まってきている。FRBは金融引き締めを緩めるために利下げを検討しており、市場では9月の利下げが期待されている。

米テック株に底入れ期待
S&P500など「半値戻し」 
エヌビディア決算が試金石

米国株市場ではテック関連株を中心に底入れ期待が高まっており、S&P500種株価指数など主要指数は直近高値からの下げ幅の半分近くを回復。テック関連株の2024年4~6月期決算が市場の期待を下回ると大きく下落したが、半導体大手エヌビディアの5~7月期決算が注目されている。半導体関連株は急落していたが、13日の米国市場ではエヌビディアが7%上昇し、AMDも3%高だった。ナスダック総合株価指数は2%以上上昇し、S&P500も4日続伸。8月に入り株式相場は急落し、雇用統計の軟化や景気の不安が広がった。長期金利の低下や半導体受託製造のTSMCの好業績が相場回復の要因となった。企業の決算ではEPSが予想を上回るものの、好決算でも株価反応が鈍い傾向が見られる。テック相場回帰の鍵となるエヌビディアの5~7月期決算が注目される中、次世代GPUの量産遅れや成長戦略の説明が求められている。市場ではAI向け設備投資の影響やテック関連株の動向が注目され、投資家のリスクオン姿勢が市場の動向に影響を与える。

グリコ、ITの司令塔不在
システム障害、1~6月53%減益 
部門超えた連携に課題

江崎グリコはシステム障害により製品出荷が停止し、業績に影響を受けた。主力商品「プッチンプリン」が4カ月間店頭から消え、純利益は前年同期の半減となった。システム障害の原因として、基幹システムの切り替え直後に障害が発生し、主力ブランドの出荷が一時停止した。この障害により、売上高が150億円、営業利益が36億円押し下げられ、特別損失56億円を計上。純利益は53%減少した。グリコはCIOを置かず、システム障害の影響や将来のリスクについて議論が必要とされている。日本企業におけるCIO職の普及率は低く、システム関連の人材やノウハウの不足も問題となっている。ERP導入においても日本企業は独自の仕様で導入しており、システムの複雑化や人材不足が課題となっている。グリコはシステム障害の根本原因を究明中であり、2025年の技術者不足など将来の課題に向けて他社の教訓とすることが求められている。

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