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2024年総まとめ:量子コンピューターの飛躍とAIで進化するマイクロソフト

2024年は、生成AIが急速に進化し、多くの業界で大きな注目を集めました。特に、OpenAI (Microsoft)、Google、Anthropic、Meta などから、新しい生成AIモデルが次々と登場してワクワクしました。その一方で、生成AIの話題に隠れがちですが、量子コンピューター分野でも目覚ましい進展が見られました。特に、Google の Willow の発表は業界としても大きな衝撃を与えました。

Meet Willow, our state-of-the-art quantum chip

2024年を振り返ると、多方面で大きな進歩がありました。とりわけマイクロソフトは、数多くの発表と成果を示しています。特筆すべき点としては AIと量子コンピューターを融合させたサービスの実現に向けて大きく前進し、新しいハードウェア開発や高い信頼性を持つ量子ビットの実用化に成功しています。こうした成果により、量子コンピューターが実際の課題解決に活用される日がますます近づいていると感じます。本記事では、2024年におけるマイクロソフトの量子コンピューター関連の取り組みを振り返り、その革新と進化に焦点を当てます。


前提として

マイクロソフトは量子コンピューティングにおいて、次の4つの分野で取り組みを進めています。

  1. コンピューティング

  2. アプリケーション

  3. ネットワーキング

  4. セキュリティ

量子コンピューティング

量子コンピューターは、気候変動や食糧安全保障といった地球規模の課題を解決できる可能性を秘めています。マイクロソフトは、こうした課題を解決するために、完全スケールのフォールトトレラント(誤り耐性を持つ)量子コンピューターの構築をめざしています。
「量子コンピューターはどこに最も大きな影響を与えるか」という質問をよく受けますが、特に化学反応や材料特性を量子レベルでシミュレートできる点が、大きな成果につながると期待されています。

アプリケーション

量子コンピューターは単独で存在するわけではなく、高性能計算(HPC)や人工知能(AI)と組み合わせることで、より強力なアプリケーションを生み出すことが可能です。マイクロソフトは「Azure Quantum Elements」というハイブリッドクラウドプラットフォームを提供し、化学や材料科学の分野で新たな発見を加速させる取り組みを行っています。

ネットワーキング

量子ネットワーキングにより、計算を超えた量子エコシステム全体の可能性が大きく広がります。ネットワーキングやセンシング技術を組み合わせて量子スーパーコンピューターを接続し、さらに大規模な問題を解決できる新しいタイプのアプリケーションが期待されています。

Quantum networking: A roadmap to a quantum internet

セキュリティ

量子コンピューターの実用化が進むにつれ、これまで“解読不可能”とされてきた公開鍵暗号が短時間で破られるリスクが高まっています。たとえば Shor のアルゴリズムを使うと、RSA や楕円曲線暗号の秘匿性を支えている大きな数の素因数分解が、従来の計算機では不可能に近かった速度で実行される可能性があります。その一方で、AESSHA といった対称鍵暗号は量子攻撃にも強く、当面の量子安全性は確保されると考えられています。しかし「収集されたデータが将来の量子コンピューターで後から解読されてしまう」リスクを踏まえると、いまからポスト量子暗号(PQC)への段階的な移行計画を立案することが不可欠です。


Azure 上で利用可能な量子ハードウェア

業界のリーダーが作成したさまざまな量子ハードウェア ソリューションから選択できます

スケーリングされた量子コンピューティングを探索して準備します。最先端のクラウド ツールと学習リソースを使用して、量子アルゴリズムの構築と改良に役立ちます。今日の量子ハードウェアの多様なポートフォリオにアクセスできます。


量子コンピューターでできること

量子コンピューターは万能ではありません。特に、小規模データの問題で古典的コンピューターを大きく上回る「量子加速」を発揮する分野に効果があります。一方で、日常的なデータ処理やあらゆる計算を一括で置き換えるわけではありません。
量子コンピューターを最大限に活用するには、その適用範囲を正しく見極め、古典的なコンピューターとの使い分けを検討することが不可欠です。


マイクロソフトの目標

マイクロソフトは今後25年で、化学や材料科学における250年分の進歩を実現し、ビジネスと人類社会の成長に貢献することをめざしています。量子コンピューターが最も大きなインパクトを与える領域として、化学・材料科学を重視しているのです。ここからは、このビジョンを達成するうえで必要な要素と2024年のブレイクスルーを探っていきます。


AI×HCP×Quantumの掛け合わせ

スケールとインダストリアル量子アドバンテージの要件

量子コンピューターは、古典的コンピューターを完全に置き換えるものではなく、高性能計算(HPC)やAIなどと統合されるハイブリッドスーパーコンピューティングプラットフォームとして発展すると考えられています。こうした連続的な計算能力を活用することで、目的に合わせたツールやアプリケーションを開発し、イノベーションを加速させます。


量子コンピューターの実装レベル:3つの段階

量子コンピューターの発展は、大きく以下の3段階にわけられます。

量子コンピューティングの実装レベル

レベル1: Foundational

  • NISQ(ノイジー中規模量子)マシンに相当

  • 量子ビットの数が限られ、ノイズも大きい  

  • 実用的な応用は限定的

レベル2: Resilient 50-100+

  • 1~100個の「論理量子ビット」を持つ段階  

  • ノイズを抑え、より長く計算を続けられる  

  • 50個の論理量子ビットで古典コンピューターやNISQを上回る性能  

  • 100個以上で「科学的な量子優位性」が期待できる

レベル3: Scale 1000+

  • 数千~数百万の論理量子ビットを搭載した量子スーパーコンピューター  

  • 化学や材料科学など、最強の古典的スーパーコンピューターでも解決困難な問題を解決  

  • 気候変動や食料不足など、複雑な社会課題に取り組むためのスケールアップが可能

Microsoft Quantum Machine に向けて 1000+

Microsoft achieves first milestone towards a quantum supercomputer

マイクロソフトはトポロジカル量子ビットを基盤としたアプローチが、フォールトトレラント(耐障害性)の量子スーパーコンピューティングを実現するための差別化された方法を提供し、1000を超える論理量子ビットを達成して産業的な量子優位性を実現できるとしている。


これらの進化により、量子コンピューターが実社会の課題解決に貢献する日が確実に近づいています。今後も高いレベルの技術開発と応用例の拡大により、量子コンピューティングがビジネスにもたらすインパクトはさらに拡大していくでしょう。

前置きが長くなりましたが、上記の前提をもとに、2024年ではどのようなブレイクスルーがあったのかそれぞれ見ていきたいと思います。

2024年の主なマイクロソフト 量子コンピューティングの取り組み


信頼性の高い論理量子ビット(logical qubits)の実証


1. Logical Qubit(論理量子ビット)とは何か?

量子コンピューターでは、計算の最小単位を「量子ビット(qubit)」と呼びます。現在主流となっている単一の量子ビット(物理量子ビット)は、扱いが非常に繊細で、ノイズなどの影響でエラー(誤り)が起きやすいという課題があります。こうしたエラーをそのままにしておくと、計算結果が正しく得られません。

そこで登場するのが「Logical Qubit(論理量子ビット)」です。これは、複数の物理量子ビットを束ねて一つの「論理量子ビット」として扱い、エラーを検出・訂正しながら安定した計算を続けられるようにしたものを指します。以下では、ブログ(Microsoft と Quantinuum の共同研究)を参考にしながら、論理量子ビットのポイントをわかりやすくまとめます。

2. 物理量子ビット vs. 論理量子ビット

  • 物理量子ビット
    実際のハードウェア上にある、一つひとつの「生の」量子ビット。ノイズや干渉を受けやすく、エラーが発生しやすい。

  • 論理量子ビット
    複数の物理量子ビットを組み合わせてエラーを検出・訂正できるようにしたもの。

    • 多少のエラーが起きても自動的に補正する仕組み(量子誤り訂正コードなど)を活用できる。

    • 量子コンピューターを大規模化する上で欠かせない要素。


3. なぜ論理量子ビットが必要か

量子計算を「実用レベル」まで高めるためには、エラーを抑える技術が必須です。もし物理量子ビットのエラー率が高いままでは、大規模な計算ほど結果が信頼できなくなってしまいます。

  • 単純に物理量子ビットの数を増やす(NISQの延長)だけでは、エラーが積み重なり、計算が破綻しやすくなる。

  • 論理量子ビットの導入により、エラーを起こしにくい“しっかりした”基礎の上で大規模化できる。

  • 将来的に量子コンピューターで大きな問題(新薬開発・新素材設計など)を解決するためには、誤り耐性(fault tolerance)を確立し、論理量子ビットを多数確保することが重要。

4. 論理量子ビットのスケールの進捗

  • April 24 / September 24

    • マイクロソフトとQuantinuumが最も信頼性の高い論理量子ビットを実証。物理量子ビットより800倍低いエラー率を達成し、量子コンピューティングの信頼性を大幅に向上させました。

    • Azure Quantum Elementsのプライベートプレビューで、これらの論理量子ビットに基づく機能が利用可能になりました。

    • マイクロソフトとQuantinuumが12個の論理量子ビットのエンタングルに成功。これは過去最大数であり、回路エラー率が22倍改善されたことが示されました。

改良されたエラー訂正コードと量子ビット仮想化システムにより、絡み合った場合の物理回路と論理回路のエラー率が22倍向上したことを実証しました。
  • November 24

    • マイクロソフトとAtom Computingが24個の論理量子ビットのエンタングルを実現し、商業的量子マシンを提供開始。エラー検出・訂正機能を備え、物理量子ビットよりも正確な計算結果を達成しました。

Atom Computingとの新たな商用サービスを発表

現在、Atomは第2世代システムを構築しており、1,200を超える物理量子ビットを備えています。また、新しいハードウェア世代ごとに物理量子ビットの数を10倍に増やす計画を進めています。
物理量子ビットが1,000以上となる段階では、50以上の論理量子ビットを構築し、システムをアップグレードして100論理量子ビットを達成することを目指しています。この時点で、科学的量子優位性を実現できると考えています。

信頼性の高い量子計算だけでなく、AIやハイパフォーマンスコンピューティングとの統合も必要とする科学的な量子アドバンテージに向けての進歩を示している

次世代技術とアプリケーションの応用

1. Azure Quantum Elemets とは?

Azure Quantum Elementsは、マイクロソフトが提供するクラウドベースのプラットフォームで、研究者・科学者の方々が化学や材料科学分野の発見を加速できるように設計されたサービスです。大きな特徴は、AI(人工知能)やHPC(高性能コンピューティング)、そして量子コンピューティングといった先端技術を組み合わせて活用できる点にあります。

2. 科学研究のスピードを大幅にアップ

従来、分子構造の探索や材料設計には高度な専門知識と時間・手間がかかるのが当たり前でした。Azure Quantum Elementsでは、以下のような新しいツールが用意されており、研究者が今まで時間を要していた作業を飛躍的に効率化できます。

  • Generative Chemistry
    AIによる分子デザイン支援。数多くの候補分子を自動生成・評価し、化学合成のしやすさや毒性を含めてスクリーニングするため、まったく新しい分子も素早く候補に挙がりやすくなります。

  • Accelerated DFT(Density Functional Theory) 
    分子や材料の量子力学的特性を調べる際に重要なDFT計算を高速化したコードです。クラウド上で提供されるので、大規模分子の解析でも高い計算速度と使いやすさが特徴です。

  • Copilot in Azure Quantum 
    マイクロソフトが提供する量子コンピューティングプラットフォーム「Azure Quantum」に統合されたAIアシスタントです。 このCopilotは、科学者や研究者が自然言語で複雑な化学や材料科学の問題を解決するのを支援します

Learn chemistry with Azure Quantum

3. AIとHPCが融合した強力な研究基盤

Azure Quantum Elementsは Azure 上に構築されているため、必要に応じて強力なHPCリソースを活用できるだけでなく、AIモデルのトレーニングや推論を容易に行えます。分子設計や材料評価のような膨大な計算量が必要なタスクを、一連のクラウドサービスで一貫して処理できるのがメリットです。

4. 量子コンピューティングとの連携

さらに将来的には、クラシックコンピュータでは困難な量子化学計算や超大規模シミュレーションを行うため、論理量子ビットを活用したハイブリッド計算が取り入れられています。すでに他社との共同研究では、化学触媒のシミュレーションにおいて論理量子ビットを活用し、これまでにない精度での実験的成果を示しています。

5. 具体的なメリットと事例

  • マイクロソフトとPNNL(パシフィック・ノースウェスト国立研究所)の共同研究

膨大な候補 3,200万→安定している物質 50万→さらに800→150→最終的に18 まで絞り込み

「次世代の電池材料」通常数年かかる探索・開発プロセスを わずか数週間に短縮して発見した。※こちらはAIとHPCで実施
PNNLとの協力に限らず、他の企業とのコラボレーションでも研究開発の成果を上げています。

  • Unilever:

    • 高速シミュレーション: 従来の数十の実験に相当する数千の計算シミュレーションを短時間で実施し、製品開発を加速しています。

    • 新素材の発見: AIと量子コンピューティングを組み合わせることで、革新的な素材の探索と特性評価を迅速化しています。

    • 製品フォーミュレーションの最適化: 成分の比率を精密に調整し、製品の品質向上と開発期間の短縮を実現しています。

  • AkzoNobel: より持続可能な塗料の開発を加速する方法を探求しています。

  • AspenTech: Azure Quantum Elementsを活用して、持続可能な未来を可能にする技術革新のスピードアップに取り組んでいます。

  • 1910 Genetics: AI、計算技術、生物学的自動化を統合することで、薬の発見を加速する取り組みを強化しています。

  • Johnson Matthey: 水素燃料電池のイノベーションを加速するために、最近協力を開始しました。


Quantum-Safe :ポスト量子時代に向けた準備

近い将来の量子コンピューターの台頭によって現在の暗号技術が脅かされる可能性があるため、組織や企業がどう備えるべきかにたいして、マイクロソフトも熱心に取り組みを進めています。

Ensuring a quantum-safe future, together

0. はじめに

量子コンピューターで現行の暗号が破られるのではないか?」という不安は、多くの方が抱く疑問です。
実際、「どれくらい短い時間で破られてしまうのか?」というリスク評価は、企業や組織の情報セキュリティに直結します。
そこで役立つのが Copilot in Azure Quantum です。

Copilot in Azure Quantum

このツールを使うと、たとえば RSAECCなどの現行暗号をどのような量子ビット構成やエラー率で、どれくらいの時間で解読可能になるかを試算できます。

  • リスク評価の明確化:暗号破られるまでの目安が数年単位なのか、もっと短いスパンなのかを把握することで、セキュリティ対策の投資判断がしやすくなります。

  • 将来の計画策定:量子コンピューター技術の進歩に合わせて、いつ・どのタイミングで暗号アルゴリズムを置き換えるか、ロードマップを立てる際の根拠データとして活用できます。

  • 専門知識が不要:Copilot がインタラクティブにアシストするため、必ずしも量子力学や暗号の深い知識がなくても、基本的なシミュレーション結果を得ることができます。

1. なぜ量子コンピューターが脅威になるのか

  • “Harvest Now, Decrypt Later”
    悪意ある第三者が「機密データを現時点で盗み、将来的に量子コンピューターで解読する」シナリオが懸念されています。

  • Shorのアルゴリズムなど
    公開鍵暗号方式(RSA、ECCなど)を量子コンピューターで高速に解読される可能性があります。

2. 量子安全(Quantum-Safe)の重要性

  • 長期的かつ機密性の高いデータ
    特に保存期間が10年以上にわたるデータは、今から安全性を考慮しないと将来的に危険にさらされるリスクがあります。

  • マイクロソフトの取り組み
    企業全体で量子安全に向けたゴールを設定し、「Microsoft Quantum Safe Program」を立ち上げ、製品・サービス・データセンターの暗号アルゴリズムを次世代規格へ移行する準備を進めています。

3. まずは“対称鍵”から、そして“PQC”へ

  • 対称鍵暗号
    AES のような対称鍵暗号や SHA 系のハッシュ関数は、量子攻撃にも比較的強靱とされています。  

  • PQC(Post-Quantum Cryptography)
    RSA や ECC といった公開鍵暗号への代替として、NISTなどの標準化団体が量子耐性を持つ暗号を策定中。  

    • 規格策定後は急速に普及させる必要があり、当面はハイブリッド方式(古い公開鍵暗号との併用)が見込まれます。

4. 組織が今すぐ始めるべきこと

  1. 暗号資産(Crypto Inventory)の可視化

    • 自社システムやアプリケーションでどの暗号方式が使われているかを把握する  

    • どのデータが特に長期保存され、機密性が高いかを洗い出す

  2. インパクト・アセスメント

    • クリティカルな部分が量子に脆弱かどうかを評価し、優先度を設定  

    • 重要度が高く、10年以上守る必要があるデータは最優先でPQ化へ

  3. 計画とロードマップ策定

    • いつ、どこを、どのようにPQCへ移行するのか  

    • システム更新やパッチ計画を長期的視点で管理

  4. CodeQL などのツール活用

    • GitHubが提供する静的解析ツールを使って、公開鍵暗号の使用箇所や古い暗号を洗い出す

  5. Azure Quantum Resource Estimator の活用

    • 対称鍵と公開鍵の量子耐性比較を学習し、組織に合わせた暗号移行計画を検討


5. 量子安全への道のり

  • 標準化団体と連携

    • マイクロソフトはNISTやISO、IETFなどの標準策定に深く関わり、PQCアルゴリズムの開発・テストに取り組んでいます。  

  • ハイブリッド暗号の導入

    • 既存の暗号方式を残しつつ、将来のPQCへシームレスに移行できる準備を推進。  

  • コミュニティへの貢献

    • Open Quantum Safeプロジェクトへ参画し、パートナーや学術機関と協力してPQC実装や検証を進めています。


6. まとめ

  • 量子コンピューターが実用化すると、現在主流の公開鍵暗号が破られるリスクが高まる

  • 対策は今から始める

    • 機密データの洗い出し、システム評価、PQC移行の計画立案などが必要  

  • マイクロソフトのサポート

    • 「Microsoft Quantum Safe Program」などを通じて、企業や組織が量子時代でも安全に情報を守るための支援を提供

    • 申請はこちらから

将来的に量子コンピューターがもたらすメリットを享受しつつ、ポスト量子時代でも安全性を確保するために、今から準備することが重要です。


オープンソースと開発者エクスペリエンスの向上

  • Azure Quantum Resource Estimatorがオープンソース化され、量子アルゴリズムに必要なリソースの見積もりが多くの開発者に利用可能となり、研究開発が加速しました。

  • Azure Quantum Development Kit (QDK) v1.0がリリースされ、速度、シンプルさ、使いやすさを重視した設計により、開発者エクスペリエンスが向上しました。

  • Azure Quantum Resource Estimatorに、空間と時間のトレードオフを評価する機能が追加され、量子ビット数と実行時間のバランスを詳細に検討可能にしました。

  • Azure Quantum Development Kitに統合ハイブリッドサポートが追加され、量子アルゴリズムと古典アルゴリズムを柔軟に組み合わせることが可能に。

https://learn.microsoft.com/en-us/azure/quantum/overview-azure-quantum#resource-estimation-in-quantum-computing

学習コンテンツ

Webinar:過去の量子コンピューティングに関するアーカイブまとめ

Microsoft Quantum Innovator Series

Quantum Katas : ステップバイステップで学習が可能

Learn with Azure Quantum katas

最新:Microsoft と Atom Computing によるウェビナー 2025年 1月17日

WebinerAirmeet: Webinar by Microsoft & Atom Computing

総括

2024年のマイクロソフトは、以下の取り組みにより、量子コンピューティングの実用化に向けて大きな前進を遂げました:

  • 信頼性の高い論理量子ビットの実現と、それに基づくシステムの開発。

  • Azure Quantum Elementsの機能拡張とAIとの融合。

  • 各種パートナーシップによる新しいハードウェアの提供予定。

これらの進展は、量子コンピューティングの未来に向けて確実な一歩となっています。この総括が、2024年のマイクロソフトの成果を知る一助となれば幸いです。

📎参照リンク

LP
Azure Quantum | Homepage
Microsoft Quantum の概要 – Quantum Machines | Microsoft Azure
Azure Quantum - 量子クラウド コンピューティング サービス | Microsoft Azure

Document
Azure Quantum documentation, QDK & Q# programming language - Azure Quantum | Microsoft Learn

News Blog
Accelerating scientific discovery with Azure Quantum - The Official Microsoft Blog
Accelerating telco transformation in the era of AI - The Official Microsoft Blog
Advancing science: Microsoft and Quantinuum demonstrate the most reliable logical qubits on record with an error rate 800x better than physical qubits - The Official Microsoft Blog
Empowering every scientist with AI-augmented scientific discovery - The Official Microsoft Blog
Microsoft announces the best performing logical qubits on record and will provide priority access to reliable quantum hardware in Azure Quantum - The Official Microsoft Blog
Building a quantum-safe future - The Official Microsoft Blog

Azure Quantum Blog
Microsoft Azure Quantum Blog | Research, Development & Insights
Q# Blog

GitHub
qsharp/resource_estimator at main · microsoft/qsharp
microsoft/qsharp: Azure Quantum Development Kit, including the Q# programming language, resource estimator, and Quantum Katas

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