大根、1000本あったら1000本、1000回
2024.10
両手に力を込めて暖かな土の中から、この世に真っ白な肌を見せて。
1000本あったら1000本、1000回。手で抜かれます。畑に並べられて、重ねられて、一列に並びます。包丁の登場です。よく切れる、包丁です。緑の葉っぱが、サクッツ、サクッツ、サクッツ。ザクッとではありません。 サクッツとなんです。 それは、包丁がよく切れるからなんです。緑の葉っぱが、畑に並び、大根は、軽トラックに綺麗に上手に並べられ、自宅の作業場へと運ばれていきます。1000本積んだら1000本、1000回。農業人の手によって、一本一本積まれます。綺麗に上手に。軽トラックには300本くらい積まれるのです。農作業場に移された大根が、一本一本、軽トラックから降ろされます。農業人の手によってです。水洗いが始まります。大根は回転しながら、水で洗われて、美しい白い肌になります。1000本あったら1000本、1000回。カーゴに積まれ、お尻を見せて乾かされます。 そして、最後に段ボール箱に積み込まれます。1000本あったら1000本、1000回。人の手(農業人)によってです。そして、大根は出荷され、輸送トラックで市場に出荷。流通経路を経て、店頭に並びます。人の手(販売員)によって並びます。そして、人の手(消費者)によって、一本、二本、買われて食卓に上ります。 そうなんです、一本一本が何度も、人の手によって、抜かれ、洗われ、運ばれ、買われ、そして口に入るのです。一本一本です。どんな野菜も人の手によって、一本一本、丁寧に扱われています。農作業を手伝いながら見ることになりました。感謝というほか言葉がありません。食べられる部分はすべて残さず加工するようになりました。 だって1000本あったら1000本、1000回。 人の手に懸けられているのです。 捨てられません。
今も、農作業を手伝っています。
美味しい野菜、食べてますか。