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『みにくいマルコ〜えんとつ町に咲いた花〜』を読んで【だい記#250】
こんにちは。
人生初の恋愛映画『青空エール』を観てから5年間、青春を経験せずに過ぎ去ってしまった悲しい男だいきです。
さて、
今日は「『みにくいマルコ〜えんとつ町に咲いた花〜』を読んで」というテーマで書いていきます。
本の紹介
今日紹介する『みにくいマルコ〜えんとつ町に咲いた花〜』は、キングコングの西野亮廣さんが描いた最新絵本です。
昨年のクリスマスに公開された、映画『えんとつ町のプペル』の続編という位置づけになっています。
表紙は、西野さんお得意の鉛筆スケッチです。
中の華やかな圧倒的なクオリティの絵と、安心感のある表紙の絵のコントラストがなんか好きです(笑)。
ストーリーも、やはり勇気を与えてくれます。
声を出し続けろ!ってこと、そのために叩かれても生き延びろ!ってこと、その状況に追い込まれているマルコを見ていると、なんだかかわいそうと思いつつも、頼りなさそうな見た目と裏腹に、心のなかに熱い何かをもっているような感じがして、僕自身もまけてらんねぇと思わされます。
僕がこれからマルコみたいな状況になっても、諦めず声を上げ続けようと思わせてくれました。
マルコのセリフがない
この絵本を読んで僕が感じたことは、マルコのセリフがないってことです。
マルコは喋るのが苦手でたどたどしいとは書かれていますが、愛人ララとは確かに喋っています。
喋っているはずなのに、ララのセリフしか書かれていないんです。
何か西野さんなりの想いが込められているのかもしれませんが、僕の考えは、先程も書いたように、外面と内面のギャップを生み出しているのかなと思いました。
喋るのがたどたどしいと書かれた上、喋っているセリフがでてこないとなると、正直めっちゃしっかりしているやつ!とは思えません。
リリを助けるため、早とちりで無害の男を放り投げてしまったり、リリのことを好いていたピーターの策略にハマってしまったりと、ピュアな面が多く描かれているので、なんか動物というか、ペットというか、守ってあげなければいけないと思わされるキャラ設定になっています。
セリフがないことで、そのキャラ設定を加速させています。
でも、最後です。
ネタバレになってしまうので言いませんが、マルコはマルコなりにリリに対して気持ちを伝えます。
そして、最後のページはマルコの心の中の思い(セリフ)で幕を閉じます。
このような外面と内面のギャップがあるからこそ、最後のシーンで鳥肌が立つのだと思います。
復讐をしない
ロザンさんのユーチューブで挙げられていた考察なのですが、マルコは悪役に対して復讐をしないんです。
散々ひどい目に遭わされて、愛人ララとも離れ離れにさせられてしまっているのに!です。
普通の物語であれば、悪役を懲らしめることで爽快感が生まれハッピーエンドとして終わります。
ほぼ、悪役はやっつけられるんです。
でも、この絵本は復讐をしない。
終わり方も、はたしてこれはハッピーエンドなのか?という切ない終わり方をします。
ここに西野さんっていう作家像がめちゃめちゃ反映されています。
西野さんのことを叩く人は今までたくさんいました。
でも、西野さんは復讐をしません。
むしろ手を取ります。
このような西野さんの優しさがそのまま反映された絵本だなと思って、心が温かくなりました。
絵本って、短いからこそ読みやすいし、一つ一つのシーンに対して深く考えさせられるので、めちゃめちゃ好きです。
心を洗われる感覚もあります。
『みにくいマルコ〜えんとつ町に咲いた花〜』
素敵な絵本だったので、ぜひ手にとって読んでみてください!!